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先日の世界陸上は、女子マラソンの土佐礼子選手の銅メダルで救われたように、昨今、日本のスポーツ界は女子選手の頑張りで支えられているような気がする。女子が活躍している競技の中でも応援しているのはシンクロナイズド・スイミングだ。自分が水球をやっていたのでその大変さがわかるということもある。シンクロは女子にとって、ある意味パーフェクトなスポーツだと思う。スピード、パワー、スタミナ、テクニック、芸術性さらにスタイルや美しさまで要求される。そしてその練習量たるや尋常ではない。最低でも1日5000キロカロリー以上の摂取が必要だと言われている。それはこんなハードな練習をしても体重が落ちることは許されないからだ。水中のスポーツは浮力を維持するために一定の脂肪を身に付けておく必要があるのだ。
ひと頃、映画やTVドラマで「ウォーターボーイズ」というのがヒットした。あれは川越高校などの男子生徒が毎年行なうプールでのイベントを題材にドラマ化したものだが、あの中でやっているのは、あくまで「水中お遊戯」であって、断じてシンクロナイズド・スイミングではない。第一、シンクロの競技場は水深2.5メートル以上あるし、足を底に着けた演技などできない。映画やドラマの出来は別として、コピーにシンクロナイズド・スイミングなどと銘打つのは頑張っている彼女らに対して失礼だ。