亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

週末は引き続き小動きで終了。重要イベントが控える今週

2015年06月15日 16時52分50秒 | 金市場
週末6月12日のNY市場の金価格は、ギリシャ問題に時間切れが迫る中で、さすがに警戒感からNY株に売りが膨らんだにもかかわらず、金市場は静かな展開のレンジ相場に始終した。最終的には通常取引は前日比1.20ドル安の1179.20ドルと、小幅続落で取引を終えることになった。

12日の金市場は、基本的には6ドル程度の価格帯内での値動きであり方向感の出ない中でドルの値動きに影響される展開が続くことになった。アジアの時間帯を過ぎロンドンの取引時間帯では、ドイツのメルケル首相が強すぎるユーロ はスペインやアイルランドの改革の障害になるとの見方を示したことで、ユーロ安ドル高の中で金市場では売り物が膨らむことに。

ただし下げが限定的なものになったのは、ドイツ国内紙が、ドイツ政府がギリシャが財政破綻した場合の対応に向けて協議していると報じたことなどが、金をサポートしたようだ。

NYの通常取引に入ってからは、発表された5月の米生産者物価指数(PPI、速報値)が、前月比+0.5%と2年半ぶりの高さになり、予想の+0.4%を上回ったことから、利上げ方向の環境を印象付け、金市場では売り材料となった。この段階で1170ドル台半ばまで水準を下げることになるも、その後は徐々に値を戻し再び1180ドル台に復帰という展開に。続いて発表された6月のミシガン大消費者景況感指数は前月の90.7 から94.6 に改善、予想(91.2)よりも強い結果となったが、反応は限定的なものに終わった。

今週は、米国では経済見通し付き、すなわち終了後にイエレン議長の記者会見もあるFOMC(連邦公開市場委員会)が16、17日の日程で開かれる。利上げを含む大きな政策変更はないと見られるが、金利や成長率などの見通しを示すことから、前回3月の見通しからの変動などから利上げのタイミングを計ろうとする市場にあって、思惑の変化から金に限らず為替や債券市場などの値動きが大きくなる可能性は否めない。

FOMC絡みでは本日発表される米5月の鉱工業生産指数が注目される。昨年12月から4月まで前月比マイナスが続いており、プラスに転じているか否かは、FOMCの判断に影響を与える可能性がありそうだ。

今週は欧州ではギリシャ問題を話し合う18日のユーロ圏財務相会合が控える。時間切れが迫る中でのラストチャンスとの見方があるものの、合意の可能性は低いとみられる。ギリシャ要因については、デフォルト(債務不履行)になった際の影響度を市場も計りかねており、現実のものとなった際に市場の反応を見ながら対応という状況のようだ。

したがって、市場間の“共鳴現象”のようなことになると、値動きが意外に大きくなる可能性もあろう。

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