徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

「肥後の殿様」 ~ 豪華絢爛な大名行列 ~

2011-06-30 16:47:03 | 音楽芸能
 4、5月の毎週末の夕べ、熊本城本丸御殿で行われた「春の宴」。僕は結局、「ザ・わらべ」の出演日を中心に計7回観に行った。そこで聴いた数々の和楽の中で僕のベストワンは、本條秀美さん(本條流直門師範)が唄った「肥後の殿様」だ。本條流家元の本條秀太郎氏の作詞・作曲によるもので、肥後細川藩の参勤交代における豪華絢爛な大名行列の様を歌ったものだ。肥後藩の飛び領だった大分県鶴崎の剣八幡宮に所蔵されている大名行列絵図を見ながらこの唄を聴いていると、権勢を誇示するため可能な限りのショーアップをしながら、千数百名を従えて、江戸まで約50日間の旅をした往時の細川のお殿様と家来たちの姿が目に浮かぶようだ。
     
      ♪九曜のご紋に蒔絵駕籠
         さても見事じゃないかいな
           下にぃ 下にぃとお通りじゃ・・・


武士とメレンゲ

2011-06-29 16:57:01 | 水球
 熊本には肥後細川藩時代の1700年代の初め頃から始まったと言われる「小堀流踏水術」という古式泳法が今日まで受け継がれている。川や海など水の中でも戦える武術の一つとして始められたもので、泳法としては立ち泳ぎや抜き手、浮き身などがあるが、中でも基本中の基本は立ち泳ぎだ。この立ち泳ぎの技術は、水球やシンクロナイズド・スイミングの基礎技術である「巻き足」と全く同じである。水球という競技がイギリスで始められたのは1800年代の後半で、今日と同じような基礎技術が確立したのは1800年代の終わり頃といわれているから、立ち泳ぎの泳法を覚えたのは日本の方が200年ほど早かったわけだ。この立ち泳ぎのことを英語で「トレディング・ウォーター」、通称は「エッグ・ビーター」という。「エッグ・ビーター」というのは、もともとボウルに入れたなま卵をかき混ぜる、棒の先に針金が何本も丸められたあのお馴染みの調理器具のことだ。つまり、巻き足の足のまわし方が「エッグ・ビーター」で卵をかき混ぜる動作を連想させることから、こう呼ばれるようになったらしい。その昔、小堀流踏水術の修練に励んだお侍さんたちも、300年後、その武術をメレンゲづくりの道具のように呼ばれることになるとは思ってもみなかっただろう。


なでしこJAPAN 初戦飾る! ~ 女子W杯サッカー ~

2011-06-28 15:08:19 | スポーツ一般
 今大会のなでしこJAPANの帰趨は初戦で決まると思っていたので、ニュージーランドを破り、まず勝点3を取れたことは喜ばしい。良い面も沢山あったが、前半すぐに同点とされた場面は守備のもろさを露呈し、今後の不安をのぞかせた。3日後のメキシコ戦はタフな試合になるだろうが、オフェンスでは負けていないと思うので、ディフェンスの連携をもう一度整備して臨んでもらいたい。頑張れ!大和なでしこたち!


前半6分、大野から永里へ絶妙のスルーパスが通り、永里が先取点となるゴールを決める。


後半、大野に代わって出場した岩淵が鋭いドリブルを仕掛け、相手の反則を誘う。


岩淵が得たフリーキックを宮間が見事に直接ゴールし、決勝点をもぎ取る。

「JIN - 仁 -」最終回

2011-06-27 12:11:54 | テレビ
 ドラマ「JIN - 仁 -」が完結した。僕は原作の漫画は読んでいないが、原作のエンディングとはかなり違っているらしい。ネタバレになるといけないので詳しくは書けないが、僕はテレビドラマのエンディングはあれでよかったと思う。仁と咲は結局結ばれなかったけれど、手紙という媒体によって140年の時空を超越し確かに心が通い合うというのはロマンがあって良い。ただ、平井堅の主題歌「いとしき日々よ」がかぶさってくると「セカチュー」を思い出してしまったのは僕だけだろうか。大沢たかおに綾瀬はるかという映画版とTV版の「セカチュー」出演者だったこともあるのだが。そういえばTV版の「セカチュー」と「JIN - 仁 -」は脚本も演出もプロデュースも同じ人だから当然といえば当然か。最終回の視聴率も26.1%と高かったようだし、今回の成功が今後の企画にどう生かされるかは注目だ。


山口県民謡「男なら」 ~ 幕末の長州女性の唄 ~

2011-06-26 19:36:41 | 音楽芸能
 今日の「るり色の砂時計」(KBC九州朝日)では山口県萩市を紹介していた。萩には、防府に住んでいた時も含め、何度も訪れているが、実に風情のある大好きな町だ。番組の中で萩八景遊覧船の船頭さんが地元の民謡「男なら」を披露していた。久しぶりに聴いたが、この唄も僕にとって懐かしい唄だ。高校3年生だった昭和38年の山口国体の時、泊まった美祢市の旅館で地元の女性の皆さんが、この唄と踊りを披露してくれた。それ以来、僕にとって山口県の唄といえば「男なら」なのである。この唄は幕末に起きた長州藩と、英仏蘭米の列強4国との武力衝突「馬関戦争」の際、萩の菊ヶ浜に防衛のための土塁を築いた武家の妻女たちによって唄われたと伝えられている。つまり「男なら」は女性の唄なのである。

  ♪男ならお槍かついで お仲間となって
   ついて行きたや 下の関
   女ながらも 武士の妻
   まさかの時には しめだすき
   鏡じゃ ないかな
   (オオシャリシャーリ)

  ♪男なら三千世界の 烏を死なす
   主と朝寝が してみたい
   酔えば美人の ひざまくら
   さめりゃ天下を 手で握り
   咲かす長州 さくらの花
   高杉晋作さんは 男の男よ
   傑いじゃ ないかな
   (オオシャリシャーリ)


美形アスリートぞろいの女子ハードラーたち

2011-06-26 16:26:12 | スポーツ一般
 最近の女子陸上選手は全般的に美人アスリートが多いが、中でも僕のイチ押しはハードル種目。先日の日本選手権100mハードルで優勝した木村文子始め、上位入賞の伊藤愛里、桐山智衣、石野真美など、また最近ちょっと調子を落としているようだが寺田明日香や既にアイドル並み人気の城下麗奈らもいる。女子のハードルといえば東京オリンピックの80mハードルで決勝進出した依田郁子さんや近年では日本記録保持者の金沢イボンヌさんを想い出すが、ハードルを跳び越えながら走るという競技の特性からか、ある一定水準以上のスタイルの持ち主でないと難しいようだ。だからハードル選手はスタイルのいい人が多い。美人というより美形アスリート集団といったほうがいいかもしれない。昨日の午前中、水前寺競技場で行われた国体の二次予選会を覗いたが、熊本にも美形ハードラーがいる。塩塚あかねさんといって、小柄ながら日本選手権でも決勝に残れるくらいの実力の持ち主だ。高校・大学で活躍した後、社会人となって一時競技から離れていたので、先日の日本選手権では残念ながら予選落ちだったが、今後の復調に期待したい。


先日の日本選手権における女子100mハードル決勝の模様

今日の熊本の話題二つ・・・

2011-06-25 19:58:51 | 熊本
■明日は「6.26」
 午前中の強烈な日差しとはうって変わって、午後から再び梅雨に逆戻り。夕方には一時豪雨となった。明日は僕らの年代には忘れることのできない「6.26」。昭和28年(1953)6月26日、前夜から降り続いた豪雨により、熊本市内の白川、坪井川、井芹川など、ほとんどの川が氾濫、大水害に見舞われ、多くの犠牲者を出した日だ。その日の朝起きたら、わが家から見える坪井川流域が海と化していた。屋根に避難した人を救助するため、小舟が往来していた。あれから58年、東日本大震災の様子を伝える映像は、少し忘れかけていた自然災害への恐怖を再び呼び覚ましたようである。

■「熊本城マラソン」コース案に批判噴出
 熊日新聞によれば、来年3月に行われる同マラソンの実行委員会が市議会に示したフルマラソンのコースに批判が噴出しているようだ。コース案は、通町筋をスタートし、川尻や平成など、市の西南部を巡って熊本城内にゴールする設定となっている。しかし、このコースでは肝心の熊本城が見える所が少なく、名前に似つかわしくないというのが批判の最大理由のようだ。実行委員会としては、交通にできるだけ支障を来さないようなコース設定を考えたようだが、批判派は、「東京マラソン」のように市内を全面交通規制してでも、という気迫が実行委員会に感じられないのが歯がゆいようだ。


58年前はここが海と化した

美空ひばりさんの二十三回忌

2011-06-24 21:29:46 | 音楽芸能
 今日は美空ひばりさんの二十三回忌だったそうだ。早いものだ。ということは平成元年に亡くなっていたわけだ。いかにも昭和の歌姫にふさわしい人生だったんだなぁ。振り返ってみると僕は晩年のひばりさんはテレビなどでもあまり見ていない。やっぱり一番見ていた時期は昭和30年代前半の東映時代劇全盛の頃か。テレビでもよくひばりさんの曲の人気ランキングをやっているが、僕が好きなひばりさんの曲ベストファイブは下記のとおりだ。

   1.港町十三番地
   2.花笠道中
   3.りんご追分
   4.越後獅子の唄
   5.車屋さん

 テレビではだいたい、「川の流れのように」とか「愛燦燦」など、晩年の曲が上位に来るが、僕にとってはやっぱり昭和30年代頃までのひばりさんが想い出深い。


梅雨の晴れ間の山頭火

2011-06-23 20:04:34 | 文芸
 梅雨晴れ間 行く先々の 山頭火   (拙句御免!)

 子ども舞踊団「ザ・わらべ」の演舞で唄や三味線を担当される本條流師範の本條秀美さんは、ご実家が種田山頭火ゆかりの植木町・味取観音堂の堂守をしておられる。「ザ・わらべ」が縁でお知り合いになるまで全然知らなかった。今日、所用で訪問させていただいたが、梅雨の晴れ間の山頭火像は今年一番の暑さに辟易といった様子に見えた。
 僕はもともと種田山頭火の自由詩が特に好きだとか、彼に興味を持つということはなかった。なのに、これまでの人生の中で、なぜか折々に山頭火が登場するのだ。最初は35年前、初めての転勤先防府では、よく通る道に彼の生家跡やお墓がある護国禅寺があったし、海水浴に行く道路沿いには彼の実家がやっていたという酒蔵の跡があった。熊本に帰って来てからは、仕事で度々通る道沿いに彼の分骨墓がある安国禅寺があるし、わが家から歩いて10分のところには彼が出家得度した報恩禅寺もある。そして今度また何の因果か、彼が一時堂守をやっていたという味取観音堂の、現在の堂守さんのご家族と知り合いになった。何かの縁があるのだろうか。

キャンドルナイト

2011-06-23 09:09:25 | その他

 昨日は夏至、そして「キャンドルナイト」の日。夜8時から10時までの2時間、キャンドルハウスさんからプレゼントしていただいた洒落たキャンドルで幻想的なひと時を過ごした。たった2時間、電気を消すだけなのだが、キャンドルの炎をじっと眺めていると、いろんな想いが去来する。来し方行く末etc.、そして、しばらくするとキャンドルの炎が意外に明るいことに気付く。考えてみればこんな炎のあかりで生活していた時代には十分な明るさだったのかもしれない。時々は立ち止まってスローな生活を楽しむのもいいものだ。もちろん、この運動が世界中に定着すれば、たった2時間でも相当な節電効果になるのかもしれない。

野林祐実、覚醒するか!

2011-06-22 18:14:44 | スポーツ一般
 7月6日からフランスのリールで開かれる「第7回世界ユース陸上競技選手権大会」の日本代表に、熊本県からはただ一人、女子短距離の野林祐実(九州学院1年)が選ばれた。九州学院に進学した今シーズンは、故障などもあってまだ昨年出した100mの11秒73どころか、12秒の壁を破れていない。一緒に選ばれた同じ高校1年のライバル土井杏南(埼玉栄高)は今年すでに11秒60を出しており、先日の日本選手権でも4位に入るなど、期待どおりの伸びを見せ、今のところ野林に水をあけた格好だ。それでも野林が代表に選ばれたということは、日本陸連の期待の大きさがわかる。さて、この期待に野林が応えられるか。彼女にとって一つの大きな試練になるだろう。今週末、国体の熊本二次予選会が水前寺で行われるので、彼女の調整状況を注目して見てみたい。
※写真は先日行われた熊本県高校総体100m決勝でトップを走る野林祐実

「ティファニーで朝食を」から半世紀!

2011-06-21 21:26:48 | 映画
 今年は僕が高校に入学した年、すなわち1961年からちょうど50年経つ。半世紀前というのはいったいどんな時代だったのだろうと考えることがある。僕自身は入学と同時に水球の練習に明け暮れる毎日が始まっており、世間の動きについてはほとんど記憶がない。ただ、小学校低学年の頃からの映画好きは益々高じていたから、この年に観た映画だけは憶えている。そんな映画の数々を思い出すと、その時代の空気感のようなものを懐かしく想い出すことができる。この年のナンバーワンはやっぱり、オードリー・ヘップバーンの「ティファニーで朝食を」だろう。その他にも良い映画はたくさん観たが、やっぱり一番思い出深い。
 この映画は「ローマの休日」と並ぶオードリー・ヘップバーンの当たり役となったが、もともとトルーマン・カポーティの原作はマリリン・モンローをイメージして書いたもの。もちろんシナリオはヘップバーンに合わせて書き直されているが、バディ・イブセンが登場するくだりなどはモンローをイメージしてしまう。



   ※その他に観た主な作品
    アラスカ魂:ジョン・ウェインのアクション西部劇
    用心棒:黒澤明の傑作時代劇
    荒馬と女:マリリン・モンローとクラーク・ゲーブルのヒューマン劇
    モスラ:東宝の特撮怪獣もの
    キング・オブ・キングス:キリストの生涯を描いたヒューマン劇
    コマンチェロ:ジョン・ウェインのアクション西部劇
    ウエスト・サイド物語:映画史に残る傑作ミュージカル
    ガールハント:スティーブ・マックイーンのラブ・コメディ
    馬上の二人:ジョン・フォード晩年の枯れた西部劇

肥後キンニョムニョ節

2011-06-20 20:06:49 | 音楽芸能
 しかしまぁ、熊本民謡のタイトルときた日にゃ、「まったくもう~」と言いたくなる。「ポンポコニャ」だの「キンニョムニョ」だの。調べてみたが、意味はないらしい。歌詞も歴史的な事件を織り込んではいるものの、ほとんどナンセンスソングのようだ。「キクラカチャカポコ」っていったい何なんだ。「おてもやん」の中の「アカチャカベッチャカチャカチャカチャ」もそうだが、どうも熊本人は「言葉あそび」が好きな人種らしい。しかもそれを真面目に歌う熊本人は凄いのか、凄くないのか。



   ♪肥後の駒下駄キンニョムニョ 血達磨大川 加藤清正キンニョムニョ
     毒饅頭 キクラカチャカポコ ちょいと来なよ

   ♪片山木陰にキンニョムニ 身は時鳥 焦がれて鳴く声キンニョムニョ
     聞かせたい キクラカチャカポコ ちょいと来なよ

   ♪雨の夕べはキンニョムニョ 降られて帰る 今宵月夜にキンニョムニョ
     照らされた キクラカチャカポコ ちょいと来なよ


 ※本條秀美オフィシャルブログを参照

元祖「会いに行けるアイドル!」

2011-06-19 17:22:43 | 映画
 昭和初期から戦後間もない頃までの20年弱、新宿角筈に存在し、軽演劇やレビューで一世を風靡した「ムーランルージュ新宿座」の記録映画「ムーランルージュの青春」が公開される。この劇場からは、その後、映画、テレビ、演劇などで活躍することになる望月優子、水島道太郎、武智豊子、左卜全、由利徹、三崎千恵子、森繁久彌ら、そうそうたる顔ぶれを輩出している。また、この劇場は明日待子などのアイドルを生み出したことでも知られている。まさに「会いに行けるアイドル」の元祖だ。僕は、かつてそういう劇場があったことは随分前から知っていたが、特に興味を持ったのは、「評伝 海達公子(規工川祐輔著)」を読んでからだ。この中で海達公子が昭和7年に、大牟田に巡業に来たムーランルージュの舞台を観に行ったという記述がある。そしてその舞台は公子に少なからぬ影響を与えたことが記されている。僕はこの事を確かめるべく、開催月日や開催場所、出演者などが載っていそうな資料を調べてみたことがある。残念ながらこれまでのところ確認できる資料は発見できていない。問い合わせをした大牟田のある団体の方の話では、昭和7年といえば、大牟田は炭鉱景気で栄えていた頃で、劇場もたしか三つくらいあったはずだ、と言っておられた。今回、「ムーランルージュ新宿座」に再びスポットライトが当ったことにより、何か新たな事実がわかるかもしれない。また、この記録映画「ムーランルージュの青春」を熊本でも電気館さんあたりがやってくれないかと期待しているところだ。

浅丘ルリ子さん、「この喜びを寅さんに伝えたい!」

2011-06-18 19:15:53 | 映画
 女優の浅丘ルリ子さんが文化・芸能で顕著な功績をあげた人に授与される勲章「旭日小綬章」を受章した。記者会見の席で浅丘さんは「この喜びを寅さんに伝えたい!」とおっしゃったそうだ。その時、浅丘さんの胸に去来したものは何だったろうか。おそらくこのシーンではなかったろうか。それは「男はつらいよ」シリーズの第15作、「寅次郎相合い傘」において、渥美清さん演じる寅さんが柴又の家族の前で演じる「寅のアリア」と呼ばれるシーンだ。全シリーズの中でも屈指の名場面といわれているが、浅丘さん演じるリリーさんのつらく悲しいキャバレー回りの人生を思いやりながら、いつかは一流の舞台に立たせてやりたいとリリーさんへの愛を吐露するシーンだ。一昨年だったか、NHK-BSで「男はつらいよ」の全作品が放映された時、ゲストで出演された浅丘さんが、このシーンの話になった時、涙ぐんでおられたのを思い出す。

―スポットライトがパーッ!と当たってね
―そこへまっちろけなドレスを着たリリーがスッ・・と立ってる
―ありゃあ、いい女だよォ~、え~。ありゃそれでなくたってほら、ようすがいいしさ
―目だってパチーッとしてるから、派手るんですよ。ねぇ!
―客席はザワザワザワザワザワザワザワザワってしてさ 綺麗ねえ…。 いい女だなあ…
―あ!リリー!! 待ってました! 日本一!
―やがてリリーの歌がはじまる…
―♪ひ~とぉ~りぃ、さかぁばでぇ~~~……、のお~むぅ~さぁ~けえ~はあ~~~…
―ねぇぇ…。客席はシーンと水を打ったようだよ、みんな聴き入ってるからなあ……。
―お客は泣いてますよぉ~…
―リリーの歌は悲しいもんねぇ……
―やがて歌が終わる…。花束!テープ!紙吹雪!ワァ―ッッ!と割れるような拍手喝采だよ
―あいつはきっと泣くな…。あの大きな目に、涙がいっっぱい溜まってよ…
―いくら気の強いあいつだって、きっと泣くよ…

※セリフは「男はつらいよ覚え書きノート」を参照させていただきました。