米大統領も夏休みで“summer doldrums(夏枯れ)”とか書いた端から
北朝鮮問題がぶり返し、「この展開こそが相場の相場たるところです」というような不確実性の急浮上。
まずワシントンポストが、北朝鮮がICBM級(大陸間弾道)ミサイルに搭載可能な小型核弾頭の生産に成功したと報じたのが、始まりだった。そして、ゴルフ場からの記者会見でトランプ大統領が、ミサイルの打ち上げ実験を繰り返し、挑発的声明を発表している北朝鮮に対し、警告と受け止められる発言をして、メディアが飛びついた。具体的には、「北朝鮮は米国にこれ以上の脅しをかけるのをやめるべき」として、さもなければ「世界がこれまで目にしたことのないような炎と怒り(fire and fury)に直面するだろう」・・・と。ついに戦端を開くのか・・・と。
午前の時点で、いつもは気にもかけない「6月の求人労働移動調査(JOLT)」の好結果に反応して買われたドル、上がった長期金利、売られた金は、それまでの流れが反転逆流し金は買い戻されることになった。
その後、今度は北朝鮮が、グアムにある米軍基地へのミサイル攻撃を慎重に検討していると、同国国営通信社が報じたことから、にわかに北朝鮮情勢を巡る緊張が高まることになった。円高に触れたこともあるが、昼間の日経平均は257円安で終了。この程度でもこのところ平穏相場が続いていたので、結構動いた気がするのは“平和ボケ” といったところだろう。
ここまでいろいろ北朝鮮サイドからの動きこそあれ、黙って国連安保理にかけるくらいで、やり過ごしてきたトランプ政権が多少なりとも対峙の姿勢を示したことで、さて、まずは今夜のNY株の反応が見ものと思う。調整らしい調整を経ないまま、ここまで突っ走って来ただけに、この問題をどうこなすのか。益出しの口実にするのか、それでも走るのか。今後を考える上でも、興味深い。