nodatchのブログ

鉄道が好きな旅行作家が、取材や出版などの個人的な話を書いていきます

週末の鉄道イベント~大宮&横浜・本牧

2013-05-27 15:42:00 | 国内の鉄道
五月最後の週末は、2日とも鉄道イベント見物に明けくれました。こんなことは久しぶりです。
まず、土曜日は大宮(埼玉県)のJR東日本大宮総合車両センターへ。分かりやすくいうと、鉄道車両の修理工場です。とくに、JR東日本などで活躍中の蒸気機関車の修復を行っているので、注目していました。今は、年末から東北の釜石線で運行予定のC58を手掛けているので、その様子を見られないかな、と思って出かけました。

もっとも、会場で人気なのは、電気機関車の展示でした。せっかくなので、私も人並みに撮影してきました。

↑やはり、かつてのブルートレイン牽引機は人気ありますね。

サーモンピンクのEF80は久しぶりに見ました。右のEF81は少し前までの「北斗星」牽引機でした。

お目当ての蒸気機関車ですが、意外にも真岡鉄道のC11が修復中でした。6月あたりに左沢線での出張運転を期待していたのですが、これでは無理ですね。左奥に写っているテンダ(炭水車)がC58のもの。ボイラーは大阪のサッパボイラで修復中とか。復活完了に期待するとしましょう。

翌、26日日曜日は久しぶりに横浜へ。神奈川臨海鉄道50周年記念イベントということで本牧に出かけました。朝、facebookをのぞいたら、JR根岸駅から会場までの無料シャトルバスは長蛇の列だとか。炎天下に長時間並ぶのはパスしたいので、横浜駅前から本牧方面へ行く市営バスを利用しました。団地内のバス停から歩いて10分ですが、こちらも会場へ向かう家族連れが目につきました。おかげで、道に迷わなくてすみましたが・・・(笑)

横浜のイベントの目玉は、臨海鉄道が大切に保管している蒸気機関車C56形139号機の公開です。以前は知る人ぞ知る存在だったのですが、NHK「ブラタモリ」などで紹介されてから、ファンには有名になりました。今回は、車庫の中から屋外へ出すのみならず、動かすというのですから興味津津でした。

さて、お目当ての蒸気機関車C56の雄姿です

へえ、煙を出して走ったのか!と驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、蒸気機関車の復活は、そう簡単なことではありません。もう1枚見ていただきましょう。

貨物列車の一番後ろに凸型のディーゼル機関車が連結されているのがお分かりでしょうか?実は、C56は自力で動くことはできず、お尻のディーゼル機関車が押しているのです。煙はイミテーション。それでも、停まっているだけの展示よりは、はるかに素晴らしいことです。元々は構内を2往復するだけだったようですが、予想以上の観客にサービスするためか、4往復もしていただけました。時間の都合で4往復後に会場を立ち去ってしまったので、さらに走ったかもしれません。なお、臨海鉄道というのは貨物専業ですから、敬意を表して展示された貨車の写真もアップしておきます。

よく見ると、タキ1000形の1(ファーストナンバー)でした。

最後に、現地で遭遇したトラベルライターのSさんの案内で、磯子駅からバスに乗って10分ほど行った久良岐公園(くらきこうえん)に向かいました。そこに保存されている横浜市電の特別公開日だったので、そちらも覗いて帰路につきました。


福知山駅あれこれ

2013-05-24 09:58:00 | 国内の鉄道
豊岡から特急「こうのとり」で福知山へ。ここで途中下車したのは初めてです。かつては、福知山機関区があって、巨大な構内が広がっていた駅も、近年高架化され、実にコンパクトになっていました。それでも、北近畿の拠点駅であることには変わりなく、「北近畿ビッグXネットワーク」の要として、特急列車の乗りつぎができるようにダイヤが組まれています。

すなわち、新大阪行きの特急「こうのとり」(写真真ん中の白い列車)が到着すると、同じホームの反対側には京都行きの「きのさき」(写真右の同じく白い列車、時間帯によっては「はしだて」)が待っているという具合です。

白い列車のネットワークといえば、ドイツの高速列車ICEやICの乗りつぎも、そっくり同じシステムでした。

ふと左側のホームを見ると、国鉄色の特急電車が停まっていました。もっとよく見ようと、ホームを豊岡方面へ移動すると、別の国鉄色特急がやってきて、並びが実現しました。

左が北近畿タンゴ鉄道経由天橋立行き特急「はしだて」、右が城崎温泉行き特急「こうのとり」です。「はしだて」は京都発、「こうのとり」は新大阪発ですから、大阪方面から「こうのとり」でやってきて福知山で「はしだて」に乗り換えたり、京都方面から「はしだて」に乗ってきて、福知山で「こうのとり」に乗り換えて城崎温泉へ向かうことも簡単にできるわけですね。
しばらく停車したのち、「こうのとり」が出発していきました。

さて、改札口をでて駅前から駅舎を眺めてみました。

近代的な造りで、北口も南口も同じような感じです。何かを表しているのでしょうか?その南口ですが、かつて構内だったところが広場になっているのですが、往時の機関区を偲べるように、ターンテーブルにのった蒸気機関車C11が置いてありました。

蒸気機関車の静態保存は、全国各地にありますが、ターンテーブルにのった状態で保存してあるのは珍しいですね。欲を言えば、C11よりもC57がよかったなあ、と思ったりしました。その近くには別のモニュメントもあります。

東屋と記されていますが、2005年までの半世紀にわたって、旧福知山駅のホームの屋根を支えた鉄骨で、実はアメリカ製のレールです。こんな形でも保存されているのは嬉しいですね。

福知山といえば、福知山踊りの囃子ことば「どっこいせ」。北口には踊りの像もありました。

また、それにちなんで福知山市のイメージキャラクターは「どっこちゃん」。市の循環バスにもイラストが描かれていましたし、なんと駅ホームの時計にもしっかり登場していました(帰ってから気づいたので、写真は拡大したもので不鮮明ですみません)



ともあれ、途中下車してみると色々発見があって楽しいですね。

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特急はまかぜ3号の旅

2013-05-22 18:15:00 | 国内の鉄道
先週、北近畿の鉄道を取材したのですが、京都から山陰本線ではなく、大阪から福知山線経由でもなく、大阪から播但線経由の特急「はまかぜ3号」に乗りました。理由は簡単、「はまかぜ」にも播但線にも乗ったことがなかったからです。

「はまかぜ」は新大阪始発ではなく、大阪始発です。新幹線からの乗りつぎであれば、姫路乗り換えが便利で速いからなのですが、やはり列車の始発から乗らなくては、というわけで、面倒ですが、新大阪から大阪まで在来線でひと駅移動しました。そういえば、いつも新大阪経由なので、大阪駅から長距離列車に乗るのはずいぶん久しぶりのことでした。

おかげで、大改装なった大阪駅も初めて見学することができました。コンコースからホームを眺めることができて、どこかドイツのハンブルク中央駅みたいでした。

香住行き特急「はまかぜ3号」は、新型ディーゼルカー。乗るのは初めてです。以前のキハ181のスタイルを踏襲しているようでもありますね。



平日の昼間でもあり、列車は空いていました。城崎温泉あたりへ向かうであろう賑やかな中高年の女性グループが目立ちました。神戸や明石から、ほんの2~3人乗ってきた程度。これなら3両編成でも充分なのになぜか繁忙期対策の6両編成。しかし、これは姫路に到着して納得しました。

車内設備ですが、前の座席の背に備え付きのテーブル以外にも、サイドテーブルが取り出せて、中々便利です。

姫路から、かなりの乗車があって、3分の2程度の席が埋まりました。ここで列車の進行方向が逆になって、いよいよ播但線に乗り入れます。播但線といえば、古くは蒸気機関車C54やC57、ディーゼル機関車DD54といった車両が活躍したローカル線というイメージがあるのですが、いつの間にか途中まで電化されて、通勤電車103系が主力なのですね。それでもローカル色豊かな車窓が展開、市川という川に沿って走ります。

播但線のほぼ中間地点にあたる寺前が電化区間の終点で、その先は非電化区間です。「はまかぜ」がディーゼルカーなのも納得です。電化区間の終点ということで、何両も電車が休んでいました。

非電化区間に入ると、俄然あたりは山深くなり、列車はエンジン音を轟かせて進みます。市川流域も渓谷のような感じになってきました。


銀山で名高い生野に停車。この駅は、線路配置の関係で右側通行です。

出ると、すぐに生野トンネルに突入。その昔、機関士が窒息して大事故を起こしたことで知られるトンネルでしたが、何事もなく通過。天空の城で知られる竹田城付近を走り、姫路を出てほぼ1時間で播但線を完走、和田山で山陰本線に合流です。

駅構内には、荒れ放題のレンガ造りの機関庫がまだ残っていました。由緒ある建物ですから、きちんと整備して保存して欲しいものですね。C57やDD54がたむろしている写真を見たことがありました。そのころに来てみたかったなあ。

和田山から再び架線の下を走ること30分足らずで豊岡に到着。今回はここで下車です。

あいにく小雨模様となってきましたが、こうのとりで有名な地域の玄関口だけあって、こうのとりを思わせる建物やこうのとりのモニュメントが目立ちました。




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観光列車『丹後あおまつ2号』の旅

2013-05-20 11:11:00 | 国内の鉄道
先週、北近畿の福知山に1泊して、周辺の鉄道を取材してきました。しばらく、ご無沙汰している間に、このあたりの鉄道事情もすっかり変わってしまい、新しい列車や駅など見るもの乗るものすべてが新鮮でした。

その中で、2日目に、西舞鶴から乗車した北近畿タンゴ鉄道(KTR)の新しい観光列車「丹後あかまつ号」「丹後あおまつ号」の様子をご紹介しましょう。


この列車は、4月にデビューしたばかりで、デザインしたのはJR九州の各種列車でお馴染の水戸岡鋭治氏。関西では、和歌山電鐡の車両に続く2例目です。本来は、木曜日に乗車しようと思ったのですが、予約サイトをチェックするとあいにく満席、それで1日ずらせて金曜日の列車に予約を入れたのです。ところが、現地の駅窓口で予約クーポンを指定券に交換しながら聞いたところ、その日はガラガラとのこと。ちょっと予約の有難味がなくなりました。まあ、団体客の予約が入るか入らないかで、平日の状況は変わるようですし、木曜の運転区間が、西舞鶴~豊岡(「丹後あかまつ号」)、金曜の運転区間が西舞鶴~福知山(「丹後あおまつ号」)というのも関係あるのでしょうね。

列車名は2種類なのですが、車両はどちらも同じ。青いボディの「あおまつ号」と赤いボディの「あかまつ号」が連結された2両編成で、あおまつが自由席、あかまつが指定席です。指定席といっても座席分しか販売せず、先着順で好きな席に座れるという「着席保証券」なのですね。

私のほかに1名しか乗車していないので、好きな席に座れ、写真も遠慮なく撮れるというKTRには申し訳ないけれど、快適そのものでした。

車内は、水戸岡さんらしいデザインで、あかまつは車体の色と言い、車内のデザインといい富士急の「富士登山電車」に似ています。あちらは「青富士」「赤富士」の2両編成でしたしね。


西舞鶴を出て20分ほどで由良川を渡ります。河口付近ということもあって、満々と水をたたえた川面すれすれのところをゆっくりと渡ります。



カウンター席から車窓を眺めると、まるで船に乗っているように感じてしまいます。低速での走行は、もちろん演出ですが、高速走行よりも、かえってスリルがあります。

河を渡ってしばらく進むと、山深いところに差し掛かります。ここで右手に海岸が見下ろせます。沿線の景勝地のひとつ奈具(なぐ)海岸で、列車は駅でもないところで臨時停車。のんびり眺めたり、撮影したりと楽しめます。



宮津付近で、右手遠くに天橋立が見えますが、「丹後あおまつ2号」は天橋立駅には寄らないで、宮津から宮福線に入って福知山へ向かいます。一般観光客に人気なのは、天橋立駅を通って豊岡へ向かう「丹後あかまつ号」なのでしょうね。

列車は、トンネルをいくつも抜け、鬼退治伝説で知られた大江山のふもとを通過して福知山に到着です。海あり山ありの車窓は退屈する暇もなく、1時間40分ほどの乗車時間は、あっという間でした。

日本各地の観光列車に関しては、拙著『旅が10倍面白くなる観光列車――SLからイベント列車まで』(平凡社新書)をご参照ください。
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連休中の鉄道イベント

2013-05-08 18:36:00 | ノンジャンル
ゴールデンウィークは、混雑を避けるため旅行はしませんでした。フリーになってから平日でも出かけられるようになったからです。とは言え、家に籠って仕事ばかりしていても退屈ですから、適度に出かけます。鉄道とは関係ない美術館に行ったり、買い物をしたり・・・・。

鉄道に関係あるイベントにも2回出かけました。
そのひとつは、さいたま市の鉄道博物館の保存車両、キハ11形ディーゼルカーの車内公開イベントです。

いつもは、館内の片隅で忘れ去れたかのようにひっそり佇んでいる車両ですが、実は、館内唯一の動態保存車両。動くのです。といっても開館以来動いた実績はありません。それが、ついに眠りから覚めて、動く、のではなく、エンジンが起動するのです。そして車内の公開。但し、連休中の3日間の限られた時間だけ。という希少価値につられて行ってきました。

このイベントに関しては、メール(鉄道博物館の年間会員なのです)で知ったのですが、いざ鉄博に着いてみると、こっそりとポスターが張られているだけで、全然宣伝していません。ファンが殺到するのを恐れたのでしょうか?ともあれ、知る人ぞ知るといったイベントで、もちろん熱心なファンは来ていましたが、連休中のイベントにありがちな大混雑ではなく、むしろゆったりと見学できて幸いでした。

のんびりボックスシートに座って、エンジン音を聞いたり、車内放送のチャイム(アルプスの牧場というメロディーです)に耳を傾けたりしました。

もうひとつは、5日の「子供の日」に行われた、JR貨物の東京貨物ターミナル駅の公開。電気機関車は、普段からあちこちで見かけていたのですが、「貨物電車」と「ハイブリッド機関車」は、初対面でした。



「スーパーレールカーゴ」というコンテナを運ぶ「電車」です。形式はM250系、機関車が貨車を牽引するのが一般的な貨物列車なのに、これは例外中の例外です。ただし、展示線は架線がなく、パンタグラフを上げていないのが残念でした。

もう一台のハイブリッド機関車は、操車場での入換用で、ディーゼル機関車DE10形に似たスタイル。これからは、ディーゼル機関車にとって代わるのでしょうね。