政治的判断に委ねられるギリシャ問題 望むのはチプラス政権の崩壊?
昨日発表された5月鉱工業生産指数が注目されたのは、FOMCを控えて出遅れ気味の企業部門の動向を見たいということがあります。プラス予想がマイナスとなり、マイナスとなっていた4月分はさらに下方修正ということになりました。45分早い8時半に発表された、NY連銀製造業景況指数も3.09のプラスとなった前月比を上回るプラスの6.0の予想がマイナス1.92と、基準のゼロを下回り2013年1月以来の低水準に。
地区連銀経済報告(ベージュブック)などのトーンよりも低めの結果に出ているような印象は否めず。
さてギリシャ。開き直ったチプラス首相は、ユーロ圏財務相会合当日にロシア訪問。債権団側をイラつかせるばかりです。先週11日にはIMF交渉団が席を蹴ってワシントンに帰ってしまい物議を醸しましたが、その時の改革案がダメだといわれて代わりに出した案を巡る14日の話し合いが45分で終了と。こちらもIMFと同じことをしたかったでしょうね。前の案と大きな変化は認められなかったということですね。
後は、政治的判断ということになりますので、来週のEU首脳会合までもつれるか否か。すでにECBは警戒モードに入っている様子。
馬を水飲み場に連れて行くことはできますが、飲むのは馬次第。
債権団にとっての最善の策は、チプラス政権の崩壊でしょう。先週辺りから、以前と違ってギリシャ債務の保有者は民間部門ではなくECBなど公的部門なので、通常のデフォルトとは異なるんだ・・・・という詭弁のような解釈が登場しています。
ギリシャは返済不能しかしデフォルトにあらず・・・ということにして、時間稼ぎをしギリシャに解散総選挙をやらせるというシナリオもありかな?と。異端の説といわれそうですが。
先週金曜日は、ラジオNikkeiマーケット・トレンドでした。
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6月18日木曜日は17時から日経CNBC「デリバティブ・マーケット」です。