今日のKBC九州朝日放送「未来への羅針盤」は、小学生の頃、2年あまりを過ごした向田邦子の、鹿児島への思いを取り上げていた。この番組は、先人たちの足跡の中に、われわれの指針となるべきメッセージを読み取ろうとする番組だ。昭和54年、向田邦子は38年ぶりに鹿児島を訪れる。乳癌を患い、苦しい闘病生活の中で、かつて、父の度重なる転勤により、短期間しか住めなかった鹿児島での生活が、今日の向田邦子を形成するために、この上なく貴重なものであったことを、あらためて認識したものと思われる。そして、それまでの生活のひとコマひとコマが、すべて無駄ではなかったという想いは、エッセイ集「夜中の薔薇」に収められた「時計なんか恐くない」の一節にも読み取れるのである。
☆☆☆ 勝手にパブリッシング! ☆☆☆
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