徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

英国女性ポップス歌手華やかなりし時代

2025-01-31 11:35:07 | 音楽芸能
 今日、ネットニュースで英国の女性ポップス歌手マリアンヌ・フェイスフルさんの訃報を見た。僕と同年齢で学生時代のアイドルのひとりでもあった。波乱の多い人生だったようだ。60年代の前半、英国ではビートルズを始めとするリバプールサウンドが台頭してきた頃だが、女性ポップス歌手も多士済々だった。中でもよく聴いていたのが、マリアンヌ・フェイスフル、ダスティ・スプリングフィールド、ペトゥラ・クラークの3人だ。ダスティ・スプリングフィールドさんはだいぶ前に亡くなったので、ご健在はペトゥラ・クラークさんだけだが、ご高齢で隠遁生活のようだ。わが青春の思い出を彩る女性ポップス歌手の時代も遠い昔のこととなり寂しい限りである。

 今日は3人の代表曲を聴きながら学生時代の思い出に浸った。

リアンヌ・フェイスフル「涙あふれて(As Tears Go By) 」(1964年)

スティ・スプリングフィールド「二人だけのデート(I Only Want to Be with You)」 (1963年)

トゥラ・クラーク「恋のダウンタウン(Downtown)」(1964年)

「芸どころ熊本」とあやこ姐さん

2025-01-28 21:40:24 | 音楽芸能
 このところ眼科や胃腸科など、新町・古町の病院へ行くことが多くなり、必ず新町の福田病院あたりを通る。現在、福田病院の寿心亭があるところは、かつて老舗料亭・新茶屋があった。通る度に昔の趣のある風景を思い出す。
 僕が初めて料亭と名のつく場所に行ったのは、もう50数年も前の大学を出たばかりの頃。父がまだ教員現役で、同勤の先生たちとの宴に連れて行ってもらった。どういう趣旨の宴だったのか思い出せない。熊本に帰って間もなかったので行った料亭もどこだったのか憶えていない。ただ、父があやこ姐さんという芸妓さんを呼んだことだけは憶えている。どうも学校関係の宴会にはあやこ姐さんを呼ぶのがお決まりになっていたようだ。僕があやこ姐さんにお会いしたのは、後にも先にもその時だけで、どんな芸を披露されたのかも憶えていない。後に「熊本最後の芸妓 あやこ姐さん」としてテレビで紹介されたり、上村元三さんがFacebookで紹介されたのを拝見して、有名な方なんだと認識した次第である。ご健在であれば90歳を超えておられるはずだが、あやこ姐さんしか踊れない踊りがあるという話も聞いたことがあり、かつて料亭文化華やかなりし頃の「芸どころ熊本」の至芸を、若い人たちに受け継いでいってもらいたいものである。


かつての料亭・新茶屋(現福田病院内・寿心亭)前を芸妓さんを乗せて走る厚生車(輪タク)

   ▼あやこ姐さんも踊ったであろう「五十四万石」

吉原遊郭と音楽

2025-01-27 22:38:19 | 音楽芸能
 大河ドラマ「べらぼう」は4回まで放送されたが、音楽文化の発信基地でもあった吉原遊郭の中にいまだそれらしいシーンが見られない。このドラマの音楽は「麒麟がくる」も担当したアメリカの作曲家ジョン・グラムが担当している。しかし、彼はドラマの本筋を彩る音楽を担当しており、歌舞伎の下座音楽に当たる部分は日本人が受け持つと思われる。スタッフの中に「芸能指導」として薩摩琵琶演奏家の友吉鶴心氏がクレジットされているが、吉原遊郭の音楽を主に担っていたのは三味線。今後、吉原遊郭の三味線音楽が見られるだろうか。

 江戸末期、吉原固有の唄だった「さわぎ唄」。正式名「吉原さわぎ」は、他所の遊里などで唄う場合は吉原の許可を必要としたという。各地に広まっていくと遊里や酒宴の席などで、座を盛り上げるために三味線や太鼓に合わせてにぎやかに唄われた。吉原でも当初は音曲のみ、しかも太鼓のみで歌う短い曲だったそうだが、その後三味線が加わり、さらに振りを付けて、踊るようになったので曲が長くなったそうだ。歌舞伎の下座音楽としても、揚屋・茶屋などの場面で、酒宴・遊興の騒ぎを表現するために使われるようになったという。

 下の絵は江戸前期の浮世絵師・菱川師宣が描いた、吉原遊廓での人々の生活風俗を題材にした揃い物のなかの一枚。座敷では三味線二挺と鼓が演奏し、遊女が踊っている。「さわぎ唄」でも唄って座を盛り上げているのかもしれない。


 「さわぎ唄」は各地の遊里に広まり、その土地土地でアレンジを加えながら唄い継がれた。下の映像は平成時代に作られた「熊本さわぎ唄」。おそらく数多のさわぎ唄の中で最も新しいと思われる。
 作詞:小川芳宏 作曲:今藤珠美 作調:藤舎千穂


 下の絵は葛飾北斎の娘、葛飾応為の代表作「吉原格子先之図」※「素見=冷やかし」が集まる


 その「吉原格子先」いわゆる「張見世」の様子を唄った「長唄 吉原雀」は江戸中期の明和五年(1768)に作られたもの。

マイミックスリスト

2025-01-23 22:18:09 | 音楽芸能
 YouTubeの「マイミックスリスト」機能によりリストアップされたタイトルを時々チェックしている。ネット上には個人のお気に入りをまとめたものというような説明もあるが、自分でお気に入りに選んだ覚えはない。中には一度も再生したことがないものも含まれており、再生歴からAIで僕が好みそうなものを選んでいるのだろう。先日リストされていた下記の26タイトルの中から3タイトルを選んで視聴した。

  • 喜代節
  • 熊本民謡おてもやん
  • 鹿児島三下り~田助ハイヤ
  • After You've Gone - P Time Selection
  • 東海風流チャンネル「下田節」
  • ひえつき節(宮崎県民謡)
  • ザ・わらべ~さのさ~
  • 熊本自転車節(歌詞付)
  • 花童~肥後のタンタン節~
  • 花童~キンキラキン~
  • ザ・わらべ~津軽あいや節~
  • 伊勢音頭(歌詞付)
  • こわらべ~江津湖音頭~
  • 長崎浜節/長崎ぶらぶら節
  • 端唄 せつほんかいな
  • 牛深高校郷土芸能部 牛深ハイヤ節
  • 民謡「鹿児島小原良節」
  • 花童~絵日傘/数え唄~
  • 花童~小坪いかとり歌~
  • こわらべ~京ものがたり~
  • 新保広大寺~八木節
  • おてもやん 田中祥子
  • 東海風流チャンネル「碧南木遣節」
  • Clarinet Marmalade, Shotgun Jazz Band with Makiko Tamura
  • ざ・わらべ&こわらべ~河内音頭~
  • 豊浜須佐踊り

   ▼After You've Gone - P Time Selection

   ▼東海風流チャンネル「下田節」

   ▼ザ・わらべ~さのさ~


2024 年間動画視聴ベスト10

2025-01-02 19:21:13 | 音楽芸能
 YouTubeマイチャンネルの2024年動画視聴ベスト10は次のとおりでした。
 この期間の総視聴回数は1,511,670回。前年の約2.8倍という伸びでした。これは、一昨年の年末にアップしました「お座敷小唄/芸者ワルツ(リマスター版)」がバズり、それによって12年前の初期版を始め、旧作群にも飛び火したような状況になったものです。この現象も落ち着きつつありますが、新作アップもなかなか厳しい現状の折、旧作で再評価されそうな動画を発掘したいと思っています。

 サムネイル画像をクリックしていただきますと動画を視聴いただけます。

1.お座敷小唄/芸者ワルツ(リマスター版)(470,032回)


2.こわらべ~ お座敷小唄/芸者ワルツ ~(90,879回)


3.花童 ~ 肥後のタンタン節 ~(83,025回)


4.こわらべ ~ 江津湖音頭 ~(82,322回)


5.花童 ~ 絵日傘/数え唄 ~(61,532回)


6.花童 ~ キンキラキン ~(49,696回)


7.ひえつき節(35,278回)


8.南部俵積み唄(34,956回)


9.伊勢音頭(歌詞付)(33,319回)


10.おてもやん(歌詞付)(26,105回)

手古舞木遣り

2024-12-27 19:58:05 | 音楽芸能
 今年も残すところ4日となった。今日はYouTubeマイチャンネルの今年度状況を概観した。動画をアップした時はできるだけこのブログでも紹介したいと思っているが、紹介した覚えがないものが結構あることに気付いた。記事にするタイミングが合わなかったのかもしれない。
 そこで、まだブログで紹介できていない動画を少しづつ紹介していきたい。今日紹介するのは「手古舞木遣り」。「木遣りくずし」のあんこ入りで江戸の祭りの粋でいなせな様子を唄った端唄。昭和48年に作られているので歌謡曲と言った方がいいのかもしれない。
 「手古舞」というのは江戸時代には神田明神祭の余興の舞のことだったらしいが、今日では男髷にたっつけ袴の女性が金棒を持って山車に付き添う姿をそう呼ぶようになったそうだ。
 作詞:たなかゆきを 作曲:初代藤本琇丈

2015.5.2 水前寺成趣園能楽殿 第4回水前寺をどり
振付:中村花誠
立方:中村くるみ・今村明音・小堀ゆりあ

伝説の「クリスマスの約束 2009」

2024-12-24 13:03:57 | 音楽芸能
 今夜、「クリスマスの約束」最終回(23:56~)が放送されるが、それに先立ち、過去の放送の中で今や伝説となっている2009年「クリスマスの約束」で歌われた22曲メドレー(22分50秒)が再放送される。これは見逃せない。(放送は22:00よりTBS系)
 当時このブログに書いた記事を再掲してみた。

▼圧巻だった!「クリスマスの約束2009」(2009.12.26)

 クリスマス恒例、「クリスマスの約束」(TBS)は毎年必ず見ることにしているが、今年のライブの目玉、21組のトップアーティストが、各々のヒット曲をメドレーでつないだ"22分50秒"は、今まで見た中で一番凄かった。ただメドレーで歌うというのではなく、小田和正が編曲し、メインヴォーカル以外は全員がバック・コーラスにまわるという壮大な一つの組曲として成立していた。企画が立ち上がったのは8月だったというから、「さもありなん」と思わせるパフォーマンスだった。いつまでも止まないオーディエンスのスタンディングオベーションを見ながら、NHKの「紅白歌合戦」など、くだらない衣装合戦やコントなんかやめて、ホントはこんな企画をやるべきなんだろうな、と思わずにはいられない。小田さんの音楽的才能はもちろんのこと、企画力と実行力に敬意を表したい。
≪出演者≫
小田和正、AI、Aqua Timez、いきものがかり、キマグレン、Crystal Kay、財津和夫、佐藤竹善、清水翔太、JUJU、スキマスイッチ、鈴木雅之、STARDUST REVUE、中村 中、夏川りみ、一青 窈、平原綾香、広瀬香美、藤井フミヤ、松たか子、山本潤子

ラスト「クリスマスの約束」

2024-12-22 18:18:44 | 音楽芸能
 毎年、クリスマスの楽しみだった音楽番組「クリスマスの約束」(TBS)。今年は3年ぶりに行われる。しかし、今回が最終回で24年続いた番組の歴史に終止符を打つという。
 この番組の特長は小田和正さんのリーダーシップによる音楽性の高さ。「紅白」は見なくてもこの番組は見逃さなかったので、もう見られなくなるのは寂しい。
 この番組で歌われた歌のなかで僕のベストソングは「Today」。
 「昨日の栄光や明日への約束でなく、今日この瞬間、笑って泣いてそして歌う今日こそが自分のストーリーなのだ!」と歌う。これは「今を生きる」というメッセージなのだと思う。
 僕が大学に入学した1964年、アメリカのフォークミュージックグループ、ザ・ニュー・クリスティー・ミンストレルズがリリースした曲で、寮のラジオでよく聴いていた懐かしい曲だ。


出演者全員で「Today」を歌う。「クリスマスの約束2015」オープニング



今日のピックアップ曲

2024-12-18 21:30:33 | 音楽芸能
 日頃、テレビを見ながら流れる音楽にアンテナを張っているが、昨日・今日のNHK-BSの番組で「これは!」と思った曲は下の2曲。

◇貝殻節
 「夢千代日記」再放送は今日が最終回。年が明けてから「続 夢千代日記」「新 夢千代日記」も再放送されるらしいが、やはり一番心に残っているのは最初のシリーズ。
 そして「夢千代日記」といえば「貝殻節」。物語の舞台は兵庫県の湯里温泉という架空の温泉場となっているが、「貝殻節」は鳥取県発祥の民謡。かつて山陰の日本海沿岸に「イタヤ貝」が数十年おきに大量発生したという。この貝の捕獲に従事した漁師たちが歌い始めた労働歌が「貝殻節」の元唄だという。今日歌われている「貝殻節」は昭和初期に新民謡として改作されたものらしい。夢千代らが「貝殻節」を踊る場面は数多のドラマの中でも屈指の名場面だと思う。


芸者置屋はる屋の女将・夢千代(吉永小百合)、半玉の小夢(中村久美)、芸者の金魚(秋吉久美子)
そして三味線は年増芸者の菊奴(樹木希林)の面々。



◇Mr. Bojangles(ミスター・ボージャングル)
 昨日放送された「六角精児の呑み鉄本線・日本旅」の「豊肥本線&南阿蘇鉄道」編では、熊本地震被害から7年ぶりに全線開通した南阿蘇鉄道で阿蘇カルデラ内部の絶景旅の場面で、ザ・ニティ・グリティ・ダートバンドの「Mr. Bojangles」が流れた。六角さん自らも歌うカントリーソングなので選ばれたのだろう。服役中の受刑者である年老いた大道芸人ミスター・ボージャングルのことを歌った哀愁漂う歌で、多くの歌手がカバーしているが、僕はサミー・デイヴィスJr. のバージョンが一番印象深い。下の映像はザ・ニティ・グリティ・ダートバンドが1990年に阿蘇で行われた「カントリーゴールド」に参加した時のもので、今回の番組にはピッタリだ。


平原綾香スペシャルジャズライブ

2024-12-16 19:36:28 | 音楽芸能
 昨日、NHK総合で放送された「平原綾香スペシャルジャズライブ~私の原点~」は見ごたえがあった。もっとも首都圏のみ放送の「首都圏いちオシ!」という番組だったので本放送では見られず、NHKプラスの見逃し配信で見た。次のようなプログラムだったが、見ものは3年前に亡くなったレジェンドサックス奏者の父親譲りのアルトサックス演奏。彼女のヴォーカルはまるでサックスを演奏しているかのような発声だと思う。「Georgia On My Mind」をヴォーカルとサックス演奏で魅せてくれた。彼女のサックス演奏を見るのは15年前の熊本公演以来である。
  • On The Sunny Side Of The Street
  • アランフェス協奏曲〜Spain
  • JOYFUL, JOYFUL
  • Georgia On My Mind
  • Jupiter
  • What a Wonderful World
▼Precious Time
(写真をクリックすると動画を再生します!)

Life is very short and there’s no time

2024-12-10 16:58:45 | 音楽芸能
 昨日は師走恒例の親戚挨拶回りをした。今年は親戚の不幸も多く、人生の儚さを感じることが多かった。同じ時代を生きて来た親戚も同じように高齢化していたことを今さら思い知らされた。

 僕が大学3年の頃、ビートルズの「We Can Work It Out」という歌をラジオでよく聞いた。今でもビートルズナンバーの中では最も好きな曲なのだが、それはジョン・レノンが作ったというサビの部分の歌詞

 "Life is very short and there's no time for fussing and fighting my friend."

が強く心に残ったからだと思う。
「人生はとても短い。騒ぎや喧嘩をしているひまなんてない、友よ!」
というような意味だと思う。そしてこのフレーズの終わりかけに、ワルツに転調するところが人生の流転を感じさせて印象深い。
 この曲を初めて聞いてから既に58年。八十路も見えて来た今、あらためてこの歌詞の深い意味に思いを致している。


音楽の力

2024-12-06 17:36:47 | 音楽芸能
 ちょうど3年前の今頃、放送されていた朝ドラ「カムカムエヴリバディ」がお昼に再放送されている。歴代の朝ドラの中でも高い評価を受けているが、その大きな要因は「音楽の力」ではないかと思う。まず物語のテーマでもある「On The Sunny Side Of The Street」は音楽史上に燦然と輝く名曲である。加えてAIが歌うこのドラマの主題歌「アルデバラン」(森山直太朗作詞作曲)は朝ドラ主題歌の中でも傑作中の傑作。この二つの「音楽の力」は圧倒的である。

 映画もテレビドラマも音楽についての考え方は基本的に同じだと思うが、2013年1月にNHK Eテレで3回にわたって放送された「スコラ 坂本龍一 音楽の学校 ~映画音楽編~」では映画音楽の技法をアカデミックに説明してくれた。
 映画音楽というのは、記憶の中の映画を具体的にイメージする媒体として、映画そのもの以上に愛着が強い。僕の70年に近い映画鑑賞歴を通じて経験的に知っていたことを、「スコラ 坂本龍一 音楽の学校」ではひとつひとつ腑に落ちる説明が加えられた。
 例えば、キャラクターを際立たせるための「ライトモチーフ」の技法だとか、雰囲気を盛り上げる「アンダースコア」の技法などだ。小学生の頃から映画館通いを始めた僕は、「風と共に去りぬ(1939)」のヴィクター・フレミング監督と音楽のマックス・スタイナー。「北北西に進路を取れ(1959)」のアルフレッド・ヒッチコック監督と音楽のバーナード・ハーマン。「シェーン(1953)」のジョージ・スティーブンス監督と音楽のヴィクター・ヤング。「荒野の決闘(1946)」のジョン・フォード監督と音楽のアルフレッド・ニューマン。「赤い河(1948)」のハワード・ホークス監督と音楽のディミトリ・ティオムキン等々、セットで憶えていたことを思い出す。
 音楽は映画やテレビドラマのクォーリティを決定づける最重要のファクターであることはずっと変わらないだろう。

   ▼ルイ・アームストロング「On The Sunny Side Of The Street」


   ▼AI「アルデバラン」

Write Myself A Letter

2024-12-05 22:40:39 | 音楽芸能
 郵便局の年賀状プリントサービスのポスターを見て、あゝもうそんな時季かと思う今日この頃、喪中はがきも届き始めた。高齢化社会の表れか、「年賀状じまい」の年賀状テンプレートまであるようだ。今はほとんどパソコンで年賀状作成しており、あまり負担にも感じないので体がゆうことを聞く間は年賀状は続けようと思う。年賀状が届かなくなった正月はそれは随分寂しいに違いない。

 年賀状の季節になると聞きたくなるのがジャズのスタンダードナンバー「手紙でも書こう」(I'm Gonna Sit Right Down and Write Myself a Letter)という曲である。愛しい人から自分あての手紙を自分で書こうという切ない曲なのだが

    ♪ 腰をかけて自分宛に手紙でも書こう
      そして君からその手紙が来たつもりになろう

   ▼ペリー・コモ(I'm Gonna Sit Right Down and Write Myself a Letter)


   ▼ニューオリンズ・ストンパーズ(I'm Gonna Sit Right Down And Wright Myself A Letter)

山中節と「虚空遍歴」

2024-11-29 20:05:46 | 音楽芸能
 今日、RKK熊本放送で放送された「水戸黄門 第23部 第12話」の舞台は温泉で知られた山中(現石川県加賀市)。劇中、村娘によって地元の民謡「山中節」が唄われる。
 去り行く黄門主従を送る「山中節」の唄声を聴きながら、だいぶ前に読んだ山本周五郎の代表作ともいわれる「虚空遍歴」を思い出した。
 この物語は、武士の身分を捨て端唄で人気を得た中藤冲也が、浄瑠璃作家として成功しようと苦闘し、ついには客死する半生を描いた作品。沖也のあてどもない浄瑠璃行脚の旅の中に山中温泉の場面がある。
 三味線音楽の大御所・本條秀太郎さんは50年ほど前に「山中節」をモチーフとして俚奏楽「雪の山中」を創作された。さらに本條秀太郎さんは、自らが創った「雪の山中」と、山本周五郎の「虚空遍歴」の世界観に共通するものを感じとり、「虚空遍歴」に登場する冲也を献身的に支える芸妓おけいを主役とした舞台劇「松廼家おけい」も創作された。
 実は山本周五郎が創作した中藤冲也という人物のモチーフとなっているのがアメリカの作曲家でおなじみスティーブン・フォスターだという。あの「おおスザンナ」「オールド・ブラック・ジョー」などのフォスターである。
 なお、今年8月他界された松岡正剛さんが「松岡正剛の千夜千冊」の中に「山本周五郎 虚空遍歴」を残しておられるので興味のある方はぜひ。

   山中節


   俚奏楽「雪の山中」

映像に字幕を付けよう!

2024-11-14 20:24:25 | 音楽芸能
 現在、YouTubeマイチャンネルには公開・非公開合わせて837本の動画をアップしている。自分の歳を考えると、これからそう多くの動画をアップできるわけではない。僕が生きた時代(特に平成)の文化の記録として残すため、既存の映像を可能な限りブラッシュアップしたいと考えている。具体的には字幕がない映像に字幕を付けたり、可能ならば解像度も上げたい。
 字幕なしの映像もまだまだ多いが、字幕を付けて再アップするとアクセス数が劇的に変わることもあり、それを楽しみに頑張ってやってみたい。 

   ◇字幕を付けた映像


   ◇字幕を付けていない映像