nodatchのブログ

鉄道が好きな旅行作家が、取材や出版などの個人的な話を書いていきます

カルロヴィ・ヴァリ市内にあるローカル線の駅

2020-06-29 14:10:00 | ヨーロッパの鉄道
ヨーロッパ鉄道旅行写真デジタル・アーカイブス 2001年夏、ドイツ&チェコの旅、その11


カルロヴィ・ヴァリ(ドイツ語名・カールスバート)に到着したときに降り立った幹線の駅とは別に、ローカル線の駅が市街地のはずれにありました。せっかくなので、市内散策のついでに寄ってみました。カルロヴィ・ヴァリ・ドルニー駅と言います。

この駅から南西の方向にある、もうひとつの温泉地マリアンスケ・レズニエ(ドイツ語名・マリエンバート)へ向かうローカル線の始発駅で、全線非電化のためディーゼルカーが発着していました。

側線には、小ぶりなレールバスの姿も。

レールバスは、チェコを列車で旅していると、車窓から時々見かけたものです。残念ながら、写真を撮っただけで、乗る機会はありませんでした。

ローカル線の駅ですが、バスターミナルと一緒になっているせいか、幹線の駅(Karlovy Vary)よりも近代的な建物でした。


幹線の駅とdolni駅との位置関係を地図で見てみます。


川の南にあるDolni駅から東(地図の右)に線路が延びています。ぐるりとループ線を描いて、幹線の本駅(Karlovy Vary)と線路はつながっているようですが、時刻表をみるかぎりは、直通列車はありませんでした。

もう少しエリアを広げた地図です。

南にある2つの駅は、前回、紹介したケーブルカーの駅で、ふもとの駅のすぐ近くに私とさくらこさんが宿泊したグランドホテル・プップがあります。
(2001年8月7日、訪問)



<参考>
ヨーロッパ鉄道旅行写真 デジタルアーカイブス、ポータルサイトは、こちら

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チェコの温泉保養地カルロヴィ・ヴァリ

2020-06-28 18:52:00 | ノンジャンル
ヨーロッパ鉄道旅行写真デジタル・アーカイブス 2001年夏、ドイツ&チェコ、その10


チェコの温泉保養地カルロヴィ・ヴァリは、歴史の街で、かつてはドイツ名カールスバートとして知られていました。観光地でもあるので馬車が闊歩していましたが、クルマよりも雰囲気があります。



歴史ある温泉保養地なので、昔から王侯貴族や芸術家がヨーロッパ各地からやってきました。その一人がゲーテ。何度も逗留したようで、彼の定宿だった建物には、その旨が記されていました。


ゲーテが、この地でベートーヴェンに会ったのも有名な話です。ベートーヴェンは、私とさくらこさんが泊まったグランドホテル・プップに滞在したとか。記念碑があったようですが、見逃してしまいました。彼には、ここでいわゆる「不滅の恋人」と逢引したとの説もあるようですが、確かなことは分かっていません。

ほかには、チェコを代表する作曲家ドヴォルザークも滞在したようで、公園内には記念の銅像が立っていました。



この公園の脇に、飲泉スポットのひとつサドヴァー・コロナーダがあり、その建物の回廊は芸術的なものでした。


さて、ちょっと気分を変えて、ケーブルカーで小高い山に登ってみました。

山の上から眺めたカルロヴィ・ヴァリの街並みも素敵でした。


<参考>
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チェコの温泉保養地の高級ホテル

2020-06-15 22:20:00 | ヨーロッパの鉄道
ヨーロッパ鉄道旅行写真デジタル・アーカイブス 2001年夏、ドイツ&チェコ、その9


カルロヴィ・ヴァリ駅からタクシーで10分。到着したのが、グランドホテル・パップ(プップ)Grandhotel Pupp です。

創業1701年という歴史ある老舗5つ星ホテル。どこかで見たことあるという人も多いでしょう。それもそのはず、数多くの映画のロケに使われているのです。近年では、2006年の映画『007カジノ・ロワイヤル』でカジノが行われた会場のホテルとして銀幕に登場しています。もっとも、007では、チェコのカルロヴィ・ヴァリではなくて、東欧の小国モンテネグロのカジノという想定でした。泊まったのは2001年夏でしたから、『カジノ・ロワイヤル』の撮影より5年も前。映画に感化されて泊まったわけではありません。念のため。

巨大なホテルでしたが、ちょっと離れたところから眺めると、ボヘミアの森の中に建つ瀟洒な建物で、よい雰囲気です。

玄関近くには、カルロヴィ・ヴァリの世界の姉妹都市が紹介されていましたが、何と日本の草津も姉妹都市だったとは知りませんでした。


泊まった部屋の写真です。

内部の写真は、これしか撮らなかったので、公式サイトのリンクを貼っておきます。こちらで、内部の豪華さをとくとご覧ください。

部屋に荷物を置いて、さっそく街を散策しました。


神聖ローマ帝国の時代には、カールスバートと呼ばれた歴史ある温泉地だけあって気品がある街並みでした。






温泉と言っても、入浴するのではなく、飲む温泉です。さくらこさんの背後にある神殿のような建物がコロナーダと呼ばれる飲泉所です。中に入って、専用のカップで温泉水を汲んで飲みます。





決して「おいしい」ものではないのですが、これも体験ですね。

<参考>
ヨーロッパ鉄道旅行写真 デジタルアーカイブス、ポータルサイトは、こちら

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チェコの鈍行客車列車で温泉保養地へ

2020-06-15 13:41:00 | ヨーロッパの鉄道
ヨーロッパ鉄道旅行写真デジタル・アーカイブス 2001年夏、ドイツ&チェコ、その8

へプ(Cheb)は、ドイツのニュルンベルクとチェコの首都プラハを結ぶ幹線上にある駅で、長距離国際列車が何本も通っています。ただ、今回は、この幹線ではなく、へプ駅から枝分かれする別の幹線を走る列車に乗り込みます。優等列車も走っているのですが、その前に発車する普通列車の方が目的地カルロヴィ・ヴァリ karlovy Vary(旧名カールスバート Karlsbad)に早く着くので、のんびり鈍行列車で旅することにしました。指定されたホームに出ると、何と客車列車。重厚な電気機関車を先頭にホームにすでに横付けされていました。



カルロヴィ・ヴァリ経由、ホムトフ Chomutov 行きという表示を確かめて客車に乗り込みます。4両のうち、比較的小ぎれいな最後尾の車両を選びました。鈍行列車なので、すべて2等車でした。




車内は、向かい合わせ4人掛けのクロスシート。荷棚の位置が面白いですね。



こうしたローカル列車の乗客は、日本と同様、地元の高齢者や飾り気のない中高年の女性が多く地味な雰囲気なのですが、さくらこさんが座ると何だか華やいだ感じになります(笑)。

定刻の14:02 に発車。エアコンはないので、窓を開けると、風と共にすさまじい走行音が響き渡ります。複線電化の路線なので、それなりのスピードで平野を走る抜けていきました。へプまでの列車は新型のディーゼルカーでエアコン完備、車内は静かでしたので、サービス面での落差は大きいですね。しかし、ドイツでも日本でもほとんど体験できなくなった鈍行客車列車の旅は「汽車旅」にふさわしく、貴重な体験だったと思います。

ソコロフという急行停車駅に停まった後は、次第に丘陵地帯が線路に迫ってきました。へプから1時間ほどでカルロヴィ・ヴァリに到着ですが、駅が複数あるのです。まず、カルロヴィ・ヴァリ・ドヴォリ Karlovy Vary Dvory駅に停まりますが、ここは街はずれなので無視します。そのあと、5分ほどで唯のカルロヴィ・ヴァリ駅に停車。ここで下車しました。側線に貨車が停まっていて、それなりの規模の駅なのですが、温泉保養地の玄関という華やかな雰囲気はどこにもありませんでした。

お別れに機関車を見に行こうと先頭に向かったら、電気機関車の姿はありません。しばらくすると、ゴーグルをしたような不思議な形をした機関車が現れ、列車に連結されます。よく見ると、ディーゼル機関車でした。あとで調べたら、この先は非電化区間になるので、カルロヴィ・ヴァリ駅で機関車を交換したのでした。


改札口はどこにあるのか分からず、ホームの脇にクルマが停まっていたので、そのあたりをうろつくと簡単に外へ出てしまいました。

そういえば、帰りはホテルからタクシーに乗ったらホーム横付けでした。着いたときは、勝手がわからず、とりあえず両替をしなくては、と駅舎内をうろうろしたのですが、何もなく、ちょっと途方に暮れてしまいました。

駅舎を出ると、階段があったので降ります。そこは駅前広場になっていて、タクシーが何台か停まっていました。

運転手の一人が「乗るのかい?」という表情をするので、「はい、グランドホテル・パップ (プップ)Grandhotel Pupp に行きたいのです。もっとも、ドイツから列車で到着したばかりで、チェコの通貨コルナの手持ちがないのですけど」と告げると(英語だったかドイツ語だったか、どちらの言葉を使ったのかは忘れてしまいました。チェコ語は挨拶以外分かりません)、支払は外貨でも大丈夫とのことでしたので、ホテルまで乗せてもらいました。10分ほどすると、谷あいの瀟洒な家並の温泉地に到着しました。うらぶれた駅の雰囲気とは大違い。カルロヴィ・ヴァリは列車で、それも鈍行列車で来るところではないようです(笑)。

<参考>
ヨーロッパ鉄道旅行写真 デジタルアーカイブス、ポータルサイトは、こちら

拙著『ヨーロッパ鉄道旅行の魅力』(平凡社新書)pp234~238

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ライプツィヒから隣国チェコへ

2020-06-14 17:42:00 | ヨーロッパの鉄道
ヨーロッパ鉄道旅行写真デジタル・アーカイブス 2001年夏、ドイツ、その7


数日間滞在したライプツィヒ(ドイツ)を後にして、列車で隣国チェコへ向かいました。行先は、首都のプラハではなく、ボヘミアの温泉保養地カルロヴィ・ヴァリ(旧名カールスバート)。ローカル列車を乗り継いでの鉄道旅です。

まずは、ライプツィヒ中央駅発、ニュルンベルク中央駅行きの快速列車。当時、最新鋭の真っ赤なディーゼルカーでした。DB(ドイツ鉄道)の列車と言えば、機関車牽引の客車列車が主流でしたが、この頃から動力分散式の電車やディーゼルカーが急速に進出してきて、この列車も2両編成のディーゼルカーでした。

ライプツィヒ中央駅 10:07発。Reichenbach を経て、11:55に Plauen着。ここで列車を乗り換えます。ライプツィヒ中央駅の窓口で発行してもらった列車乗り継ぎ案内が残っていました。


ここからは、DBではなくて、ザクセン州が運営している Vogtlandbahn という第3セクターのような鉄道の列車に乗ります。もっとも、線路はDBと共用なので、乗車券はDBのものも有効、よってユーレイルパスもOKでした。





車内の様子です。



ドアはステップなしに乗れるように低い位置にあるので(欧米のホームは低いものが多いです)、それに合わせて車両中央部は低床式です。ノンステップバスみたいですね。

クロスシート主体ですが、一部はロングシートになっていました。もっとも、劇場みたいな跳ね上げ式でした。

なだらかな丘陵地を進み、ドイツ最後の駅 Bad Brambach に停車(13:13)。ここを発車すると、国境を越えてチェコ領内に入りました。もっとも、パスポート・チェックもなく静かなものでした。

そして、チェコ最初の駅 Plesna に停まります。古い駅舎の窓辺に咲く花が印象的でした。

続いて、Trsnice に停車。スペルがドイツ語ではなくチェコ語なので読めません。




チェコ領内を走ること30分少々で、幹線との合流駅へプ(Cheb)に到着。さらに列車を乗り換えます。大きな構内にも関わらず、閑散としていて寂しげなジャンクションでした。


つづく

<参考>
ヨーロッパ鉄道旅行写真 デジタルアーカイブス、ポータルサイトは、こちら

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