1982年に製作されたものの巡回上映会でしか見ることができず、劇場公開もTV放映も、ビデオもDVDもない幻の映画『ブルートレインひとり旅』が、10月に3回だけCSチャンネルNECOで放映されます。このたび、この貴重なフィルムを見る機会を得ましたので、ご紹介したいと思います。

(C)中山映画
冒頭、改修前の東京駅赤レンガ駅舎と国鉄本社ビルが画面一杯に現れ、次に電気機関車EF65形1000番台のパンタ上昇、東京機関区から品川客車区へ24系25形の「はやぶさ」編成を迎えに行き連結作業、東京駅へ回送と丹念に映していきます。

(C)中山映画
東京駅9番ホームへ入る際は、0系新幹線と並走、9番ホームからは、103系の山手線や201系中央線が行きかっているのが見えます。一方、9番線ホームでは少年たちがブルトレの写真を撮影中、とおよそ30年前の情景がよみがえってきます。何だかドキュメンタリー映画のようですが、そこへ時刻表片手のラフな姿の男の子が登場。親に内緒で「はやぶさ」の切符を買ってしまったこの子が主人公で、ここから物語が始まるのです。

(C)中山映画
出発前のホーム。隣の10番線からは「さくら」が出発、そのあとすぐに「みずほ」が入線してきます。本当に、あの頃はブルートレイン黄金期でした。1982年の時点で、西鹿児島行き(今は鹿児島中央)「はやぶさ」は、「富士」の行程短縮にともない、日本一の長距離列車となっていました。その列車には多彩な人たちが乗り込みます。下関支社転勤で単身赴任するサラリーマン(犬塚弘)、車椅子の青年、名門校受験に向かう母子、女性の旅行客、そして、ちょっとためらいながら乗車する男の子たけし。
偶然乗り合わせた乗客たちですが、車内では打ち解けて話をします。それが、昼間の列車にはない、夜行列車独特の雰囲気でした。食堂車も健在、列車は夜の東海道本線を下っていきます。丹念に紹介される情景は、懐かしいとともに、あたかも今、ブルートレイン「はやぶさ」が復活して乗りこんでいるかのような錯覚に囚われます。
一方、たけしの両親(川津佑介、水野久美)は、息子が勝手に「はやぶさ」に乗ったらしいと知って大慌て。連れ戻すべく最終新幹線で追いかけようとしますが、タッチの差で乗り遅れ。何としても連れ戻したいとの執念から、父のみが後続の「あさかぜ」で追いかけます。翌朝、広島で「ひかり」に乗り換えれば博多で「はやぶさ」に追いつくと知ったからです。さて、うまく行くのでしょうか?
さらに、車内では様々な事件が起こります。また、偶然知り合った謎の少女は鳥栖まで行くとか。そして車掌が捜索している家出した男の子。

(C)中山映画
翌朝、下関で機関車がEF65からステンレスのEF81に交換。それを見学中に赤い野球帽をかぶった男の子は見つかって下車させられてしまいます。残ったたけしと少女は旅を続け九州へ。2人はどうなってしまうのか?それは、映画を見てのお楽しみですが、ほろりとさせられ、胸が詰まるシーンが度重なります。単なる旅映画というだけではなく、親子の対話、関係がきちんと描かれていて、心温まる映画でした。

(C)中山映画
この映画の放映ですが、CSチャンネルNECOで、10月2日、12日、23日の3回。
詳しくは、こちら
また、10月14日が「鉄道の日」であることにちなみ、「チャンネルNECO」では鉄道映画特集があります。『ブルートレインひとり旅』のほか、『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』と『ヨーロッパ特急』もオンエアされます。
ついでにPR。ブルートレイン「はやぶさ」については、拙著『乗りテツ大全』(平凡社新書)をご覧ください。
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(C)中山映画
冒頭、改修前の東京駅赤レンガ駅舎と国鉄本社ビルが画面一杯に現れ、次に電気機関車EF65形1000番台のパンタ上昇、東京機関区から品川客車区へ24系25形の「はやぶさ」編成を迎えに行き連結作業、東京駅へ回送と丹念に映していきます。

(C)中山映画
東京駅9番ホームへ入る際は、0系新幹線と並走、9番ホームからは、103系の山手線や201系中央線が行きかっているのが見えます。一方、9番線ホームでは少年たちがブルトレの写真を撮影中、とおよそ30年前の情景がよみがえってきます。何だかドキュメンタリー映画のようですが、そこへ時刻表片手のラフな姿の男の子が登場。親に内緒で「はやぶさ」の切符を買ってしまったこの子が主人公で、ここから物語が始まるのです。

(C)中山映画
出発前のホーム。隣の10番線からは「さくら」が出発、そのあとすぐに「みずほ」が入線してきます。本当に、あの頃はブルートレイン黄金期でした。1982年の時点で、西鹿児島行き(今は鹿児島中央)「はやぶさ」は、「富士」の行程短縮にともない、日本一の長距離列車となっていました。その列車には多彩な人たちが乗り込みます。下関支社転勤で単身赴任するサラリーマン(犬塚弘)、車椅子の青年、名門校受験に向かう母子、女性の旅行客、そして、ちょっとためらいながら乗車する男の子たけし。
偶然乗り合わせた乗客たちですが、車内では打ち解けて話をします。それが、昼間の列車にはない、夜行列車独特の雰囲気でした。食堂車も健在、列車は夜の東海道本線を下っていきます。丹念に紹介される情景は、懐かしいとともに、あたかも今、ブルートレイン「はやぶさ」が復活して乗りこんでいるかのような錯覚に囚われます。
一方、たけしの両親(川津佑介、水野久美)は、息子が勝手に「はやぶさ」に乗ったらしいと知って大慌て。連れ戻すべく最終新幹線で追いかけようとしますが、タッチの差で乗り遅れ。何としても連れ戻したいとの執念から、父のみが後続の「あさかぜ」で追いかけます。翌朝、広島で「ひかり」に乗り換えれば博多で「はやぶさ」に追いつくと知ったからです。さて、うまく行くのでしょうか?
さらに、車内では様々な事件が起こります。また、偶然知り合った謎の少女は鳥栖まで行くとか。そして車掌が捜索している家出した男の子。

(C)中山映画
翌朝、下関で機関車がEF65からステンレスのEF81に交換。それを見学中に赤い野球帽をかぶった男の子は見つかって下車させられてしまいます。残ったたけしと少女は旅を続け九州へ。2人はどうなってしまうのか?それは、映画を見てのお楽しみですが、ほろりとさせられ、胸が詰まるシーンが度重なります。単なる旅映画というだけではなく、親子の対話、関係がきちんと描かれていて、心温まる映画でした。

(C)中山映画
この映画の放映ですが、CSチャンネルNECOで、10月2日、12日、23日の3回。
詳しくは、こちら
また、10月14日が「鉄道の日」であることにちなみ、「チャンネルNECO」では鉄道映画特集があります。『ブルートレインひとり旅』のほか、『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』と『ヨーロッパ特急』もオンエアされます。
ついでにPR。ブルートレイン「はやぶさ」については、拙著『乗りテツ大全』(平凡社新書)をご覧ください。
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