亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

5月末にクオンツの動きが荒れ相場を演出

2008年05月31日 15時05分04秒 | 金市場
すでに報道に詳しいが、CFTC(米商品先物取引委員会)が原油取引の監視強化策を発表。
前日29日、原油在庫の取り崩し拡大、つまり減少というこれまでなら更に上げで反応する材料にピクリともせず・・・というほど無反応ではなかったが、ピクッ!という程度(133.12ドル)の反応から急降下状態の原油。どこまで行くんだ?どこまで買えるんだ?という状態にあったが、もちろん急落懸念は誰もが抱いていた。一方で年金マネーなど中長期の投資家の参入も事実で、目先の動きばかりではなくモメンタム系からインデックスじっくり系と参加者も多様。その実態がよくワカラン。集計データ自体が今のような市場参加者の拡大を予想したものではないこともあって、そのワカラン部分が思惑として一人歩きする結果に。実際に在庫統計にしても調査に対してどう答えるのかは業者次第ということもあり、果たしてそれが正しいのか否かと問われれば誰も確信は持てず。そんなこんな不透明な環境もここまでの原油の高騰の背景と言われれば、だれも否定はできない。そこで各方面からのプレッシャーもあって、監視機能を強化するとともに、相場操縦の疑いのある取引については調査中との話。

インデックスじっくり型の投資家のなかには年金基金などが含まれるが、監視が強化されたりしても、むしろ市場の透明性が高まることは彼らはウエルカムということだろう。市場の不備をついてひと儲けという投資家はいるが、いうまでもなく年金などではない。つまり中長期マネー動向は急に変わるとも思えない。慌てる目先筋に5月末という環境が原油の手仕舞いを後押ししたと見られる。

5月末の手仕舞いというと金市場にも結果的に出てきたということだが、値動きの荒さはクオンツ(コンピューター・プログラムによる売買)がもたらしたものと思われ、やはりモメンタム系が相乗りしてもたらされたと見られる。値動きの間隙を突いて利益を上げようとの動きも恒常化しており、値動きを荒くしている。

いやはや寒い東京。

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