夏目漱石の小説「草枕」のベースとなったのは小天温泉への旅行だが、実は漱石は三度、小天温泉を訪れている。小説では主に、二度目の明治30年(1897)の暮れから31年の正月にかけての旅をもとに描かれているといわれる。
最後の三度目は、同じく明治31年の初夏、夏みかんが実る頃で、この時は早朝から日帰りで、いつも一緒の山川信次郎を含む5人連れ。小天湯の浦で昼食をとり、前田案山子の本宅を訪れた後、前田卓(那美さんのモデル)の案内で岩戸観音がある霊厳洞や鼓ヶ滝を見物し、鎌研坂を通って熊本に帰ったという。この三度の小天旅行の体験が小説に織り交ぜてあるのかもしれない。
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岩戸の里は今日も夏みかん栽培が盛んに行われている。
岩戸観音像が安置されている雲巌禅寺の奥の院「霊巌洞」。平安時代の閨秀歌人檜垣が日参し、また宮本武蔵が「五輪書」を著した場所としても知られる。
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歌枕として古くから知られた鼓ヶ滝
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行きも帰りもこの鎌研坂を通った。
最後の三度目は、同じく明治31年の初夏、夏みかんが実る頃で、この時は早朝から日帰りで、いつも一緒の山川信次郎を含む5人連れ。小天湯の浦で昼食をとり、前田案山子の本宅を訪れた後、前田卓(那美さんのモデル)の案内で岩戸観音がある霊厳洞や鼓ヶ滝を見物し、鎌研坂を通って熊本に帰ったという。この三度の小天旅行の体験が小説に織り交ぜてあるのかもしれない。
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岩戸の里は今日も夏みかん栽培が盛んに行われている。
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歌枕として古くから知られた鼓ヶ滝
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行きも帰りもこの鎌研坂を通った。