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もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

憎めないキャラ

2009年06月13日 | 家・わたくしごと
 今日、浦添市美術館で上演するワヤンの演目「スタソーマ」に登場する、象の顔をした人喰いの魔物ガジャワクトラのキャラクターについてこのところ考えている。物語によれば、ガジャワクトラは、須弥山で瞑想したとき、ガーナ神(ガネーシャ神)から強大な力を授かったという。神ガーナと人喰いガジャワクトラの両者とも上半身が象であることが、こうした記述の中から見出せる。
 ガジャワクトラは人喰いであるから、悪役側であり、その力も強大である。しかしやはり顔を象であるため、ラーマーヤナに出てくるラワナとか、マハーバーラタに登場するドゥルヨダナみたいな極悪非道なキャラとはまたどこか違う。だいたい最後は改心し、スタソーマの弟子になってしまうわけだし。
 そんなことを思いながら、数日前のブログにアップしたスタソーマ物語を描いた「カマサン画」を見てみると、やっぱりガジャワクトラの顔はかなり「和み系」で描かれているではないか?なんだか子ども番組に登場する縫いぐるみの様な感じ。でも困ったな。ワヤンの上演は今日だし、本日の演出として、上演の一番盛り上がる戦闘シーンはガジャワクトラの場面に設定したため、それが「和みキャラ」だと、なんとなく上演する側も盛り上がりに欠ける・・・。