nodatchのブログ

鉄道が好きな旅行作家が、取材や出版などの個人的な話を書いていきます

北海道旅行から~長万部界隈

2013-08-25 16:53:00 | 国内の鉄道
先週、3泊4日の北海道旅行をしてきました。といっても18日の夕方羽田を飛び立ったので、実質3泊3日の旅でしょうか。3泊とも札幌泊り。実質的な1日目は、札幌から特急列車で長万部に向かいました。ところが、豪雨による貨物列車脱線事故の影響で、ダイヤは大幅乱れ。指定席を取っておいた「スーパー北斗」は運休。やむをえず、朝早い臨時特急で長万部を目指しました。列車は、札幌発八雲行き。八雲から函館までは不通のため、バスでの代行輸送でした。もっとも、長万部までは何事もなかったように通常の所要時間での運行でした。全席自由席でしたが、早めに並んだので窓側席に座ることができ、その上、特急券は半額払い戻し。得したような気分でした。

この車両での「臨時」という表示は珍しいものではないでしょうか。

さて、長万部からは函館本線山線(倶知安、小樽経由)の臨時特急「ワッカ」に乗る予定だったのですが、待ち時間は4時間近くできてしまいました。色々調べてみると、駅裏には温泉があるというので、暇つぶしに入浴することにしました。

まず降りて駅の跨線橋から待機中の「ワッカ」を確認。車両が停まっていますから、「ワッカ」は予定通り運転の模様です。

「ワッカ」の運転を祝してでしょうか、駅構内では地元のゆるキャラ「まんべ君」が楽しそうにうろうろしていました。

一旦、改札を出て地図を見ながら長万部温泉を目指します。歩いて10分以内で行けそうです。


駅の北寄りに線路をまたぐ歩行者専用の跨線橋があり、それを越えたところが温泉とのことでした。鉄道ファンにとっては、絶好の撮影ポイントですね。

駅とは反対方面を眺めると、函館本線(左)、室蘭本線(右)の分岐の様子が手に取るように分かります。

温泉からの帰路、ちょうどディーゼルカー(キハ40)が入換中だったので、撮影を楽しむこともできました。

橋を渡りきったところが温泉街で、ホテル、旅館が10軒ほどありましたが、皆同じようなもの。温泉が利用できない宿もありましたが、幸いその中の一軒「長万部温泉ホテル」の日帰り入浴を楽しみました。素朴な中にも温かみのあるいい宿でした。


伝統あるトーマスクック時刻表が事実上の廃刊に!

2013-08-22 22:02:00 | ヨーロッパの鉄道
ヨーロッパを鉄道で旅する人にとってのバイブル的存在といえば、「トーマスクック時刻表」。1873年創刊といいますから、140年の伝統ある時刻表です。それが、突然、この8月号をもって「休刊」になると発表されました。
http://www.fahrplancenter.com/End%20of%20Thomas%20Cook%20Timetables.pdf

したがって、日本語版も次号から休刊となってしまいます。紙媒体苦戦が伝えられて久しいですが、寝耳に水のような今回のリリース。大変驚きました。

トーマスクック時刻表日本語版と言えば、私の執筆活動の原点となった書物です。その創刊号である1985年春版に原稿を執筆したのが、この世界に入るきっかけだったからです。

何本か原稿を寄稿したのですが、そのなかのお気に入りの記事が「線路の響きは、音楽の響き」。「ヨハン・シュトラウス号」「モーツァルト号」といった音楽にゆかりのある列車についてまとめたものでした。そして、こうした記事をまとめ、さらに書き下ろした原稿を加えて自費出版した本が「ヨーロッパ 鉄道と音楽の旅」でした。幸運なことに、朝日新聞で取り上げられ、これがきっかけでヨーロッパの鉄道旅行の本を書くようになり、そして国内の鉄道本へと発展していくのです。

この本は、2000年に改訂版が出て(そのときは自費ではなく、商業本として発売されました)、今なお書店で見つけることができます。




私の記念すべき第1作というわけですが、トーマスクック時刻表が存在したからこそできあがった本なのです。そういう意味で、今回のトーマスクック時刻表の事実上の廃刊は、師を失ったような残念な気持ちで一杯なのです。

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涼しげなシーサイドライン

2013-08-09 20:41:00 | 国内の鉄道
ちょっと鉄分補給がしたくなったので、近場に出かけてきました。といっても、世間はお盆休みに入ったところもあるようで、有名観光地やレジャースポットは、軒並み混んでいます。マリンリゾートに行く鉄道も満員のところが多そうです。というわけで、へそを曲げて、穴場と思われるマイナーな鉄道で、あまり馴染みがない路線に乗ることにしました。

横浜にある新交通システムのシーサイドライン。20年以上前に乗ったきりで、ほとんど印象に残っていない路線。面白くないかもしれないけれど、京急のクロスシート電車である快特に乗るなら、それもお楽しみということで、泉岳寺始発の電車で金沢八景まで乗車。泉岳寺から乗れば、悠々窓側に座れるので、ゆったりと40分ほどの乗車を楽しみました。

さて、いよいよシーサイドラインに乗車です。金沢八景の駅前整備が遅れているとかで、いまだ京急の駅から少し離れた仮駅舎での営業です。ちょっと中途半端な構造ですね。

ホームドアばっちりの鉄道ファンには有り難くない駅ですが、先端部に、わずかにガラス窓があったので、そこから電車の到着を狙ってみました。




夏休みだけあって、沿線の八景島に行く親子連れが先頭のかぶりつき席を占拠。競い合うのも大人げないので、無難なクロスシートを確保して、出発直後に少しだけ立ったままで前面展望を撮影しました。

海を横断する区間があって、さわやかな雰囲気です。八景島あたりまでは、海がよく見え、シーサイドラインの名に恥じない車窓を楽しめます。



後半は海も見えず、都市の情景でしたが、予想よりも充実した25分間のミニトリップでした。

終点の新杉田からは、JR根岸線の、空いている大船行きに乗車。エキナカで遅い昼食を済ませ、横須賀線で帰ってきました。


鶴見線、大川駅訪問

2013-08-02 21:39:00 | 国内の鉄道
半月ほど前に、JR鶴見線の大川駅を訪問してきました。ずいぶん久しぶりのことで、まだ茶色の旧型国電が1両だけで走っていたときでしたから、四半世紀以上前に訪問したきりです。大川駅というのは、鶴見線の支線で、朝のラッシュアワーを過ぎると、夕方の退勤時間まで、8時間ほど電車が走りません。それゆえ、ふらっと訪問しにくい区間なのです。最近、夕立が多かったですから、何日か様子を見た上での「決行」でした。

鶴見駅で待っていると、到着前に早々と行先表示を「大川」に変えた「希少価値の電車」がやってきました。

大川からの帰りの電車が混雑するはずで、大川行きは、ガラガラです。何なく先頭車の最前列に陣取ってみました。国道、鶴見小野、弁天橋、浅野と停車し、安善を過ぎると、まずは下り線から上り線に移って、しばし逆走します。

そして、次の武蔵白石の手前で、大きく右へカーヴして、いよいよ大川支線に乗り入れます。

大川までは、一直線ですが、線路の状態がよくないせいか、徐行しつつ進みます。途中の踏切に係員がいて、白い旗を振りつつ安全確認しています。人の手を煩わせての作業とは、今では貴重な光景ですね。

僅か1kmほどの距離ですから、あっという間です。大川駅の直前でカーヴしているのですね。直進できるのは貨物列車、という人より貨物優先のようですが、何年か前に貨物は廃止となってしまったので、直線コースは草ぼうぼうで、ちょっと侘しいですね。

予想通り、ホームではかなりの人が待っていて、折り返し電車は混雑しそうです。せっかく来たのですから、下車して大川駅の様子をしっかり見て回りました。





小さな木造駅舎で周囲は工場ばかり。折り返しの鶴見行きが出発するまでの15分ほどの間に、車内は、ほぼ満員となっていました。

<参考文献>
鶴見線に関しては、拙著『乗りテツ大全』(平凡社新書)をご覧ください。但し、大川支線についての記載はありません。

また、鶴見線については、ブログのこちらの記事もご参照ください。
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