亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

残るモメンタム、波乱の予感

2006年05月08日 16時49分26秒 | 金市場
いま8日の16時過ぎだが、結局、東京市場はドル円の急落(円急騰)で円建て金価格は頭を抑えられストップ高とはいかなかった。それでも利益確定の売りを跳ね返すモメンタムは残っている。連休入りをどこから読むかで分かれるが、カレンダーどおりで行くと5月2日のアジアの時間帯のスポット価格が15時頃に653ドル前後だったので、連休中に30ドル方上昇した形(いまさら確認するまでもないかな?)。ポイントを一言で表わすと、当初の「原油価格の上昇⇒インフレ懸念andイラン核開発を巡る地政学的リスク」から、「米国景気の減速⇒利上げ打ち止め見通し⇒ドル安and米国の巨額の赤字への懸念⇒ドル安」へと買い材料が変化を見せたこと。その表れが原油価格が急落し70ドル割れとなるなかで25年ぶりの高値更新となったこと。材料の“ええとこ取り状態”ということだが、これはコモディティ(商品)とカレンシー(通貨)の2面性を持つ金ならではという理解でいいだろう。そして、このブログの金を見る視点の中心軸でもあるが、結局最後は通貨の問題に落ちてきて、金価格を押し上げる(・・つまり更に押し上げる)という展開となるのではないか。通貨の問題に落ちるといっても、金本位復活とかの話ではないので誤解の無きよう。机の上で(つまり頭の中で)簡単にAだからBそしてCだから金本位復活というように組み立てられるほど易しくはないし、理屈だけで相場は張れないわけです。

週末発表の4月の米雇用統計が予想外に悪かったということだが、“振れ”の大きいデータでもあるし、来月を見ないとわからない。しかし、政府がカネを使っている1-3月期は良くて当たり前と書いてきたけど、4-6以降の落ち込みの兆候とすると看過できない話。それでも来月のデータ待ち。遡って上方修正などということも多い。雇用者は予想通り増えてないが、賃金は上がっているし、むしろ熟練労働者の引き合いは強くなっている。かの国でも単純労働で平和に暮らせる状況ではなくなっているということ。これもグローバル化のひとつのカタチだね。

さていずれにしても10日のFOMC(連邦公開市場委員会)では0.25%上げを読む向きが多いが、声明文の内容を含めさらに注目度は上がってきた。今週は荒れそうだね。

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1 コメント

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相場は人気投票 (いつも拝見しております)
2006-05-09 07:41:22
ケインズの言葉を思い起こさせます。



ただ、市民が信用通貨にそっぽを向けば、金鉱山が造幣局に似た状態もなりうるかもしれませんね。

それが、金本位制となるかは少しばかり違う気もします。



金本位制もいろいろ問題ありました。信用通貨が出てきて、今になって問題視されようとしていますが、戦後の世界的な急速発展は信用通貨あってのものだとも思います。



要は、人気投票となりうるだけの条件が整いつつあるのでしょうね。

今までは対象外の人も流行に乗って美人コンテストに参加できるようになってきた。

けど、好き嫌いがあるから、そんな簡単にどっちに動くかわからない、そんなところでしょうか・・・
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