徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

にっぽん縦断 こころ旅

2025-01-22 22:30:07 | テレビ
 「にっぽん縦断 こころ旅 2024秋 熊本編」2日目は玉名市から長洲町の「長洲港」を目指す。旅人は火野正平さんのピンチヒッター坂上忍さん。
 今から16年前、3歳の孫にカモメを見せようと夏休みに長洲港に連れて行ったものの、季節外れで渡り鳥のカモメはいなかったという女性の願いを叶えるため長洲港をめざす坂上さん。
 出発地点は玉名市小浜の菊池川右岸。菊池川堤防の道を下流方向へ自転車を走らせるのだが、この道は僕にとって思い出深い道。僕が幼い頃、高瀬駅(現玉名駅)から大浜町の母の生家までの約3kmを母に手を引かれてくてく歩いた道である。道沿いに木蝋生産の名残であるハゼ並木が続く。寛文年間から熊本藩ではハゼが特産品奨励として植栽されて木蝋生産が盛んに行われ、藩の財政を支えた。現在は木蝋生産は行われていないが、秋には美しく紅葉するハゼ並木が市民に親しまれている。
 ハゼ並木をしばらく走った後、右折して長洲へ向かう畦道に自転車を進める坂上さん一行。出会った住民たちと触れ合ったり、途中の食堂で昼食をとったりしながら長洲港に到着。驚くほどのカモメの群れに出会い、依頼者の手紙を読んで目的達成となった。
 そんな様子を見ながら、僕はなぜか海達公子の詩を思い出していた。


旅人は坂上忍さん


菊池川右岸のハゼ並木を進む


今日のコース


長洲港にはカモメが群れていた

▼海達公子の詩「川口」

懐かしい風景

2025-01-21 21:25:41 | テレビ
 テレビ番組の中で好きなジャンルが旅番組。見ていて行ったことがある町や風景が出てくるとなんだか嬉しくなる。
 今日見たのはNHK-BS「六角精児の呑み鉄本線・日本旅」選と、BSテレ東「ローカル路線バス乗り継ぎの旅W」の2本。

 「六角精児の呑み鉄本線」は冬の野岩鉄道&会津鉄道だったが、ゴール地点の西会津に近づくと車窓から冠雪した会津磐梯山が美しい姿を見せる。磐梯山を初めて目にしたのは高校1年の会津若松国体の時だから、もう64年も前になる。その後、那須在勤の頃、会津若松を二度訪れていつも変わらぬ磐梯山の姿を拝んだものである。


会津磐梯山

 一方の「ローカル路線バスの旅」は女性3名で挑む新シリーズ。赤江珠緒・高城れに・三船美佳の3人が日光・中禅寺湖をスタートし3泊4日で千葉県房総半島最南端の野島埼灯台を目指す。
 僕は彼女らが通った鎌ヶ谷に悲しい想い出がある。東京本社に勤務していた40数年前、机を並べていた新入女子社員が心臓系疾患で突然死した。鎌ヶ谷から通勤していた彼女のご自宅でのお葬式にも参列した。無性に悲しかった出来事が想い出された。


左から三船美佳・高城れに・赤江珠緒の皆さん

     「六角精児の呑み鉄本線」のバックで流れていたライ・クーダーの「I Got Mine」

ローカル路線バスの旅

2025-01-07 21:33:14 | テレビ
 今夜の「ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z」(BSテレ東)は、岐阜城をスタートし、鳥取砂丘がゴールという過酷なコース。旅人は、俳優・田中要次と芥川賞作家・羽田圭介および女優&タレントの村井美樹という顔ぶれ。結果はゴールへ向かう最後のバスに乗り遅れ失敗した。
 今日のコースで興味深かったのは琵琶湖を反時計回りする部分。その昔、僕が彦根在勤の頃、リクルートで高校巡りしていた時とほぼ同じコースを回っていた。もちろん僕の場合は車運転だから、バス旅のような制約はなかったのだが、何度も同じコースを回ったので、今日のバス旅を見ながら、いつか見たことのある風景だなぁと思いながら番組を見ていた。
 下に思い出の風景写真を掲載してみた。関ヶ原方面から米原へやって来る途中の醒井宿は地蔵川の梅花藻(ばいかも)が人気スポット。北国街道木之本宿は木之本地蔵院の門前町として栄えた風情ある町。湖西に回り高島までやって来ると白髭神社の湖中大鳥居が見えてくる。そして近江八景のひとつ「堅田の落雁」で知られる堅田の満月寺浮御堂。
 なお、番組中「急がば回れ」という諺は琵琶湖が起源という話が出ていたが、
「武士(もののふ)の矢橋の舟は早くとも急がばまわれ瀬田の長橋」
という古歌が始まりという。矢橋から舟で琵琶湖を渡るより、遠回りでも瀬田の長橋を回ったほうが安全で確実ですよという意味。


醒井宿の梅花藻(米原市)


北国街道 木之本宿(長浜市)


白髭神社 湖中大鳥居(高島市)


堅田の浮御堂(大津市)

「山名屋浦里」 の話題

2025-01-04 11:33:58 | テレビ
 1月2日の朝からgooブログがシステムトラブルで全く繋がらなくなり、そのせいか2日のブログアクセス数は半減。昨日3日はどうなっただろうとアクセス解析を開いてみると、なんと前日の倍増という結果に。滞っていた分の加算でも行われたのかなと思ったが、アクセスされたページを見て「ハハーン!」と気付いた。それはこれまで度々アップした「山名屋浦里」に関する記事がズラリ。
 昨夜放送されたNHK総合「タモリと鶴瓶の新春特番」の中で「山名屋浦里」が話題になった。2023年の「タモリと鶴瓶の新春特番」でも話題になり、この時もブログへのアクセスが急増したことがあった。ブラタモリの「江戸の盛り場 ~吉原編~」のロケの時、タモリが現地で聞いた話をもとにした鶴瓶の新作落語「山名屋浦里」が話題となったのはもう10年前。さらにその翌年には新作歌舞伎「廓噺山名屋浦里」として上演されたことも話題になった。今こうしてまたブログへのアクセスとして恩恵を受けるとは思いもしなかった。


▼これまでアップした「山名屋浦里」に関するブログ記事

ブラタモリのレギュラー復活

2024-12-21 20:06:44 | テレビ
 ブラタモリが再びレギュラー番組に復活するそうだ。NHKの看板番組だったわけで、このコンテンツを手放すのが惜しくなったのだろうか。
 内容的に見直して再出発するらしいが、2015年に第4シリーズが始まって以来、徐々に内容がアカデミックに偏り過ぎていった感もあり、バラエティ的な要素とのバランスを見直していただきたい。
 かつての教養バラエティの色彩が強かった一例として、第3シリーズの「江戸の盛り場 ~吉原編~」(2012年1月12日放送)の概要を再掲してみた。

▼江戸の盛り場 ~吉原編~
 案内人は立教新座中学校・高等学校校長兼立教大学名誉教授の渡辺憲司さん。
 「吉原は江戸の流行の発信基地」とかなんとか言いながら、舟で吉原を目指す。柳橋から隅田川を北上、浅草を通過して吉原へと向かう。そこで一句
  「船宿へ家の律儀は置いてゆき」
 つまり、恥も外聞も打ち捨ててというわけか。かつて使われたのは猪牙船(ちょきぶね)。「猪牙船 小便千両」と言って、相当金をつぎ込まないと舟上に用意された竹筒へ小便ができるようにはならないという。
 隅田川の西岸に見えてくるのが「首尾の松」。江戸時代から数えて七代目の松。
  「濡れてしっぽり首尾の松」
などと、同伴した芸者といい雰囲気になると、まさに「浮かぶラブホテル」状態。
 やがて舟は吾妻橋を通過。江戸時代、一日三千両(朝は日本橋、昼は浅草、夜は吉原)の金が動くと言われたというエピソードを聞く。当時は「吉原細見」というガイドブックがあったという。
 舟は今戸橋付近に到着。舟を降り、待乳山聖天にお詣り。夫婦和合の御利益がある大根を購入。新婚の久保田祐佳アナに進呈するも大根は聖天様にお供え用。
 今では暗渠となった隅田川の支流の跡を辿って歩いて吉原へ。
 女性の観光客もこぞって吉原へ来た理由。それは遊女の斬新な着物や化粧などを一目見たかったから。つまり吉原は流行の発信基地。遊女が髪を洗うのは月に一回。遊女には厳然たる階級があり、江戸中期、二千人いた遊女のうち十人もいなかったのが太夫。美貌はもちろん高い教養が求められ、なんと時計を直せるかどうかまで求められたという。
 紙洗橋に差し掛かると「冷やかし」の話。ここにはかつて再生紙の職人たちがいて、再生紙を溶かして冷やす。冷ます間にちょっと吉原の遊女をからかいに、これが「冷やかし」の語源だという。
 暗渠と並行して走る土手を日本堤という。水害から守るために作られた人工の堤防。八代将軍吉宗の時代から8代続くという提灯屋「土手大嶋屋」へ立ち寄る。
 かつて遊客が振り返って名残を惜しんだという「見返り柳」は江戸から六代目。大きく曲がった道の先に吉原大門があり、そこからの直線道路が仲之町通り。
そんな感じで吉原探訪が進んでいく。


久保田アナ・渡辺教授・タモリそして太夫


葛飾北斎の娘、葛飾応為の代表作「吉原格子先之図」※「冷やかし」が集まる「吉原格子先」

「冷やかし」も集まる吉原のさざめきを唄う長唄「吉原雀」。(明和五年(1768)の成立)

水都 新潟

2024-11-26 21:15:15 | テレビ
 今夜NHK-BSで放送された「新日本風土記 ~水都 新潟~」は思い出のある地でもあり、興味深く見た。おおむね次のようなキーワードがあったと思うが、それぞれの感想はまた別の機会に述べたい。
  • 大河河口の湿地帯
  • 新潟港と中古車ビジネスのパキスタン人
  • 信濃川に架かる萬代橋
  • 老舗料亭の「古町」と「古町芸妓」
  • 横田めぐみさん
  • 北朝鮮帰国事業
  • 下駄踊り
  • 鳥屋野潟
  • 鎧潟(よろいがた)etc.



   ◇番組内でも紹介された「新潟小唄」


   ◇番組中、度々アンダースコアとして使われていた「The Streets of Laredo」

復活ブラタモリ第1夜 ~大津絵節~

2024-11-02 21:40:10 | テレビ
 今夜は復活ブラタモリの第1回。徳川幕府が開いた東海道大津宿から五十三次と別れて大坂へ向かう五十七次の伏見宿まで。旅の内容は2・3回と合せて後日まとめたいと思うが、今日はタモリさんもチャレンジした「鬼の絵」、大津宿名物・大津絵にまつわるはなし。

 大津絵とは、江戸初期に、東海道五十三次の大津宿(大津の追分、大谷)で軒を並べ、街道を行き交う旅人等に縁起物として神仏画を描き売ったのがその始まりといわれる。
 そもそも大津絵は、「大津絵の筆の始は何仏」という芭蕉の句が残っているように、旅人のお守りとして作られた仏画が始まりだという。旅の土産として人気が出ると「藤娘」のような風俗画も描くようになり益々人気を博して行った。江戸中期になると、これら人気の大津絵を題材とした「大津絵節」を大津の遊女たちが歌い始め、これが街道を往来する旅人たちによって各地に伝えられていった。


絵師の指導でタモリさんが鬼の絵にチャレンジ

大津絵の代表的な「鬼の寒念仏」と「藤娘」


あいみょんが「ブラタモリ」のナレーションを!

2024-11-01 18:01:53 | テレビ
 明日から三夜連続で放送される「ブラタモリ」のナレーションを若手シンガーソングライターのあいみょんが担当するらしい。草彅剛のナレーションが長かったので唐突な感じがしないでもないが、いろんな事情があるのだろう。
 「ブラタモリ」のイメージから、はたしてあいみょんはどうなの?という反応もあるらしいが、タモリとあいみょんは以前から相性がいい。5年前の「タモリ倶楽部」(テレ朝)では、作詞する際に官能小説からインスパイアされることが多いというあいみょんが出演して官能小説について語っていたし、4年前の「タモリ倶楽部」でも春画通だというあいみょんが出演して「第1回春画脇役大賞」なる企画で通ぶりを発揮していた。また、3年前の正月「ブラタモリ」と「鶴瓶の家族に乾杯」のコラボ番組にも出演し、おじさんからの愛されキャラぶりを見せていた。タモリはジャズなど音楽の造詣も深いし、永い芸能生活を通じた独特の世界観にあいみょんも得るものが多いかもしれない。



明日注目の番組

2024-09-24 21:37:03 | テレビ
 明日夜、Eテレで放送される「NHKアカデミア 中満泉(前編)瀬戸際に立つ世界」は見逃せない。
 日本人女性初の国連事務次長・中満泉さんがガザ紛争、ウクライナ軍事侵攻など困難に直面する世界を国連はどう受け止め、どのように乗り越えようとしているのか、舞台裏の交渉を率直に語る。
 明日はその前編が放送される。
 9月25日(水) 午後10:30〜午後11:00

 中満さんは東京のお生まれだが、ご両親は熊本市の出身。熊本市中央区の大学予備校「壺溪塾」の木庭順子理事長はご親戚にあたるそうで、そのご縁で昨年、「壺溪塾」での講演が実現したそうである。
 なお、この番組の制作を担当したのがNHK熊本局のNデスク。実はわが家の菩提寺である浄照寺さんの御子息で僧籍もあり、お父上に代わってわが父の月命日にお経を上げに来られたこともある。


ブラタモリの復活!

2024-09-17 18:34:51 | テレビ
 今年3月、レギュラー放送が終了した「ブラタモリ」(NHK総合)が、8ヶ月ぶりに復活する。しかも初の3夜連続。11月2日(土)、3日(日・祝)、4日(月・振休)に放送されるという。

 今回は「道」がテーマ。江戸時代に整備された京都から大阪への“ある道”を歩きながらそれぞれの街の魅力や個性を探っていく内容だという。今回のパートナーは広島局の佐藤茉那アナウンサー。


タモリと佐藤茉那アナ

 番組の復活もさることながら、今回嬉しかったのは、2020年に熊本放送局に初任配置された佐藤茉那(さとうまな)さんがパートナーを務めること。熊本局で新人時代を送ったアナウンサーでブラタモリのパートナーを務めるのは近江友里恵さんに続いて二人目。佐藤さんは熊本着任早々のニュース読みなどもしっかりできていて物おじしない印象があったのは、学生時代バトントワリングをやっていたせいかなと思っていた。いずれはNHKの看板番組を背負うのではないかと期待していた。今回の抜擢をステップに大きく飛躍してほしい。


四国 花遍路

2024-06-25 21:38:50 | テレビ
 今夜のNHK‐BS 新日本風土記は「四国 花遍路」。
 お大師様(弘法大師空海)ゆかりの四国八十八ケ所の霊場を巡る遍路。春はお遍路さんにとって、各札所の境内や遍路道も花であふれる。そんな花々に彩られた遍路道を歩くお遍路さんたちや迎えるお接待の人々。それぞれの人生が交錯する春の遍路を描く。
 番組中に童謡・唱歌の「花の街」が流れた時、胸にぐっと来るものがあった。



歌:倍賞千恵子 作詞:江間章子 作曲:團伊玖磨


女子アナの転勤

2024-03-26 19:07:43 | テレビ
 熊本は今日、桜開花宣言があった。春は転勤の季節でもある。NHK熊本放送局のアナウンサー佐藤茉那(さとうまな)さんが広島局に転勤となったそうだ。彼女が熊本に初任配置されたのはたしか2020年6月だったと思う。僕が熊本に帰って以降、熊本局に初任配置された新人女子アナは、渡邊佐和子さん、池田伸子さん、近江友里恵さん、石橋亜紗さん、畠山衣美さんに続いて6人目だった。先輩方よりも1年ほど長い熊本勤務だったと思う。コロナ騒動などが影響したのかもしれない。彼女は着任早々のニュース読みなどもしっかりできていた。例えて大変失礼だが、今、お昼のNHKニュースなどを堂々と担当している池田伸子さんなどは、最初はとても危なっかしくて見ているこちらがハラハラしていた憶えがある。それに比べると佐藤さんは最初から落ち着いていて、物おじしないところは、学生時代、バトントワリングをやっていたせいかなと思ったりしたものだ。ちょっと残念だったのは熊本放送局の千葉城時代は、池田さん、近江さんなど出退勤時の姿を見かけることがあったが、花畑町に移ってからはそんなチャンスもなくなった。
 それはさておき、広島局でも経験を積んでいずれはNHKの看板番組を背負うアナウンサーに育ってほしい。ずっと応援しています!

ブラタモリが終わるってよ!

2024-02-16 20:40:51 | テレビ
 今年度末(3月末)を以てNHKの人気番組「ブラタモリ」が終了するという。2009年10月に始まったこのシリーズは第1シリーズから第4シリーズまで、パイロット版も含めるとこれまで合計317本、そのほとんどを見た。この1年ほどは正直、そろそろいいかなと思っていたが、いざ終わるとなると名残り惜しさが募る。タモリの後継者の話もチラホラあるようだが、同じ役割を担う人材となると簡単には見つからないだろう。
 これまで見た中から、個人的に印象に残る3本を選んでみた。

江戸の盛り場 ~吉原編~
(第3シリーズ 2012年1月12日放送 アシスタント:久保田祐佳)


 立教新座中学校・高等学校校長兼立教大学名誉教授の渡辺憲司さんの案内で番組が進行する。「吉原は江戸の流行の発信基地」とかなんとか言いながら、舟で吉原を目指す。柳橋から隅田川を北上、浅草を通過して吉原へと向かう。「船宿へ家の律儀は置いてゆき」と恥も外聞も打ち捨てて、というわけ。かつて使われたのは猪牙船(ちょきぶね)。「猪牙船 小便千両」と言って、相当金をつぎ込まないと舟上に用意された竹筒へ小便ができるようにはならないという。やがて、隅田川の西岸に見えてくるのが「首尾の松」。江戸時代から数えて七代目の松。「濡れてしっぽり首尾の松」てな調子で舟は吉原を目指す。この回の取材から笑福亭鶴瓶の新作落語「山名屋浦里」やそれをもとに新作歌舞伎「廓噺山名屋浦里」が生まれた。


熱海 ~人気温泉地・熱海を支えたものは?~
(第4シリーズ 2016年1月16日放送 アシスタント:桑子真帆)


 ブラタモリ史上No.1の美女の呼び声高い京都府立大学で都市史がご専門の松田法子先生が初登場。その後、有馬温泉編や別府温泉編にも登場された。桑子真帆アナがアシスタントとなって1年、タモリとの息もピッタリ。
 日本を代表する温泉地として、年間600万人の観光客が訪れる静岡県熱海市。江戸時代より前は、知る人ぞ知る小さな漁村にすぎなかったという熱海が、いまのような巨大な観光都市となりえたのは、熱海を支えたものは何だったのか?。何が熱海の発展をもたらしたのか? 熱海のお湯の秘密をひもとく鍵は、断崖絶壁に建つ巨大温泉ホテルから見る絶景にあった?三方を山に囲まれた、傾斜ばかりの地形を巧みに利用した江戸時代の温泉街の工夫とは?さらに、とある旅館の倉庫から「謎の版木」を発見!タモリが刷ってみると、そこに描かれていたものは!?


水の国・熊本 ~“火の国”熊本は“水の国”?~
(第4シリーズ 2016年4月2日放送 アシスタント:桑子真帆)


 熊本県立第一高校の校内にある「ASO-4」火砕流堆積の露頭から始まり、水前寺公園へ移動。まず、住宅地を流れる川岸から湧き出す清水に驚き、天下の名園「水前寺成趣園」へ。池の底から湧き出す水。その秘密を探りにとある地点へ。そこは阿蘇から続く台地のヘリにあたる場所。雨水が浸透しやすい火砕流堆積で濾過され、台地のヘリである水前寺辺りで水が湧き出す仕組みに納得。
 しかし、熊本の豊かな水の秘密はそれだけではない。それを探りに健軍水源地へ。そこにはなんと自噴する井戸が。タモリも初めて見たという。その水はどこから来るのか。実は「ASO-4」の下に「ASO-1」から「ASO-3」までの巨大な水がめがあるという説明に驚く。
 この後、タモリ一行は街中に戻り、加藤清正による治水の巨大プロジェクト、大蛇行する白川の河川改修の痕跡を見る。さらに菊陽町の「鼻ぐり井手」へ行き、コメを飛躍的に増産させたという清正の巧みな利水技術を知る。こうして熊本が水の国であることを認識する。熊本地震の直前、そして桑子アナのラスト出演という思い出も残る。

「今朝の秋」再び…

2023-12-30 17:37:33 | テレビ
 昨日深夜、NHK-Gで「山田太一さんをしのんで ドラマスペシャル『今朝の秋』」が放送されたた。このドラマは1987年に初回放送されたが、その後の再放送も含め観るのは今回で5回目ではないかと思う。個人的には不動の「オールタイム・ベスト1ドラマ」である。初回放送から36年経った今日でも新鮮な感動がある。原作・脚本が山田太一、演出が深町幸男、音楽が武満徹という超一流のスタッフに加え、笠智衆、杉村春子、杉浦直樹、倍賞美津子、樹木希林、加藤嘉、名古屋章、谷村昌彦ほかのキャスティングは絶妙だ。当時、社会問題となりつつあった家庭の崩壊、老いや病いと人生観、老々介護など今日的な問題が丹念に描かれている。
 このドラマの中で僕が最も好きなシーンは、年老いた父(笠智衆)が、癌で余命いくばくもない一人息子(杉浦直樹)を入院先の病院から連れ出し、蓼科の山荘で最後の日々を過ごさせてやるのだが、そこで父と息子が初めてしみじみ語り合うというシーンだ。

息子「病気も悪いことばっかりじゃあないな。元気じゃ、お父さんとこんなこと、絶対ないもんな」
 父「うむ」
息子「忙しがってて」
 父「うむ」
息子「とても、救われたな」
 父「――」
息子「こんな気持のまま、死ねるとは思えないけど」
 父「――」
息子「まだ、きっとジタバタするだろうけど、なるべく、見苦しく、ないように、したいな」
 父「――」
息子「――」
 父「案外、わしの方が早いかもしれんよ」
息子「そんなことはないだろうけど」
 父「多少の前後はあっても、みんな死ぬんだ」
息子「そうだね、みんな死ぬんですよね」
 父「特別のような顔をするな」
息子「フフ、いうな、ずけずけ。しかしね、フフ、こっちは五十代ですよ、お父さんは八十じゃない。そりゃあ、こっちは、少しぐらい、特別な顔をするよ。フフ(顔歪んで、泣いてしまう)」
 父「――」
息子「(泣いている)」
 父「(涙が湧いてくる)」

 息子が寝た後、父親の笠智衆さんが一人手酌で酒を飲みながら熊本民謡「田原坂」を口ずさむのも泣かせる。
※2013.6.10の記事「今朝の秋」ふたたび・・・ を再編集したものです。

ブラタモリ宇和島編

2023-12-09 21:27:29 | テレビ
 今夜のブラタモリは四国・宇和島編。個人的に興味がある地域だった。それは15年前、妻と二人で四国旅行をした時、回り切れなかったのが四国の西側地域だったから。大分の佐伯からフェリーで高知の宿毛に渡り、太平洋沿いに反時計回りに旅した。高知―徳島―香川と回り、愛媛は松山まで行った後、今治からしまなみ海道で広島の尾道に渡った。実は愛媛は内子座や高校水球で対戦していた大洲高校や宇和島城など行ってみたいところがいくつかあった。しかし、スケジュールがタイトで断念したのが心残りだった。
 今夜ブラタモリで見た宇和島は、僕が抱いていたイメージと大きく異なっていた。それは、宇和島は温暖な気候のもと、豊かな田園が広がっているというイメージだったからだ。番組のキーワードだった「ギザギザ」のリアス式海岸。山が海に迫り、平地は限られ、米が作れない厳しい農業環境にありながら見事な石積みの段畑を築き上げたさつまいも畑。一方、「ギザギザ」を活用した豊かな漁業。いずれもが新鮮な驚きだった。チャンスがあればぜひ行ってみたいものだ。