亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

株高経営がもたらした精製能力不足

2005年09月06日 16時51分20秒 | トピック
昨夜の米国市場はレーバーデイで休み。先週の各市場は、「カトリーナ」の影響を巡り騒然とした面持ちだったのでこの休日は一息入れて冷静になるいい機会だろう。昨今は市場が閉まっていても時間外取引という手段があるので、まったく止まっているわけではないが、参加者の多くは休みなので小休止に違いはない。
「カトリーナ」による米国内でのガソリン価格の急騰。危機感を募らせた国際社会は国際協調のもと各国が保有している備蓄原油を放出することに。これが伝えられている「国際エネルギー機関による戦略原油備蓄の放出」。加盟国は26カ国でもちろん日本も入っている。その方針に敬意を表する形でWTI原油は歩みを止め67ドル近辺で逡巡中。

今日の昼間、BULLさんからのメールには、「IEAの放出ですが、用船確保、地域間価格差、品質等でガソリン輸出は難しいようですね。備蓄原油取り崩しの方向との見方が大勢的です。西海岸に陸揚げしてもパイプラインがないので、パナマをとおってコスト高。欧州から北米に向かう石油製品のタンカーコスト上昇中らしいです」とあった。

操業停止に追い込まれた製油所のいくつかでは、部分再開に漕ぎ付けたところも出てきているが、元に戻るのは時間の問題とはいえ、回復しても精製能力が以前の状態を上回るわけではない。ガソリンなど製品価格を刺激する要因は残る。寒くなれば、先日まで行け行けドンドン状態だった天然ガス、ヒーティングオイル(暖房油)も控えているしね。

それにしても石油製品不足は、手元の流動性(資金)を株主の期待に答えるために増配や自社株買いに向けた結果ともいえる。不確かな設備投資よりも株高に向けた資金の投入が優先されるという、いま評判の株高経営(株主が喜ぶ政策)の結果というわけだ。それで株主は高いエネルギーコストを負担するというのは、どっちが得なんだか?

BULL
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2 コメント

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真面目にやります (ぶる)
2005-09-07 00:18:26
これは何かな?と思ってクリックしますと我が家にたどりつきました。



WTI@66.70

GOLD@443.05/75としぶとく強いです。



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おはようございます ()
2005-09-07 07:46:56
ははは、コメント欄できましたか。

いつも真面目ではないですか。
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