亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

「世界的に陰りが広がる中で」

2012年07月26日 18時34分26秒 | 金市場
NY市場の金価格は約2週間ぶりに1600ドル台を回復。議会証言でバーナンキ議長が明言をしなくとも減速傾向が強まれば、様子見をしている緩和策の拡大に進まざるを得ないという見方が底流にある。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)など有力メディアがそうした論調を張っていることも背中を押し、このところのレンジの上限に押し上げられた。要は追加緩和が実行されるのではとの期待が盛り返した。

先日の日曜日、京都にて、来週7月31日、8月1日に予定されているFOMC(連邦公開市場委員会)では、QE3は見送りということで市場は油断しているので、その隙をついて最大効果を狙うなら、“ここでの決定、実行!!”も面白かろう・・・というような話をした。可能性としては15%くらいか。バック・ツー・ザ・スクールと呼ばれる新学期を控えた買い物シーズンとはいえ、やはり年末に比べて動きは鈍かろうし、株が多少反応しても海の向こうのユーロ圏の炎が高まっている折に、米国発の好循環がこの局面で軌道に乗るとも思えぬ。が、それでも何もせずというスタンスは、取れない。いずれにしても種々のイベント予定からも春先から動きが出るという意味で9月が本命月と見ている。

景気がらみだと、英国の4-6月期GDPが前期比-0.7%と2期連続のマイナスで景気後退入りになったのが目を引いた。今週はオリンピックが始まるが、開催前の段階からマイナス成長は開催期間中に旅行者その他でプラスになったとしても、その後の落ち込みが懸念される。強力に緊縮策を押し進めた英国だが、オリンピック終了後の年末にかけて減速傾向が強まるのではないか。そもそも民間部門も加味した国家としての債務比率が高いとされる英国だけに、“ユーロに参加していなくてよかった” という論調などどこかに飛んでしまうかも。

25日は、このところ少し明るさが出てきていると回復期待が出ている米住宅部門だが、発表された6月の新築受託販売件数は悪かった。修正された前月の38.2件に対し35.0万件と-8.4%となった。5ヵ月ぶりの低水準で、予想値の37.2万件も大きく下回ることに。北東部が前月比60%の減少と、1973年に統計を開始して以来の最低という“何だろうね!?”という結果だったが、もともと絶対値が小さい地区ゆえ振れが大きいということ だろう。

ところでトウモロコシや大豆の急騰につながっている米中西部を中心にした干ばつは、1950年代以降で最悪とのことで、来年には食料品価格などに目立った上昇圧力がかかるとの見方を米国農務省が発表している。トウモロコシは6月15日以降、50%以上の急騰。そういえば金市場でETFの残高減少が話題だが、先日も書いたように一般的には7月は年金の資産比率見直しのタイミングとなっている。


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