亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

配当など二の次

2010年04月30日 20時22分19秒 | 金市場
まずドル建て金価格の話。ここまでの経過は、やはり高値を取ってきた。昨年12月の過去高値示現後3回目のトライで一応戻り高値クリア。金ETFはまた6トン強増えこれで4日間で19トン弱増えたことになる。19トンとサラッと書くのだが、これは金市場にとっては大きな動き。今週取り上げた話にIMFがここまで5.6トン売却というものがあったが、それ以上のものが1日で増えているわけだ。

昨日書いたように、カネ余り環境の継続が固まったことが大きいだろう。ユーロ圏に関してはS&Pがスペインの格下げを発表したが、さすがにこのタイミングでの発表に、IMFのストロスカーン専務理事が「格付などあてにならん」的な発言をしていた。ユーロ圏がもっとも恐れる信用崩壊リスクの「Contagion(伝染)」を意識させる材料だから、むべなるかな。

ここまでEU(欧州連合)が中心になりギリシャ支援で合意はするものの、混乱は一向に収まらなかった。なぜか?それはEUサイドがあくまで「ギリシャは破綻状態にないし、しない」という前提に立って対処してきたのに対し、市場は「ギリシャは既に破綻している」と見なして動いていることによる。噛み合わせの違いが、市場のヒビ割れを起こしているが、そのヒビに楔(くさび)を打ち込んで更に大きくして一儲け、という輩が増えて事態は深刻化した。楔を打ち込むやつらは排除しろという声も高まる。物事は相互作用なので、事態は新たな展開のなかで性質を変えていく。

いまやギリシャ問題は、一時的な金融支援で償還を乗り切ることで収まるとは誰も思っておらず、収まるとすると新興国を中心に主要国を巻き込んだ予想外の成長を世界経済が見せた場合ということになるが、それを前提にするのは楽観過ぎる。結局、ギリシャを破綻処理し債務一部免除などということに踏み込めるのか否か。多分、希望的観測のもと、目先の痛みを回避する方向に進むことになりそうだ。

レバレッジの利かない、しかもゼロ金利はもとより0.4%ととはいえコストの発生する金ETFを大量購入する投資家は、配当など二の次ということだろう。また、配当など考えなくていい投資家ということだろう。

・・・・・・これより阪神巨人戦のTV観戦に移行します。

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4 コメント

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GS問題 (Unknown)
2010-05-01 08:27:35
日本時間の30日朝にはGSが刑事捜査の対象となっているとの米国メディアの報道は既に流れていた。
日経CNBCのキャスターは前場終了後「米国のGDPよりGS問題で株価が下げないか心配だ」とコメントしていた。懸念どうりの展開でNYは大幅安。為替は何とか93円台後半で踏みとどまっている。

政治的な、選挙目当てのGS問題と皆なうがった見解だが、個人的にはリーマンショックを引き起こし世界を大混乱に陥れた米国で逮捕者の一人も出ていない?事態こそ奇異だ。日本の金融危機では随分と逮捕者が出てまだ裁判中の案件もあったと思う。生贄、何でGSだけか?といった指摘よりも一罰百戎で終わらず疑惑のあるたとえばドイツ銀行や米国の他の金融機関にも捜査を拡大して欲しい。

どうも株とか、金とか持ってると私もついGS問題など迷惑と思ってしまうがある程度正義?が貫かれねば世界は本当に終焉に向かっていく気がする。
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Unknown (koji)
2010-04-30 22:08:39
ソブリンリスクがいずれアメリカ、日本に来ることは間違いない。そのときこそ、ゴールドが一番輝くとき。お札はお尻を拭くために使えばいい。もったいないからね
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Unknown (まゆげ)
2010-04-30 22:08:12
ビッグネームの後だと書きづらい。。
K先生・T先生いつも勉強させていただいております。
ここ数日の環境変化はちょっと、素人の私にはついていけません。勉強の期間にします。
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円安・金上昇同時進行中 (Unknown)
2010-04-30 21:14:45
現地30日でポールソンのファンドの解約期限が到来。4月30日締めで6月30日の解約履行?だったけ。解約殺到とのニュースなし。

ドイツのニュース、新聞とかに直接コンタクトすると荒れ模様。地方選挙もあるしどうなることやら?ギリシアの国債の償還期限は短く、例えば英国などとは事情が異なるみたいだ。今回の国債が償還できても今後修羅場は何回も来るだろう。

金余り・リスク許容でも、ソブリンリスク意識のどちらでも金が買われるようになった。

あとは円安の風吹くか?鳩山さんに期待して御免ね。
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