亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

NY株、ダウは一時300ドル近い下げ

2009年11月01日 23時39分19秒 | 金融市場の話題
ご存知のように週末のNY株は大幅急落。NYダウは249.85ドル安。発表された何かの指標をきっかけに急落というより、朝から引けにかけて時間の経過とともにダラダラと売られるという展開。GDPプラス3.5%に沸いた前日(NYダウ199ドル高)が買われ過ぎということでこの下げは反動安という市況解説を昨日朝のTVにて目にしたが、30日は金融株が下げを主導。著名投資家ウィルバー・ロスが商業用不動産市場の大規模な値崩れが起き始めたとブルームバーグ・ラジオでコメントしたという話も、地合いを悪くしたらしい。皆、商業用不動産関連には神経質になっている折でもある。結局、繰り返し書いてきたが、金融当局の施策により、金融へのカネ巡りは良くなったが、先送りされてきた不良債権の処理が限界に来たところから破綻している。

週末も地銀9行が飛び、ついに破綻は115行に。まだ増える。ただこの発表は、株式市場の引け後のこと。調達金利が歴史的な低水準にもかかわらず、銀行はリスクを取れず(融資に及び腰で)国債の買い付けに走るというかつての日本の姿。それもあり長期金利は低位安定。連銀の国債買い付けは先週で終了。帳簿上のマジックで決算を作ってきたシティに、カリヨン証券のアナリストが繰り延べ税金資産をめぐり10-12月期に100億ドル(約9000億円)の損失が浮上する可能性ありとのレポートを出したとのこと。金融機関の決算の悪化で発行している債券が格下げされると、それによる値下がり分を発行銀行が(理屈上の“利益!?”にもかかわらず)利益として計上できるという禁じ手のような処理が認められてきた。

それにしても、こうした状況のなかで、今週のFOMCにて超緩和策の出口を示すことは不可能と思うが、どうなるか。週末30日の金価格は、おもな取引終了時刻となる午後13時半頃が1日の最安値となり、その後は買い戻され1040ドル台半ばまで値を戻している。ただしユーロの戻りは鈍かった。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« GDP雑感 | トップ | ノンバンクCITの破産申請、金... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

金融市場の話題」カテゴリの最新記事