亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

貴金属も乱高下、プラチナ急落

2011年02月23日 12時28分08秒 | 金市場

前日から欧州市場を中心に株は下げていたが週明けNY株はさすがに急落状態。金価格もNYコメックス時間外のグローベックスで1410ドル超まで見たものの、こちらは利益確定の売りに押し戻され、1390ドル台前半では押し目買いは入るものの、その戻りを売られる展開で1400ドルを挟んだ動きとなっている。

 

金についてはチュニジアから飛び火する形でエジプトで反政府抗議行動が起きた先月1月27日以降金価格は6%強上がってきたので、どちらにしても台替わりで売り物が出るであろうことは予想されていたこと。往々にして地政学的要因を材料にした上げ相場は、時間の経過とともに市場が状況を織り込みにかかり、材料に目新しさが薄れ高値に届いても滞空時間が短くなる・・・って、ここを読んでくれている人には言うまでもないか。ただし、一般にはそうだが他の要因が重なってくるとそうでもないというのは、例えば前回書いた材料、要素の共鳴現象が起きると異なった反応につながるということ。

 

NY株はWTI原油の前日比8.5%暴騰≒企業のコストアップ要因、景気回復の阻害要因という連想から売られた。貴金属ではナイメックスのプラチナが前日比57ドル安の1786.30ドルに沈んだのは金などと異なり市場参加者が少ないゆえに、一握りのファンドの売りでこれくらいの上下動は許容範囲という内部要因がひとつ。さらには産業用メタルとしての特性の強さによる。前者については、“だから2008年に南アの供給阻害要因を材料にバブル化し2000ドル超に暴騰し、その後逆に800ドル割れに落ちる”という大立ち回りを演じることになった。後者については、プラチナ、パラジウムは自動車販売台数の新興国での急増に主要国での回復がひとつのポイントになってきたが、景気阻害要因の表面化は売り材料とされる。

 

自動車というと先頃中国の1月の自動車販売台数が発表され確か180万台だったと記憶しているが、同じ1月の米国は80万台だった。北京ではあまりの渋滞に音を上げた当局がナンバープレートの割り当て制限をして販売減が懸念されていたが、何の何の全体では増加となっていた。こうした展開が白金族系の価格を支えるということ。

 

写真は今朝の上海市のもの。ラッシュアワーが終わった9時半ころだが、上方に見えるのは高速道路。下方は一般道の信号待ち。まぁ、首都高も結構渋滞はするけど。。ガスに煙っていて曇っているように見えるが天気はいい。大気汚染は進んでいる。ようやく環境対策に本腰を入れようとしているらしい。

 


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