nodatchのブログ

鉄道が好きな旅行作家が、取材や出版などの個人的な話を書いていきます

JR久留里線の新型ディーゼルカー

2012-12-30 18:09:00 | 国内の鉄道
千葉県のJR久留里線。3月にタブレットが廃止され、12月1日をもって旧国鉄形ディーゼルカーも廃止。ファンが殺到したのですが、新型ディーゼルカー、キハE130系になってしまうと潮が引いたように静かになったようです。お祭り騒ぎが終わり、のんびり乗りテツするには絶好の時期なので、先日18きっぷを使って出かけてきました。


新型ディーゼルカーのキハE130系は、茨城県の水郡線と同じタイプの車両です。しかし、水郡線のと違うのは、すべてロングシートでトイレなしという点。せっかく車両が代わったのに、シートのタイプが改善されてなくて残念です。


車両が新型になり、走りもスムーズになったはずですが、列車ダイヤはそのままなので、相変わらずトロトロ走っています。この手のローカル線には珍しく車掌も乗っています。色々事情があるようで、3月の改正でワンマン運転となる予定ですが、すんなり移行できるかどうか?ワケあり路線だけに、行く末は興味津津ですね。

車内が空いていると、斜め座りができて、ロングシートでも楽です。ドアも半自動。つまり、乗り降りがなければ、駅でも閉まったままなので、車内は温かです。日が差し込んでまどろんでしまいそうです。

新型車両だけあって、車内の表示も洒落ています。

多目的の電光掲示板のようにも思えるのですが、とりあえずは次の駅表示と行先表示だけです。そのうち変わるのでしょうか?

さて、久留里線に出かけた理由のひとつは、久留里駅で発売中の記念乗車券を入手することでした。発売と同時に売り切れることはないとの予想通り、まだ発売中でした。

中身は、久留里線10駅の硬券入場券セット。

無人駅で出入り自由の駅など入場券は不要ですが、それをいうのはヤボというもの(笑)。ともあれ、当初の目的を達したので、終点の上総亀山まで往復して帰路につきました。

『SL石巻線100周年号』試運転列車

2012-12-21 08:43:00 | 国内の鉄道
今年(2012年)後半、真岡鉄道C11形325号は地方巡業に大忙し。定例の只見線の後、飯山線、水郡線を駆け抜け、最後は、12月22日と23日に、東北の被災地石巻の重要な足となっている石巻線を走ります。その試運転が、17日~20日にかけて行われましたので、最終日に取材してきました。

仙台から東北本線の各駅停車で北へ45分のところにある小牛田(こごた)が石巻線の起点です。さっそく、小牛田を出発する試運転列車を撮影してみました。

SLイベント列車は、普通なら起点からは正面向きで、転車台がない路線の場合、帰りは逆向きで戻ってくるというのが定番です。しかし、今回は、まず小牛田発が後ろ向きで発車しました。最初は、駅から歩いて数分のところにある陸橋から撮ろうと思ったのですが、ごちゃごちゃした場所で断念。その陸橋の反対側に行ってみると、すっきりしている上に広々としています。平野をのんびり走る石巻線のイメージにぴったりなので、ここで撮った次第です。

28分後のディーゼルカーで石巻へ。SL列車は、途中駅での停車時間も長く、スピードも遅いので石巻着は、SL列車到着後すぐです。さっそくホームから機関車の入換えの模様を見物できました。

石巻と言えば、東日本大震災で甚大な被害を受けました。駅前は、一見すると元に戻ったかのようですが、町はまだまだ復興途上です。そんな中のイベント。少しでも元気を取り戻すきっかけになればと思います。試運転なので駅前の関連イベントは、行われていませんでしたが、イベントで登場予定のゆるキャラも試運転? カメラを向けると、ポーズを取ってくれました。

石巻といえば、石ノ森章太郎の故郷というわけで、駅も彼の生み出したキャラで一杯です。

駅の売店では、こんなお土産も。僅かですが、地元でお金を使って貢献しなくては・・・。

日が短い季節なので、SL列車は慌ただしく小牛田に戻ります。というわけで、小牛田行きのディーゼルカーで帰路の列車を撮影する場所へ移動するために、石巻を後にしました。

石巻線小牛田~石巻は平坦な路線なので、アップダウンがほとんどありません。煙モクモクを期待できる路線ではないのですが、勾配を細かく調査し、前谷地~涌谷、佳景山(かけやま)付近を候補に、石巻行き列車の車中からロケハンしました。その結果、佳景山付近がよさそうで、駅から数分の距離だったので、決定、下車してSL列車を待ちました。寒かったですが、道路の反対側にコンビニがあったので、三脚で場所取りして、しばし暖を取りました。地元の人の関心も強く、時間になると道路際に集まってきて、手を振ったりします。そして正面向きのC11を先頭にやってきました。



C11と旧型客車3両の組み合わせは、すっかりお馴染になってしまいましたが、こうして各地で地域おこしのために頑張っているのは頼もしい限りです。がんばれC11-325。そして、がんばれ石巻!

早稲田大学鉄道研究会創立60周年記念列車

2012-12-10 23:46:00 | 国内の鉄道
母校早稲田大学の鉄道研究会が創立60周年を迎え、それを祝して記念列車を運転することになりました。それも、昨年38年振りに復活した蒸気機関車C61に客車6両を引かせるという魅力的な企画です。私は、在学中は鉄道研究会に所属したことはなかったのですが、今回実行委員の人に誘われたので、このイベントに参加することになりました。

C61牽引列車(「西北の杜号」という愛称です!)の運行は、12月9日でJR上越線の高崎~水上を往復しました。蒸気機関車牽引列車は乗るよりも走行シーンを撮影したいという鉄道ファンも多いので、この企画では、撮影バスを走らせて要望にこたえてくれます。普段の撮影でクルマを使わない(使えない)私としては、絶好の機会というわけで、往路は撮影に専念。いくつかの撮影スポットから選んだ場所は、水上の手前、諏訪峡付近でした。

「西北の杜号」通過まで電車が2本やってきます。今では珍しい湘南塗色の115系ですから、予行演習を兼ねて撮ってみました。



そして、「西北の杜号」が力強くやってきました。






天気予報は、曇りのち雪でしたが、列車通過までは晴れ。一瞬小雪が舞うこともありましたが、意外に暖かくてホッとしました。石炭の香りと煙を残して去っていく「西北の杜号」。豪快なラストスパートでした。

午後は水上の旅館で座談会。撮影地に送迎バスが迎えにこないハプニングがあり到着が大幅に遅れたため、慌ただしいスケジュールとなってしまい、簡単な打合せのみで、ほとんどぶっつけ本番でした。

「地域社会と鉄道を考える」座談会の模様。写真提供=中村紀生氏(記念列車実行委員)

水上発の復路は、記念列車に乗車です。ここで初めて、機関車に取り付けたヘッドマークやサボ(行先表示板)をじっくり観察できました。実によくできています。






ちなみに、ヘッドマークの大隈講堂は「6」を、大隈重信像は「1」を表し、C61をあらわしているとのことでした。なるほど!

車内では、鉄道模型のレイアウトを持ち込み展示していました。貸切列車内で模型を走らせるというのは、鉄道ファンの夢の一つですね(笑)。


高崎までの道中では、じゃんけん大会あり、多くの人たちとの交流あり、そして最後は早稲田らしく(?)「都の西北」の合唱で締めくくり、楽しい一日が終わりました。

鉄道研究会の学生諸君、OBの実行委員の皆さん、ありがとうございました。

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最後にPR。
イベントSL列車については、拙著『旅が10倍面白くなる観光列車』(平凡社新書)をご覧ください
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