亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

NY金、ファンドの週末発表のポジションに関心

2023年12月15日 22時15分09秒 | 金市場

12月14日のNY金は続伸となった。前日は通常取引終了後に連邦公開市場委員会(FOMC)の結果とメンバー全員の金融経済予測、およびパウエル連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見と進む中で水準を切り上げただけに、前日通常取引終値との比較では上昇幅は大きくなった。47.60ドル高の2044.90ドルで終了。1週間ぶりの高値となる。

実際には、NY時間13日午後から14日夕刻のNY時間外までの間、2040~2060ドルのレンジ相場となり、おおむね2040ドル台後半での滞留となった。 高値はNYの通常取引開始後の午前中頃に付けた2062.90ドルとなった。終盤の時間外取引は2051.30ドルで終了。

 

市場は利上げサイクルの終了とともに来年の利下げを織り込んだ。

パウエル議長の発言内容からは、やや市場の先走りを感じさせるものの、米金利先物市場いわゆるフェドウォッチでは24年3月にFRBは0.25%の利下げを行うことを織り込んでいる。そして年末までにさらに1.25%の利下げを織り込んだ。もちろん見通しゆえに、今後の経済指標の結果によっては、変化することになる。

前日に続き米債市場では買いが先行し、利回りは低下した。 指標となる10年債利回りは一時3.886%と7月下旬以来の低水準を付け3.922%で終了。前日に史上最高値を更新したダウ30種平均など米国株はこの日も続伸となったが、長期金利の低下は先行きの景気見通しの悪化を示すシグナルという側面もあることから、米国債は買われ過ぎとの指摘もみられるが、逆に株式市場が買われ過ぎとの指摘も成り立つ展開と言える。

 

14日は、この長期金利の続落に反応を大きくしたのは為替市場だった。主要通貨に対しドルは全面安状態となった。ドル円相場は14日の東京市場では一時140.95円と7月以来の円高・ドル安水準を付けたが、NY時間には141.42円までドルは売られた。対ユーロでも2週間ぶりの安値を付けた。この結果、ドル指数(DXY)は低下し、一時101.770と8月4日以来の安値を付け、101.956で終了した。

DXYの下げは2050ドル超のNY金をサポートした。

DXYについては22年9月下旬の114ポイント台で天井を打ち、その下げ過程で7月の一時100ポイント割れから10月末にかけての107ポイントへの戻りを挟み、再び下げトレンド入りしていると見ている。

一方、この日発表された米経済指標は予想外の強さを見せた。11月の小売売上高(速報値)は、前月比0.3%増と市場予想の0.%減に反して増加した。10月に7カ月ぶりに前月を下回っていたが、再びプラス圏に戻した。冷える過程での揺り戻しということのように見える。

 

NY金市場では2050ドル超でファンドの利益確定売りが続いているとみられるが、週末に発表されるデータでは、ファンドの買い建て(ロング)ポジションがどのように変化しているか興味深い。

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