先週末の欧米株価の急落、特にNY株の下げは、おやっ!!と思わせるものだった。はっきり言って夜中の経緯は見ていない。朝起きてその下げ幅の大きさと、株安の背景として報じられていた“ハト派の連銀総裁がタカ派駅発言”で9月利上げ観測の高まり・・・という内容に???だった。
早朝のNHKBSで国際ニュースを見ていて、その中に、南欧諸国7ヵ国がギリシャの呼びかけでアテネで初の会合を開き、積極財政を打ち出すことで合意というものがあり、てっきり英国の離脱交渉を控えるEUにとって、これは問題だろう・・・と思い、株の下げは先行きのEUの流動化を懸念したものと思ったのだった。
というのも、その1日、2日?前だったか、メイ英新首相を迎えてEU大統領と初の会談を行い、別の機会にはEUの結束を確認・・のようなニュースを目にしていたからだ。
南欧7ヵ国には、イタリアはもちろん入っているが、フランスのオランド大統領も参加している。オイオイオイ、大丈夫か?という展開と思った次第。フランスの大統領が、ドイツを中心にする北欧が唱える緊縮財政策に異を唱えるとなると、EUの先行きに対するマーケットの懸念は高まるのは必至。
したがって、ボストン連銀のローゼングレン総裁の発言など、口実探しに過ぎぬと思った次第。今夜は、ここにきて注目度が上がったブレイナードFRB理事の講演がある。ここでは、この人がキーマンならぬキーになる人物の一人として触れてきたが、そもそも本心では昨年12月の利上げには反対だったと思われる人物故に、今夜のタカ派的発言はなかろう。
何度も書くようにFRBは利上げをしたがっている。それは、2009年7月に始まった景気拡大期が8年目に入り、次の下りの準備として政策余地を確保したいこと、また想定外の低金利環境が長引いたことでバブルを懸念してのこと。つまり、昨年12月のように、政治的判断で目先に1度上げておくという判断がないわけではない。その場合は、12月は見送られると思われる・・・というより、利上げ後の波乱の展開で見送らざるを得ないと思われる。しかし、50割れとなった製造業に予想外の落ち込みとなった非製造業というISMを見ても難しかろう。
どっちにしても、また金とプラチナの価格差が広がるのではないか。
9日のノン・イベントの中でのNY株の急落を見て浮かんだのが、「桐一葉、落ちて天下の秋を知る」というあの若き頃に知った名言?格言?だった。あるいは、格言ではないがこういう地合いの変化を思わせる際に冗談まじりに使った“悪魔が来りて笛を吹く”というもの。これをタイトルにしよう。