亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

後追い材料が必要

2012年06月04日 16時20分33秒 | 金市場
さて先週末米雇用統計を受けた金価格の急騰劇は、それまでの急落の際の逆バージョン、すなわちファンドの一方通行的な買い(戻し)プログラムが次々にヒットしたもの。下げている際に「逆も起こる」といくつかの媒体に書いたり話したりしたが、起爆剤となる材料としては前月のデータの大幅下方修正も加わったことで、まさにサプライズとなり、これではFRBも動かざるを得まい・・という見方が広がった。したがって5月17日に前日のFOMC議事録要旨の内容に反応したショート・カバーで40ドルほど急騰したことがあるが、それのより規模の大きなものが起きたということになる。問題は、新規資金の流入の有無となる。NYコメックスであれば新規買いが入るか否かということが関心事に。

何はともあれ、1600ドルを上回ったことで目先は戻り売りが出るのは当然のことで、まずは1600ドル大台維持から1650ドル超えにと移行できるか否か。それはここからの材料の援護が必要となろう。今週は6日にジャネット・イエレンFRB副議長がボストン地区連銀にて講演。翌7日にバーナンキ議長が上下両院合同経済委員会にて議会証言の予定となっている。6日はECBの理事会にベージュブック(地区連銀経済報告)もある。今夜の4月の米製造業受注などというデータも、前回3月がマイナス1.9%だっただけに市場がピリピリしている折でもあり、結果が悪ければ通常以上に反応する可能性があろう。明日のISM非製造業景況指数も同じ。

以前から金については、米国関連で4、5月の種々のデータの結果が出る5、6月が動きのポイントとしてきた。予想としては、ECBのLTRO(3年もの特別融資)の賞味期限切れで株高も持って4から5月で今年も春先の“夜明け”期待は、“偽りの夜明け”になるのでは・・とした。したがって、金は追加緩和期待から早ければ6月下旬。時間がかかれば9月2週目くらいから上昇のパターンではないかと話してきた。特に夏以降は米国財政問題が材料に加わるとみられると。株高についてはアップルの600ドル突破で沸いている状況が、カネ余り相場の象徴とした。しかし、5月に金が100ドル超も売り叩かれる可能性は小さいと見ていた。ドル円も、2月以降のドル反騰はあったが、ドル安円高の流れは変わらずとしてきた。さて、どうなるか。

そうこうしているうちにギリシャの選挙がやってきて、FOMCがやってくるのだろう。時間の経過が早い。

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