徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

朝ドラ「ばけばけ」と祖母

2025-04-11 17:54:28 | ドラマ
 今朝の熊日新聞に、今秋放送される朝ドラ「ばけばけ」がクランクインしたというニュースが載っていた。熊本は小泉八雲が五高教師を務めたゆかりの地なので、いずれ熊本ロケもあるかもしれないということだが、このドラマには注目していることがある。それは、ヒロインのモデルである八雲の妻セツと、48年前に他界した僕の祖母が同じような前半生を送ったのではないかということである。祖母はセツさんより15年遅れて、セツさんと同じように士族の家に生まれた。娘時代までは資産もあり、わりと裕福な家庭環境だったらしい。曽祖父は大江村の村長をやっていたが、その頃が一番羽振りが良く、屋敷では度々盛大な宴会が行われていたという。しかし、水道町一帯の持ち家十数軒が大火で烏有に帰してしまい、その後没落へと向かう。
 セツさんも実家や養家がいずれも没落し、苦労の多い人生が始まる。おそらくドラマで描かれるであろうそんな物語を、僕の祖母の人生に重ね合わせながら見て行きたいと思っている。
写真は朝ドラ「ばけばけ」のヒロイン松野トキ役を務める女優の高石あかりと、その幼少期を演じる福地美晴

「べらぼう」と傀儡子の三番叟

2025-01-12 20:41:40 | ドラマ
 今夜の大河ドラマ「べらぼう」は蔦重(横浜流星)が吉原再興のガイドブック「吉原細見」を作り、平賀源内に序文を書いてもらおうと奔走する話が中心だった。
 一方、江戸城内では徳川三卿のひとつである一橋家の当主・一橋治済(生田斗真)の嫡男・豊千代(後の十一代将軍家斉)の誕生を祝う盛大な宴が行われていた。能舞台では治済と田沼意次(渡辺謙)による傀儡子「寿二人三番叟」が演じられていた。実際にそんなことがあったのかどうかはわからないが、やがては将軍の実父として絶大な権力を握ることになる治済の田沼意次に対する信頼ぶりと意次の後ろ盾としての存在感が表れていた。


「べらぼう」と「山名屋浦里」

2025-01-10 20:39:57 | ドラマ
 1月3日にNHK総合「タモリと鶴瓶の新春特番」の中で「山名屋浦里」が話題になって以来、このブログの「山名屋浦里」関連のページへのアクセスが集中していたが、やっと今日は鎮静化したようだ。
 今年の大河ドラマ「べらぼう」は初回から、命を落とした遊女の全裸遺体が折り重なるという投込寺のショッキングな映像が物議を醸しているようだ。花柳病にかかっても治療も受けられなかったり、食事もろくに与えられず栄養失調で命を落とす遊女なども多かったようで、「吉原」はけっして夢の国ではないことを端的に表現したものだろう。
 ところで、「亡八」の中に扇屋宇右衛門という楼主が登場する。この男がくだんの「山名屋浦里」の原話である「扇屋花扇」の楼主である。なかなかの文化人で、遊女たちの教育にも熱心だったらしいが、「花扇」というのは「扇屋」の代々の花魁名で、四代目というのが名代の花魁だったという。
「べらぼう」には喜多川歌麿が登場するので彼が描いた「花扇」の話もきっとあるだろう。誰が「花扇」を演じるかも今後の楽しみだ。


歌麿が描いた花扇


花魁道中

早坂暁の世界

2025-01-08 21:35:44 | ドラマ
 今日からNHK-BSで「続 夢千代日記」の再放送が始まった。「夢千代日記」シリーズといえば、脚本家・早坂暁(はやさかあきら 2017年没)さんの代表作である。早坂さんは50年代から90年代まで、主にテレビで数々の名作ドラマを生み出したレジェンドの一人である。僕が見た早坂作品は数え切れないほどあるが、その中から特に好きな3本を選んでみた。(2017.12.18の記事を再編集したものです。

◆夢千代日記(NHK 1981年)
 日本のテレビ史上、伝説的な存在となったこのドラマシリーズは、吉永小百合さんが出演した映画・ドラマの中で僕が最も好きな作品だ。このドラマが始まった時、小百合さん35歳、匂いたつばかりの美しさ。胎内被爆者である夢千代は余命3年と宣告されている芸者置屋の女将。当時は裏日本と呼ばれた日本海の暗い冬の景色。寂れた温泉町。どうしようもないほど暗いこのドラマを見ると陰鬱な気分になるのだが、なぜか画面から目を離せない。脇を固める俳優陣がすごい。その誰もがまさに適役なのだ。超一流のスタッフとキャスト。やはり良い作品ができないわけがない。
 「夢千代日記」といえば、はる屋の芸者たちが唄い踊る「貝殻節」が忘れられない。ドラマの舞台となった兵庫県の湯村温泉辺りの民謡かと思いきや、実は「貝殻節」は、湯村温泉とは遠く離れた鳥取県沿岸の漁夫の作業歌として歌われ始めた民謡だという。
 「続・夢千代日記」「新・夢千代日記」とシリーズを重ねるごとに、このドラマの評価は高まり、早坂さんの代表作となった。

◆田舎刑事・時間よ、とまれ(テレビ朝日 1977年)
 渥美清の田舎刑事シリーズの1本で、僕はテレビドラマ史上、傑作中の傑作だと思っている。このエピソードで小林桂樹さんが演じたのは殺人犯である過去を消し、別人として有力者に成り上がった男の役だった。渥美清さんとの鬼気迫る対決が印象に残るが、普段は人のよいサラリーマンや人格者的な役どころが多い小林桂樹さんが、それまでのイメージを払拭するような快演だった。早坂さんの脚本は、まるで松本清張を思わせる迫力があった。

◆山頭火・何でこんなに淋しい風ふく(NHK 1989年)
 フランキー堺さんが種田山頭火を熱演しているが、これはもともと早坂暁さんが、渥美清さんの主演を想定して書いた脚本。諸事情で渥美清さんは出演できなかったが、本人は並々ならぬ意欲を見せていたという。山頭火が一時、堂守を務めていた植木町味取の味取観音堂がある瑞泉禅寺に渥美さんがフラリと訪ねて来たことがあるという。おそらくこのドラマのロケハンだったのだろう。瑞泉禅寺がご実家の民謡三味線・本條秀美さんから聞いたお話だ。

「ばけばけ」夫役は美丈夫!

2024-11-28 14:45:05 | ドラマ
 小泉八雲の妻セツをモデルとしたヒロインを高石あかりが務める来年秋朝ドラ「ばけばけ」。その夫ヘブン(モデルは八雲)を英国人俳優トミー・バストウが演じることが決まり、昨日、NHK熊本局のニュース情報番組「クマロク!」の中でも発表された。
 八雲のイメージとは程遠い?美丈夫の登場にちょっとビックリ!基本的にはフィクションなのではたしてどんな夫役のイメージを創造するのか楽しみでもある。
 来年年初から撮影に入るようで、熊本もそのロケ地の一つになる予定だという。ロケ地を予想しながら八雲ゆかりのスポットを並べてみた。


来熊後、最初の1年を過ごした家。現在、小泉八雲熊本旧居(熊本市中央区安政町)


熊本での第1作「家庭の祭壇」の題材となった最初の家の神棚


坪井西堀端町にあった熊本二番目の家(現在はない)


熊本二番目の家の跡はA社の社宅となり、八雲旧居跡の記念碑のみ


かつて熊本二番目の家の前にあった地蔵堂は11年前に撤去され、御所浦の東岸寺に納められている


八雲が教鞭をとった第五高等中学校(現熊本大学)


八雲が度々登った小峰墓地から第五高等中学校を眺める(明治時代当時の風景)


八雲が愛した小峰墓地の石仏(鼻かけ地蔵)。「東の国から」(明治28年)に収録された「石仏」の題材となる。


「東の国から」に収録された「夏の日の夢」の題材となった「浦島屋」(宇城市三角町)

ドラマ「小吉の女房(2)」を観ながら

2024-11-10 21:55:11 | ドラマ
 現在、NHK-BSでドラマ「小吉の女房(2)」が再放送されている。本放送時ほとんど見ていなかったので見始めた。このドラマは勝海舟を育てた破天荒な夫婦を描いた物語である。
 今日の回では、麟太郎(後の勝海舟)が父小吉の実家の親戚で奥女中を務める阿茶の局のツテで将軍の孫の遊び相手として江戸城に召し出されるという話があった。これを見ながら、わが父の幼少時のことを思い出してつい笑ってしまった。父は4~6歳の頃、泰勝寺に住まわれていた長岡家(細川刑部家)の若様の遊び相手として泰勝寺へ日参した。父が書き残した備忘録には次のような一節がある。

――長岡家は細川家の遠戚に当り、旧藩時代は家老職を務めた格式ある家柄。従って旧来の因習も多分に残る家庭であった。長岡家には二男一女があったが、その遊び相手選びにも厳しいものがあった。近くに散在する十一戸のうち、農家の一軒を除き、他は皆その昔、細川家の家臣であった家々である。これらの子弟の中から御曹子や御息女の遊び相手が選ばれたのである。こんな家庭への出入りであるので母も随分気を使ったようで、質素ではあるが、こざっぱりした木綿絣の着物に白の胸掛けというのが私の参上姿であった。――

 この当時、既に大正時代に入っていたが、父が言うように長岡家のような名家では子女の友達選びにも旧来の因習が残っていたものとみえる。一方、毎朝父を送り出す祖母も「わが子の出世」とでも思ったのか、その気の使いようがなんとなく滑稽に見えてくる。


泰勝寺山門跡(現細川家立田別邸)


泰勝寺の池(現立田自然公園)

「カーネーション」再び!

2024-09-29 20:40:58 | ドラマ
 2011年秋から2012年春にかけて放送された朝ドラ「カーネーション」の再放送が先週から始まった。


【再放送日程】
 毎週月曜日〜土曜日 7:15〜7:30 <NHKBS・BSプレミアム4K>
 毎週日曜日 8:00〜9:30 1週間分6話連続放映 <NHKBS>
 毎週日曜日 10:00〜11:30 1週間分6話連続放映 <BSプレミアム4K>

 個人的にはこれまで放送された朝ドラの中では最高傑作だと思っている。本放送の終了時、このブログにアップした感想を再掲してみた。

2012年3月30日
 半年間楽しみに見てきた「カーネーション」がいよいよ明日最終回となる。ほぼ毎回見た朝ドラは珍しい。それだけ面白かったのだろう。その最大の理由はやはり渡辺あやの脚本にあると思う。もともと彼女の脚本が大好きで、これまで脚本を担当した映画やドラマは全部見ているが、そのいずれの作品も登場するキャラクターたちが実に面白い。映画の「ジョゼと虎と魚たち」もそうだし、「天然コケッコー」や「メゾン・ド・ヒミコ」もそうだし、テレビドラマの「火の魚」や「その街のこども」もそうだし、もちろん今度の「カーネーション」もキャラクターたちの面白さが際立っている。彼女はインタビューなどでよく「脚本を書いていると、キャラクターたちが勝手にしゃべりだす」というようなことを言う。おそらく自分の中でキャラクターたちのイメージがしっかりできあがっているから、場面場面でそのキャラクターが言いそうな言葉が自然に浮かんで来るのだろう。ともかくこの「カーネーション」も期待を裏切らなかった。さて明日のエンディングは何かひと仕掛けがあるだろうか。

2012年4月2日
 今朝目が覚めると、ふと「あゝ今日はもうカーネーションはないんだ・・・」とちょっぴり寂しさに襲われる。8時の時報とともに新番組「梅ちゃん先生」が始まったが、ただぼんやりと眺めているだけ。しばらくはカーネーションロス症状が続くかもしれない。
 それにしても渡辺あや、やるなぁ。最終回で初めてドラマの構造に気がついた。この物語は結局、奈津(栗山千明)が病床で見ていた朝ドラだったわけだ。つまりこの話はあくまでもドラマであって、奈津がそれをどう見たかは視聴者それぞれの評価に委ねるという、そんな想いを渡辺あやは込めたのかもしれない。しかも、その朝ドラさえも晩年の糸子(夏木マリ)が、若い頃の自分(尾野真千子)を回想していたという二重の階層構造になっている。だからこそわずか1ヵ月でもヒロインのキャスト変更が行われたのかもしれない。そう考えると納得がいく。第1回目の放送の少女時代二人の糸子によるコーラスが再び最終回に登場し、見事なドラマのくくりになっていることも合わせ、実に巧みなシナリオの構成にあらためて感心した。


“SHOGUN” 大ヒットのワケ

2024-09-11 20:23:49 | ドラマ
 今夜のNHK「クローズアップ現代」では、今、世界中でヒットし、米エミー賞で史上最多14部門受賞、さらに今後発表の作品賞、主演男優・女優賞など主要部門の受賞も期待されているハリウッド製時代劇「SHOGUN」の大ヒットのワケを分析していた。ネット社会の進展など時代の変化もさることながら、大きな要因の一つが「本物らしさ(Authenticity)」ではないかという。主演とプロデューサーを兼ねる真田広之さんもそれに最もこだわったという。とにかく本編をまだ見ていないので個人的な論評はできないが、番組を見ながらいくつか思い出したことがあった。
 一つは日頃、ブログやFBでお世話になっている江戸端唄の笹木美きえ師匠が「SHOGUN」の三味線インストラクターを担当された話。スサノオノミコトの歌といわれる「八雲立つ 出雲八重垣・・・」に節を付けて音源を作成したらしい。美きえ師匠にレッスンを受けた菊役の向里祐香さんが唄う予定だったのだが、そのシーンはカットされたらしい。残念!
 もう一つは、今日の番組の中で、ヒロインの戸田鞠子(細川ガラシャがモデル)と夫が茶室で水入らずのひと時を過ごすシーンが映された。ガラシャの夫といえば細川忠興。立田自然公園には忠興が設計した茶室「仰松軒」が復元されている。何度か見た「仰松軒」の内部を思い出して、夫妻にはこういう場面もきっとあったのだろうなぁと思われた。


「SHOGUN」で注目を浴びている日本人女優アンナ・サワイ


「柳緑花紅」中国・宋の時代の詩人・蘇軾(そしょく)の詩から引用した禅語


細川三斎(忠興)好みの茶室・仰松軒(立田自然公園内)

和泉式部の登場

2024-07-27 17:32:21 | ドラマ
 大河ドラマ「光る君へ」に和泉式部はいつ登場するのだろうと思っていたら、先日NHKから追加出演者のアナウンスがあり、和泉式部を泉里香が演じるとあった。この女優さんは名前を聞いたことがあるくらいでほとんど存じ上げないが、平安中期の有名な歌人で恋多き女ともいわれたという和泉式部をどう演じるのか見ものである。一条天皇の中宮彰子に仕えていたこともさることながら、個人的には肥後国司を務めた藤原保昌と後に再婚することでも興味がある人物である。藤原保昌は武勇に秀で、道長四天王と称されているので今後登場してもおかしくない。また和泉式部への恋を成就するため、紫宸殿の紅梅を手折って北面武士に射かけられるという武勇伝も残っている。
 和泉式部の歌としては百人一首のなかに次の歌がある。

  あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今一度の 逢ふこともがな
  (意訳)私はもうすぐこの世を去るでしょう。あの世へ持っていく思い出に、もう一度だけ
      あなたに逢えないのでしょうか。

 右は梅林天満宮に掲示されている百人一首の絵札。

 能に「東北」という和泉式部の霊が登場する曲がある。


2023.9.17 藤崎八旛宮例大祭・新町御旅所能奉納  喜多流 半能「東北」後シテ和泉式部の霊 友枝雄人

SHOGUN 将軍

2024-06-24 22:25:16 | ドラマ
 フェイスブックやブログをフォローさせていただいている江戸端唄・俗曲師範の笹木美きえ師匠。三味線指導をされた女優さんが話題のドラマ「SHOGUN 将軍」に出演していることはフェイスブックを拝見して知っていたのだが、師匠ご自身もこのドラマに少し関わっておられたと知りビックリした。
 このドラマ自体は40数年前、リチャード・チェンバレン主演版を見ていたのであらすじは大体わかっているが、今回は家康をモデルとした主役を真田広之さんが演じているので観てみたいなと思っていた。
 熊本ゆかりの細川藤孝、忠興それにガラシャ夫人をモデルとした人物も登場するのも興味深い。


VRおじさんの初恋

2024-05-25 19:20:07 | ドラマ
 最近はテレビドラマといえば、大河や朝ドラをつまみ食い的に見るくらいだが、1回15分という気楽さもあって、珍しくズーっと見たのが「VRおじさんの初恋」(NHK)。最初はVR(バーチャル・リアリティ)の中の物語というので、ちょっとメンドくさいドラマかなと半歩ほど引き気味に見ていた。しかし、見始めると妙に心に響くものがあった。
 ドラマの中のVRはおそらく近未来のものと思われるのだが、そこに描かれているのは時代を問わない人間臭いドラマ。80の坂が見えて来た僕にとって、人生を振り返り、自分を見つめ直すこともあり、そこには「生き直し願望」のようなものが生まれる。仮想空間上のアバターに託して別の世界を生きてみたいという主人公たちの願望が痛いほどわかる。そしてアバターが自分自身のリアルワールドにおけるふるまいにも影響を与え始めるという「プロテウス効果」に、なるほどと思ってしまうのである。ちなみに、主人公の直樹がタイヤメーカーに勤めるさえない中年会社員という設定にも共感を抱いた。

ホナミとナオキ

清少納言と父 清原元輔

2024-02-23 21:21:31 | ドラマ
 大河ドラマ「光る君へ」の第6回にいきなり清原元輔が出て来てビックリした。ききょう(清少納言)に関連して名前は出てくるかもしれないがおそらく登場することはないだろうと思っていたからだ。藤原道隆が開いた漢詩の会に講師として招かれ、お題「酒」を出していた。三十六歌仙の一人として名高い歌人である元輔と娘の清少納言の関係を説明するために創られたエピソードなのだろう。
 「元輔集」(清原元輔個人の和歌集)を読んでいたら前書きに次のような中宮定子と清少納言の歌のやり取りが紹介されていた。
 
定子が
  元輔が後といはるる君しもや今宵の歌にはづれてはをる
  (歌人として名高い清原元輔の後を継ぐべきあなたなのに、今宵の歌会には参加しないのね)

これに応えて
  その人の後といはれぬ身なりせば今宵の歌をまづぞよままし
  (その元輔の子だと言われることがない身でしたら、今宵の歌会では真先に詠んだことでしょう)

 ドラマはこれからどういう展開になって行くのかわからないが、清少納言は才気煥発な女性であったことは間違いないようだ。


肥後国司を務めた清原元輔を祀る清原神社(北岡神社の飛地境内)

「光る君へ」を見ながら

2024-01-07 21:58:05 | ドラマ
 今日から始まった今年の大河ドラマ「光る君へ」を見たが、登場人物が多く、しかも藤原だらけなので、まずは人物を識別するのに精一杯といったところ。
 それはさておき、見ながら思ったのは、この時代に肥後国司として赴任した人の中にもドラマの登場人物ゆかりの人がいる。まずは清原元輔(きよはらのもとすけ)。「枕草子」でおなじみ清少納言の父である。清少納言は一条天皇の中宮・藤原定子に仕えた。元輔は肥後や周防などの国司を務めて都を離れていた期間が長いのでドラマには登場しないだろう。もう一人は藤原保昌(ふじわらのやすまさ)。この人は武勇に秀で、道長四天王とも称されているので登場してもおかしくない。また和泉式部への恋を成就するため、紫宸殿の紅梅を手折って北面武士に射かけられるという武勇伝も残っている。まだ登場人物リストにはあがっていないが、そのうち登場する可能性がある。

来年の大河ドラマは!

2023-11-28 21:38:21 | ドラマ
 来年のNHK大河ドラマは吉高由里子が紫式部を演じる「光る君へ」だそうだ。戦国時代ものや幕末ものに飽きていた僕にとって久々に観てみようかという気にさせる。脚本を担当するのは大石静。大河ドラマは2006年の「功名が辻」以来実に18年ぶりの担当だが、数々のドラマで実力は証明済み。「源氏物語」に描かれたエピソードをはさみながら物語を紡いでいくと思われるが、そのお手並み拝見といったところ。僕が興味を持っているのは清少納言との関係性がどう描かれるのかである。藤原定子(高畑充希)と清少納言(ファーストサマーウイカ)のラインが面白そうだ。


平安絵巻さながらに優雅な「代継宮 曲水の宴」

名優の微笑ましいエピソード

2023-01-22 22:35:25 | ドラマ
 今日は冷たい雨が断続的に降るという陰鬱な日曜日、家から一歩も出ずに過ごした。
 そんな中、TKUテレビ熊本で郷土の偉人シリーズとして名優笠智衆さんの人生を描いたドラマが放送された。笠智衆さんに扮したのは小日向文世さん、その奥様を松下由樹さんが演じた。これからTVerなどでご覧になる方にネタバレとなってはいけないので内容については省略する。
 ドラマを見ながら、11年前、笠智衆さんの生家である玉名市天水町の来照寺へ母を連れて訪問した時のことを思い出した。その時、ご住職の奥様からお聞きした笠智衆さんのエピソードを再掲したい。
 それは笠智衆さんが亡くなる少し前、「おじいさん 笠智衆写真集」の撮影のため、この生家、来照寺へ帰って来られた時の話。余計な気を使わせまいと何の連絡もせず来照寺へ帰って来た笠さん。ところが、たまたまこの日はご家族全員お出かけで家にも本堂にも入れない。しかたなくガラス戸が締め切られたままの本堂の縁側で撮影をすませたそうだ。それを聞いて写真集を見直してみると、たしかにお寺の縁側で着物姿でくつろいではいるものの、うしろのガラス戸は締め切られたままというなんとも不自然な写真。笠さんのお人柄を偲ばせるエピソードに、あとから笑いがこみ上げてきた。


来照寺境内に立てられている出演映画の看板