徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

女性神楽師

2024-10-30 22:42:14 | 民俗芸能
 今日夕方のKKTくまもと県民テレビの「news every.くまもと」で全国的にも珍しい女性神楽師を紹介していた。その名は稲田奈緒子さん。もともとポップス系のダンサーとして活躍し、現在、地元の子どもたちにダンスを教えているという。
 今日は金峰山神社の秋の大祭で初めて男性神楽師との二人舞に挑む様子が映された。野出神楽保存会のメンバーということだが、ここの神楽は剣や弓、御幣などを使って舞う採物(とりもの)神楽と呼ばれる種類のもので、熊本市の無形民俗文化財に指定されている由緒ある神楽だそうだ。
 普段、女性の神楽としてはいろんな神社の巫女舞を見ているが、野出神楽のような民間の里神楽は熊本県だけでも160ほどあるらしい。
 そもそも神楽の始まりは記紀に書かれた「天岩戸開き」で、天照大神が岩戸にお隠れになってしまった際の、天鈿女命(アメノウズメ)の神懸りした舞が起源とされている。そんなことを考えていると必ず思い出すのが、柳田國男の著書「妹(いも)の力」。太古の昔から女性には霊的な能力が備わり、「けだかく」「さかしい」存在であったという。女性は本来的に神楽を舞う能力を備えていて、稲田さんのようなケースもごく自然なのではないか。番組を見ながらそんなことを考えていた。


稲田奈緒子さん