亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

米債利回り低下が示す米株調整局面入り、NY金は売り買い交錯

2020年02月27日 21時15分45秒 | 金市場
新型コロナウイルス問題、ここまでどこか他人事のような感じの米国もそうも言っていられなくなるのか否かという踊り場に来たようだ。震源地の中国は地理的に遠く、欧州や日本その他アジア諸国に比べて比較的中国への依存度は低いことから、米国への影響は薄いというのは事実だろう。あくまでも比較の問題ではあるが。

加えて、昨夜発表された1月の新築住宅販売がリーマン前のブーム時に戻る好調さ(販売戸数は2007年7月以来12年半ぶりの高水準)を示したが、内需の強さは突出しているのも強みではある。ただし、好調な住宅市場だが、昨年後半のFRBの「好況下での連続利下げ」というブースターが効を奏したもので、今後さらなる拡大となると果たしてどうか。今週に入って以降の米国株の大幅安に刺激された側面はあるが、米債特に長期債の利回り低下は先行きの懸念を表すもの。先週末のマークイットの2月PMIの急激な落ち込み、とくにサービス業のそれは注目を集めたが、来週はISMの製造業、非製造業景況指数の発表が控える。米中合意成立で高まった1月の製造業指数は好悪分岐点の50を上回ったが、センチメント系の指標だけにどうなるか。マークイットの結果からは非製造業の指数もぐっと注目度が上がることになった。

本日は日経平均がついに2万2000円の節目を割り込み、4日続落で昨年10月以来4か月半ぶりの安値。日本時間の午前早くに新型コロナ対応をトランプ政権がペンス副大統領を立ててタスクフォースの設置を宣言。その後、米疾病対策センター(CDC)が米カリフォルニア州で感染経路を確認できない新型コロナウイルスの事例を確認したと発表したと伝わり、市場センチメントは急速に悪化した。米国で初の「市中感染」の可能性があり、米国でもステージが変わることになる。もっとも、CDCはそうなるのは時間の問題だと前日に警告していたが。。。新型コロナについて、米国も対岸の火事ではなくなることになる。

アジア時間からNYダウなど先物で売られていたこともあり、欧州株はドイツはじめ2%超の下げで全面安状態。米10年債利回りは時間外のアジア時間から小幅に上下しながら水準を下げながら進行し、日本時間21時時点で1.291%となっている。過去最低更新中。30年債も同じく記録更新の1.775%。これは1カ月前の10年債利回りと同じ水準。名実ともに本日米株は調整局面入りか。さすがにNY金は反発し、売り物をこなしながら1650ドルあたりをウロウロという感じ。まもなく始まるNY通常取引入り後に、どこまで戻せるかに注目。

そういえばロイターがIOC(国際オリンピック委員会)委員の話として、 東京五輪の開催延期の可能性について報じていたが、もちろん長引けばその可能性があるが、だからこそこの2週間が勝負ということか。
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