Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

影絵風の切り絵

2009年06月05日 | 家・わたくしごと
 ワヤンつながりというわけではないが、先週、Yahooオークションで影絵風の切り絵を落札して、それをかみさんが買ってきた額縁に収めた。額縁も黒だし、なんとなくシックにまとまってわが家の壁に飾られている。
 不思議と「白黒」の世界に魅了されてしまう。バリのワヤンは、炎の橙色が投影されるために、正確にいえば「白黒」の世界とはいえないのだが、それでも人形は影が映るだけでその色は全く見えない。バリのワヤンに魅了されたのも、そんな白黒の世界が好きな故か?
 白黒の世界は、そこには付されていない彩色をその想像の世界で自由に行うことができる。この切り絵だって、それは表面的には黒かもしれないが、ヨーロッパの女性や子どもの淡いカラーのドレスの色や、花々の鮮やかさを自由に思い浮かべることができる。今日と明日の花の色を変えることだってできるのだ。
 影はそこに実物があるからこそ存在する。実物は現実なのかもしれない。しかし、それが影である以上、複数の現実を思い描くことが可能なのだ。だから私は「影」を愛する。究極のリアリズムでありながら、それは空想可能なリアリズムでもあるから。

本日から開催--バリバリ★ワヤン(1)

2009年06月05日 | 那覇、沖縄
 今日から浦添市美術館でバリ島のワヤンの人形展が開催されます。昨日、最後の展示準備にお伺いしたのですが、とても素敵なディスプレイでした。バリの博物館では当たり前の「バリのワヤン展示」ですが、果たして日本でこんな展示はあっただろうか?と考えてみると初めてのことです。東京などでは、ジャワ島のワヤンの人形の展示はよく行われますが、バリはどちらかといえば、ワヤンは「マイナー・ジャンル」、ですからバリのワヤンだけを展示するというのは世界的にも珍しいと思います。
 そもそも、バリ島の芸能といったとき、たいがいの人が頭に思い描くものは、きらびやかな衣装をまとったバリ舞踊とか、大音響のガムラン音楽で、「ワヤン」という人はひじょうに少ないのが現実。だいたいバリにワヤンがある、ということを知っている人がいたら驚きというほどです。観光ガイドにバリのワヤンの写真はまずないからです。
 今回の展示では、ただバリの人形を展示するだけでなく、制作方法や過程を実際のものを見ながら知ることができたり、ワヤンの舞台そのものを展示されたりしていますし、人形を実際にスクリーンの前に操ることも可能。舞台にはワヤンの伴奏するガムラン楽器も置かれています。またジャワ、タイ、カンボジアなどの影絵人形もバリとの比較のために展示されています。もちろんバリの人形は100体以上が解説つきで展示されており、実は私の作ったものも三体出展されています!美術館に作品が並ぶなんて、これは私の人生で、後にも先にもないことかもしれません。ぜひ、みなさんいらしてくださいね。ちなみに13日には私のワヤン上演もあります。
 ところで写真は私の所有するクリシュナで、今回の人形展に出展されています。探してみてくださいね。