原油の上昇が止まらない。WTI原油まで100ドルに達した。本日、この時間といっても上海時間の午後10時半過ぎだが99ドル台ミドルに位置している。さすがに産油国リビアでの混乱拡大は金融市場への影響は大きく、エジプトの比ではなかった。リビア産原油への依存度が高い国は、スペイン、フランス、イタリアの3国とのこと。今回の事態でOPECなど産油国側は仮にリビアからの供給が止まった際に補完の増産を考えているとされるが、なんでもリビア産の原油は特に品質が良く(軽質油)、サウジなどのカバーはその面で難しいということらしい。リビア産原油が高品質とは知らなかった。米国は原油在庫がジャブジャブとは伝えられているのだが、年始からガソリンの上昇が伝えられておりガロンで3ドルを超えたとニュースになっていたはず。雪の影響などで一過性のものだったのだろうか。通常、米国でのガソリンの値上がりというとドライブ・シーズンの到来が浮かぶが、今頃から上がっていたとするならば、シーズン到来後はどうなるのか。今回の北アフリカ・中東での問題は、ひとくくりで「地政学的リスク」と呼ばれる。いまは通常の環境ではなく主要国がすべからく傷んだ経済や国の仕組みを立て直すのに躍起になっている折でもあり、いわば抵抗力が弱っている状態といえ、その状態ゆえに、より堪(こた)えるというわけだ。
そのリビア情勢だが、カダフィ大佐が中国の天安門事件を引き合いに出して、反政府運動の武力鎮圧を正当化したとやらで中国政府は迷惑がっているとのこと。写真は日経などでも時々その記事が取り上げられる昨日の環球時報(Global Times)。共産党機関紙、人民日報の系列紙。このニュースには無関係だが、中東情勢にはかなり神経を使っている。ネット規制強化は先日伝えられたばかり。