先日の熊本城本丸御殿での「秋夜の宴」において、ザ・わらべは前半部分を「引き振袖」いわゆる「おひきずり」を着て踊った。彼女たちが「おひきずり」で踊るのを見ることはめったになく、僕は昨年春の坪井川園遊会とVTRで見た韓国公演くらいしかない。裾さばきが大変そうなので特別な時しか着ないようだし、演目も限られるのだろう。
ところでこの「おひきずり」というと菱川師宣の「見返り美人図」を思い出すが、江戸時代中期から流行り出した着方だという。一時期はよほどの貧乏人でないかぎり、女性は家の中では「おひきずり」が普通だったといわれる。江戸時代は度々幕府から「倹約令」などが出されているが、一見、倹約令に抵触しそうな「おひきずり」が生き延びたのは、度重なる江戸の大火があったからだという。江戸の女性は火事に備えていつでも逃げ出せるよう、着物を掛布団がわりに使って寝ていたそうだ。掛布団ということになると足が出るのはまずい。というわけで身丈よりも長い「おひきずり」は大目に見られていたらしいのだ。
着物ひとつとっても、よく調べてみると面白い歴史が秘められているものだ。
ところでこの「おひきずり」というと菱川師宣の「見返り美人図」を思い出すが、江戸時代中期から流行り出した着方だという。一時期はよほどの貧乏人でないかぎり、女性は家の中では「おひきずり」が普通だったといわれる。江戸時代は度々幕府から「倹約令」などが出されているが、一見、倹約令に抵触しそうな「おひきずり」が生き延びたのは、度重なる江戸の大火があったからだという。江戸の女性は火事に備えていつでも逃げ出せるよう、着物を掛布団がわりに使って寝ていたそうだ。掛布団ということになると足が出るのはまずい。というわけで身丈よりも長い「おひきずり」は大目に見られていたらしいのだ。
着物ひとつとっても、よく調べてみると面白い歴史が秘められているものだ。