昨夜は、森都心プラザホールで行われた「劇団ひまわり熊本2018年夏公演」を観に行く。昨夏の公演以来、3回連続の観劇だ。上演の最中に震度4の地震が来て肝を冷やす。今回のタイトルは「押戸石からの手紙」。熊本県南小国町の「押戸石(おしといし)の丘」。この丘の巨岩石に刻まれた古代のシュメール文字は、今を生きるわれわれに何かを伝えている。そんなミステリースポットに溢れるパワーが、誰かの大切な人へ時空を超えたメッセージを送り、生きる勇気を与え続けている。熊本地震からの復興の願いも込めたミュージカル群像劇。
お目当ての東島のぞみ・めぐみ姉妹は、姉ののぞみが主役の一人を、妹のめぐみは複数の役を器用にこなした。今回は稽古期間が短かったそうだが、セリフ回しも歌も踊りもなかなかどうして、その完成度は大したものだ。ただ、全員によるコーラスの音程がちょっと気になった。やっぱり稽古不足だったのかもしれない。
いつものことながら、のぞみ・めぐみ姉妹の演技を見ながら、花童時代の二人と何ら違和感を覚えない。日本の芸能の起源といわれる天岩戸伝説のアメノウズメの歌舞に始まり、以来、古代・中世・近世・近代へと続く芸能の歴史は、雅楽・能・狂言・歌舞伎・文楽・日本舞踊・邦楽等々、通底するのは音楽でありミュージカルであるといえる。これは洋の東西を問わず、人間の根源的な表現欲求なのではないかと思うのである。もちろん、日本舞踊と現代ミュージカルとでは表現方法に違いはあるが、のぞみ・めぐみ姉妹の下地となっているのはジャンルを問わない普遍的な表現能力ではないかと、そのポテンシャルに大いに期待するのである。

花童時代ののぞみ・めぐみ姉妹