ヌーヴェルヴァーグの、そしてフィルム・ノワールの名作、あの「死刑台のエレベーター(1957)」が日本でリメイクされ、10月に公開されるという。鬼才ルイ・マルの出世作のリメイクを手がけるのは緒方明。実はこの人の作品は「いつか読書する日(2004)」しか見ていないので、どういう監督なのかよく知らない。ただ、オリジナル版の背景である50年代半ばのフランスの空気感は出せないと思うので、おそらく基本的なプロットをなぞっているだけで、設定も変えられ、全然違う雰囲気の映画になっていると思う。ジャンヌ・モローがやった社長夫人の役を吉瀬美智子、モーリス・ロネのやった不倫相手を阿倍寛が演じるらしい。阿倍ちゃんはリメイクといえば「隠し砦の三悪人」でコケているから大丈夫かな。また、これに合わせてオリジナル版が再公開されるようだ。むしろこちらの方が楽しみだが、はたして熊本で観られるだろうか。

「釈将寺坂・・・江戸時代この上に釈将寺があったのでこの名がある。この附近は武家屋敷が守りを固めた所であり、また有名な連歌師西山宗因はこの寺で学び世に出た。」
現在、その釈将寺があったと思われる土地にはなんと、フラメンコスタジオが建っている。宗因さん、これを見たらいったいどんな句を詠むだろうか。


釈将寺坂
今年も8月6日がまもなくやってくる。あの日から65年の歳月が流れた。今年の平和記念式典には、史上初めて国連事務総長や駐日米大使らが出席するという。しかし、65年の歳月は否応なしに風化を進行させている。僕は自分自身の中での風化を少しでも食い止めるため、毎年、この時期には太平洋戦争や原爆のことを描いた映画を観ることにしている。今年は、5年前にTBSが制作したドラマ「広島 昭和20年8月6日」を観た。
『安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから』
【物語】
現在、原爆ドームとなっている広島の産業奨励館。かつてこの近くにあった矢島旅館の三姉妹の悲劇的な運命を、今は老いた原爆語り部となった末弟が語る。
【主な出演】
矢島志のぶ:松たか子
矢島信子 :加藤あい
矢島真希 :長澤まさみ
矢島年明 :冨浦智嗣/西田敏行
大原靖秀 :玉山鉄二
重松道昭 :国分太一

出征する末弟を見送る三姉妹。これが永遠の別れとなった
『安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから』
【物語】
現在、原爆ドームとなっている広島の産業奨励館。かつてこの近くにあった矢島旅館の三姉妹の悲劇的な運命を、今は老いた原爆語り部となった末弟が語る。
【主な出演】
矢島志のぶ:松たか子
矢島信子 :加藤あい
矢島真希 :長澤まさみ
矢島年明 :冨浦智嗣/西田敏行
大原靖秀 :玉山鉄二
重松道昭 :国分太一

出征する末弟を見送る三姉妹。これが永遠の別れとなった

小中学校時代、この方の出演する映画で随分楽しませていただいた。東映時代劇の全盛期で、本数も数えきれないくらいだ。そんな中で、いつも町娘やお姫様役で花を添えていたのが長谷川裕見子さんだった。中でも忘れられない一本が「鳳城の花嫁(1957)」。当時の東映スターの中で一番好きだったのが大友柳太朗だったこともあって特に印象深い映画だ。この映画で長谷川さんは、若殿様と結ばれることになる町娘、つまり“鳳城の花嫁”となるわけだ。“バカ殿”の原点とも言えるコメディタッチのベタな時代劇なのだが、たしか日本で最初のシネマスコープ映画でもあり、まさに娯楽大作といった印象が残っている。古き佳き時代劇の時代を支えた“鳳城の花嫁”よ、永遠に!合掌。



現在、熊本市現代美術館で開かれている「へるんさんの秘めごと」展を見に行った。へるんさんこと小泉八雲の生誕160年と来日120年を記念した催し物だそうだ。来日した翌年には第五高等学校の英語教師として熊本に赴任し、3年余りを過ごしているので熊本は八雲のゆかりの地の一つである。ところで、この「へるんさんの秘めごと」というネーミングがとても気になった。何かイケない趣味でもあったかのように聞こえる。おそらく、普段、文学を通じてしか接することのない八雲の趣味や嗜好を覗き見ることによって、作品の裏側にある日本観や世界観を窺い知ろうということなのだろう。しかし、展示物を見ただけでは、その趣旨は今ひとつ理解できなかった。
展示を見たついでに、すぐ近くの小泉八雲熊本旧居にも立ち寄ってみた。昼食時だったからか客も少なく、入ってしばらくしたら僕一人だけになったので、座敷の真ん中に正座し、ボンヤリと部屋の中や庭を眺めて過ごした。外の猛暑や喧騒からも隔絶されたような不思議なひと時を過ごした。

展示を見たついでに、すぐ近くの小泉八雲熊本旧居にも立ち寄ってみた。昼食時だったからか客も少なく、入ってしばらくしたら僕一人だけになったので、座敷の真ん中に正座し、ボンヤリと部屋の中や庭を眺めて過ごした。外の猛暑や喧騒からも隔絶されたような不思議なひと時を過ごした。


昨夜は加藤清正の菩提寺である本妙寺で行われた「頓写会」に行った。近くに住んでいながら、なぜか今まで足が向かなかった。出店の呼び込みをやっていた知人によると、これでもかつての賑わいと比べればだいぶ人出が減ったというが、それでも参道は歩きにくいほどの賑わい。法要が営まれている浄池廟拝殿までの階段を登りきったのは何年ぶりだろう。昔はもっときつかったように感じていたが、2年前に行った金毘羅さんに比べれば随分楽だ。この寺は法華経だが、僕自身もそうであるように、拝んでいる人たちは多分、宗派には関係なく、加藤清正に拝んでいるのだろう。

すっかり寂れてしまった門前町も今日ばかりは人の波

階段を登り、山門(仁王門)をくぐる

写経が行なわれている大本堂

すっかり寂れてしまった門前町も今日ばかりは人の波

階段を登り、山門(仁王門)をくぐる

写経が行なわれている大本堂
昨日の熊日朝刊に、子ども日本舞踊の「ザ・わらべ」の紹介記事が載っていた。「ザ・わらべ」とは、日舞や邦楽を通じて、和の文化を伝承して行こうという熊本の子供演舞団だ。平成12年から活動しているそうだが、ある催しで彼女たちの踊りを一度見てすっかり虜になった。見るからにしっかりと稽古を積んでいるなと思わせる彼女たちの踊りは、ほのかな色気さえ感じさせる。最近は人気者になって、いろんなイベントに引っ張りだこのようだ。その後、見るチャンスを逃していたが、来月8日に熊本市古桶屋町で行なわれる「くまもと城華まつり」に出演することがわかったので、なんとしても見に行きたいと思う。


連日のこの暑さにはまいる。母は体調がおかしくなった。88歳の老躯には辛かろう。数日、激しい夕立が必ず来るが、降りやむとまた一段と蒸し暑さが増すようだ。いったいいつまで続くのだろうか。夏は暑いに決まっているのだが、地球温暖化の影響か、近年の傾向を見ると、いつか人間の我慢の限界を超えるような気がしてならない。茫っとした頭の中に、急にレイ・チャールズの「In the Heat of the Night(夜の熱気の中で)」のメロディが聴こえてきた。

三連休を利用して、久留米の次男一家が行楽ついでにやって来て、二晩泊まっていった。てっぺいは一週間後に満3歳となるので、ちょっと早めのバースデイプレゼントをした。前からほしがっていた天装戦隊ゴセイジャー関連のおもちゃ。とにかくひと時もじっとしていない。一日つきあうだけでヘトヘトだ。1年生のみわはもうすぐ夏休み。早くも宿題の自由研究の相談。夏休みに入ったら、またすぐにやってくるだろう。それまでにこちらも彼女が楽しんで取り組めるようなテーマをいくつか考えておこう。「爺バカか!」


