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今朝のテレビ朝日の特番で「派遣切り」の問題を討論していたが、今日の問題をひき起こした元凶は、2004年の労働者派遣法の改正だという話になった。当時、これを推進する立場にあった竹中平蔵氏がゲストで出ていて、改正の根拠の一つに、当時の若者の多くが多様な雇用形態を望んでいるというアンケート調査の話をしていた。この調査がどこのどんな調査だったのか見たこともないが、たしかに当時は従来の日本社会の終身雇用に対して、もっと多様で自由な雇用が望ましいというようなことがマスメディアでも言われていた記憶がある。しかし、多くの若者がそれを望んだとしたら、それには前提条件があったはずだ。それは「会社は移っても職は確保できる」ということだ。しかし、そんなことは現実にはごく限られた技術者などにしかありえない。そのアンケートに答えた若者も「ある日突然解雇されて路頭に迷うようなことがあってもいい」などと思った人など一人もいないだろう。つまり、「多様で自由な雇用というのはそういうリスクも負うんだよ」ということをアンケートを採る時に説明すれば結果は全然違ったのではないだろうか。竹中氏がいまだに金科玉条のようにあげるアンケート調査も、労働者派遣法改正の方向に持っていくために意図的に設計されたのではないかとさえ思えてきた。