日本も“バンクーバー五輪”フィーバー状態のようだ。というより、メディアによって盛り上げさせられていると言ったほうが正しいかもしれない。しかし、僕は今いち乗れない。なぜなら、冬季五輪の種目の中で一番興味があるアイスホッケーに、日本が出場していないからだ。若い頃、アイスホッケーの試合を見るのが大好きで、東京在勤中は、会社の帰りに品川で途中下車して、プリンスホテルのリンクで日本リーグを見るのが楽しみだった。
ところで日本のアイスホッケーは1998年の長野五輪以来、五輪から遠ざかっている。長野五輪も開催国枠で出場できたわけで、自力で出場権を取ったのは、なんと1980年のレイクプラシッド大会以来無い。そのレイクプラシッド大会といえば思い出すのは「ミラクル・オン・アイス」つまり「氷上の奇跡」と言われた、アイスホッケーでアメリカが当時のソ連を破ったゲームだ。当時はまだ五輪にはプロの出場が認められていなかったので、西側のチームがソ連を破ることなどありえないと言われていた。それほど当時のソ連は強かったのだが、これをなんとアメリカの大学生チームが、激戦の末4対3で破ってしまった。手に汗握るとはまさにこのことというようなスリリングな試合だった。後に映画化もされたほど、センセーショナルな出来事だった。おそらく後世まで伝説の試合として語り継がれるだろう。

“ミラクル・オン・アイス”を達成した瞬間のアメリカチーム(1980.2.22)