徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

年末のご挨拶

2020-12-31 19:32:20 | 
 皆様、今年も当ブログをご訪問いただきありがとうございました。心より御礼申しあげます。
 コロナに翻弄され続けた異常な1年が暮れようとしておりますが、迎える新年こそは終息の明るい光の見える年になってほしいと願っております。
 皆様にとりまして新年が安穏で健やかな1年になりますことを心よりお祈りいたします。
 引き続き当ブログをよろしくお願い申しあげます。
筆主敬白



足利氏庶流の誇り

2020-12-30 16:55:41 | 歴史
 大河ドラマ「麒麟がくる」は毎回見ているわけではなく、面白そうな回だけつまみ食いをしている。前回は芦田愛菜扮する明智たま(後の細川ガラシャ)が登場するというので久しぶりに見た。冒頭、明智光秀に預けられている三淵藤英が信長に自害させられるシーンがあった。この三淵藤英は肥後細川家初代の細川藤孝の異母兄にあたる人だが、室町幕府最後の将軍・足利義昭が信長と対立してからも、最後まで将軍義昭を支えた人物。足利氏庶流の気高い誇りを胸に死んでいく。
 これを見ていて正直、この役がお笑い系やバラエティ系のタレントでなく、谷原章介のキャスティングでよかった。(^ω^)藤英を象徴するユリの花の花言葉には「自尊心」「高貴」「威厳」などが含まれる。
 この人物についてはブログ「津々堂のたわごと日録」さんに詳しいのでそちらを参照願いたい。


三淵藤英に生花の手ほどきを受ける明智たま


 もう一つ目を引くシーンがあった。それは光秀が丹波攻略にあたり、情報収集するため、近衛前久のアポをとってもらおうと伊呂波太夫を訪ねるシーン。一座の舞子が二人、鼓と笛に合わせて踊っている。芸能考証や所作指導の著名な先生方の演出なのだろう。中世芸能の風流踊を現代風にアレンジされたものと思われる。


伊呂波太夫を訪ねた光秀

忘れられない今年のブログ記事 ~はこべら~

2020-12-29 21:30:59 | 文芸
 今年もすでに300件を超えるブログ記事を投稿したが、その中でも忘れることのできない記事の一つが、5月21日の「はこべら」だ。

 平成29年(2017)に他界された規工川佑輔先生の奥様から先生の最後の歌集が送られてきた。この「はこべら」という歌集のタイトルは先生の遺作となった次の歌から採られたことが奥様のあとがきに書かれていた。

「県道を渡れる脚を持たざれば春野にはこべら踏むこともなし」

 先生の最晩年は自らの足で歩くことはできなくなっていた。先生のご自宅近くの県道を渡ると田園地帯が広がっている。その畦道には春になると七草のひとつ「はこべら(ハコベ)」が咲き乱れ、少年時代はおそらくその畦道が遊び場だったのだろう。しかし、今の自分はその畦道に踏み入れることもできない。そんな身の上を、自虐的なニュアンスを込めて歌われたものと思う。
 この歌を読みながら、僕は少女詩人・海達公子が幼い頃に詠んだ一つの詩を思い出した。それは「すみれ」と題する可愛らしい詩だった。

 「あしもとのすみれ ふまんでよかつた」

 海達公子を愛し、生涯をかけて顕彰し続けた規工川先生は、最後の最後まで公子のことを忘れることはなかったに違いない。はこべらの歌を詠まれた時も、公子のこの詩が念頭にあったのかもしれない。

 その他、次の一編が心をとらえた。

 「天才詩人の祭りとぞ言ひ赤き幟幾本も立てり春の雨の中」

 毎年3月の彼女の命日の前後に荒尾市では「海達公子まつり」が行われる。この歌はある年の「海達公子まつり」の日、会場に立てられた幾本もの赤い幟が春雨にうたれている情景を詠まれたもの。この歌も公子の辞世の句といわれる次の二句を連想させて感慨深い。

 「巡礼の 御詠歌つゞく 菜種畠」
 「春雨に 石碑を刻む 音寂し」


新年もイベントの中止相次ぐ!?

2020-12-28 19:00:01 | イベント
 熊本県は今日も32人の新型コロナウイルス感染が確認されたと発表された。高止まりの状況が続いている。
 そのあおりを受けて、新年年初からイベントの中止が相次ぎそうだ。
 元日恒例の水前寺成趣園における舞踊団花童の舞初めも中止になったし、1月31日に予定されていた第56回熊本県邦楽協会演奏会も中止が決まった。楽しみが次々に消えていく。新年もまた、欝々として過ごす日々が続くのだろうか。


2014年水前寺成趣園舞初め(2014.1.1)


第50回熊本県邦楽協会演奏会(2015.1.25)

2021年 能・狂言公演予定

2020-12-27 20:38:55 | 伝統芸能
 今年はとうとう能・狂言の舞台を見る機会もなく終わろうとしている。来年に期待しているが、今のところ公表されている能・狂言の公演予定は次のとおり。

2021年1月5日(火)北岡神社松囃子  11:00~ 北岡神社舞殿 出演:喜多流・金春流
       (火)藤崎八旛宮松囃子 13:00~ 藤崎八旛宮能楽殿 出演:金春流・喜多流

2021年3月9日(火) 「翁 熊本公演」水前寺成趣園能楽殿 出演:友枝昭世

2021年5月22日(土) 「加藤神社150年式年奉納」 新作狂言「熊本三獣士」加藤神社

2021年5月23日(日) 「新作狂言奉納」 新作狂言「熊本三獣士」本妙寺



「翁」友枝昭世

堅田喜三久さん

2020-12-26 19:08:15 | 伝統芸能
 昨夜の「にっぽんの芸能」(Eテレ)で歌舞伎長唄囃子の人間国宝・堅田喜三久(かただきさく)さんの訃報を聞いて驚いた。先週、新聞をろくに読んでいなかったので知らず、ショックを受けた。
 「にっぽんの芸能」を見るようになって10年以上になるが、この間、出演した数多の邦楽演奏家の中で、字幕で最も多くその名前を目にしたのはおそらく堅田喜三久さんだろう。しかし、演奏されるお姿を拝見する機会は限られていた。できれば一度ナマで拝見したかった。今から15年前の平成17年に行われた「第11回くまもと全国邦楽コンクール」の時、熊本城内の旧細川刑部邸において熊本城築城400年にちなんだ曲を演奏されたらしいのだが、その絶好の機会を見逃したのが返す返すも残念でならない。ご冥福を祈る。合掌
 下の映像は今年7月に行われた無観客ライブの模様と、堅田喜三久さんが作調を担当された「本條流祝儀曲 松」。



「本條流祝儀曲 松」作詞・作曲:本條秀太郎 作調:堅田喜三久
※作調:三味線の曲に合わせる囃子(笛・小鼓・大鼓・太鼓など)の奏法を定めること。

米屋とパイロットときりしたん

2020-12-25 16:48:57 | 歴史
 今日はクリスマス。ということで、ややこじつけめくが「きりしたん」にまつわるお話をひとつ。

 わが家の近所に森さんという老舗の米屋がある。この店のコワモテのご主人は僕よりひと回り以上も年上だが、高校の先輩で、僕は小さい頃から顔を知っていた。森さんは高校卒業後、防衛大学に進み、航空自衛隊に入ったらしいという話も聞いていた。僕が大学を卒業し、熊本に帰ってきた時、森さんはすでに自衛隊は退職し、家業の米屋の主人におさまっていた。
 僕がブリヂストンに入社してから3、4年経った頃、東京出張が多くなり、熊本・東京間の日帰りも度々だったが、そんな出張帰りのある日のこと、東京から熊本へのJAL便で、僕よりちょっと年上と思しきダンディな紳士と隣り合わせになった。この紳士、飛行機が滑走路を走り始め、離陸する瞬間まで、頭を傾げてじっと聞き耳を立てていた。僕は気にしない素振りでじっと目をつぶっていた。飛行機が上空に上がって安定飛行に入った時、その紳士が突然話しかけてきた。「いや、私もこの飛行機を操縦しますのでね、離陸と着陸は気になるんですよ」そうですかと答えた僕に「今日の機長は上手いですよ」と続けた。それから熊本に着陸するまでの間、お互いの身の上などを語り合った。その紳士はJALの機長さんだった。休暇で熊本へ向かうのだと言った。「ところで熊本のお住まいはどちらですか?」とたずねられた。「京町です」と答えると「それなら森さんはご存じですか?」「米屋の?もちろんよく知っていますよ」と答えた。紳士は「森さんは私にとって神様のような方です!」と言う。実はその紳士の航空自衛隊時代の操縦訓練の教官が森さんだったらしい。そして続けて「森さんは凄い腕を持ったパイロットでした!」僕はその時、米屋の主人、森さんの別の姿を初めて知った。
 その森さんのご先祖はキリシタンで島原の乱を指導した人物の一人と伝えられる森宗意軒(もりそういけん)。森宗意軒についてWikipediaには次のように紹介されている。

父は西村孫兵衛(森長意軒)。先祖の代から、河内国石川郡の水分五社大明神の南木大明神で神司を勤めていた。宗意軒は号であり、幼名は傅之丞。傅之丞は武士となって三左衛門と称し、小西行長へ奉公に出たという。文禄・慶長の役時に、行長の荷物を運ぶ船宰領(船頭)となって朝鮮へと渡航した。しかし途中で難破し南蛮船に助けられ、南蛮へ行く。オランダにも行き、6~7年間を過ごした。その後、中国で入廟老という者に火術、外科治療の法、火攻めの方法などを伝授した。日本へ戻ってきた時にはすでに行長は刑死しており、そのため高野山にしばらく身を潜めた。大坂の陣では真田信繁の軍について戦うが落城し、肥後国天草島へ落ちのび森宗意軒と改名して住んだ。島原の乱で戦死。弟子に田崎刑部がいる。熊本県上天草市大矢野町中柳地区に森宗意軒神社がある。

 また、山田風太郎の「魔界転生」では島原の乱を生き延びて、忍法で復活させた天草四郎や宮本武蔵をあやつる黒幕として登場する。


天草四郎乗船之地(天草郡苓北町坂瀬川 ※阿部正直さん撮影)



熊本大学教育学部付属中学校のコーラス「どちりなきりしたん」

海外特派員

2020-12-24 21:00:39 | 映画
 今日、久しぶりにBSプレミアムのプレミアムシネマを見た。先週放送された「バルカン超特急」に続き、アルフレッド・ヒッチコック監督の「海外特派員」。英国時代の最後の方の作品である「バルカン超特急」に対し、「海外特派員」はアメリカに移ってからの初期の作品。「バルカン超特急」は何度か見ているが、「海外特派員」は未見だったので今日はいい機会だった。
 第二次世界大戦が目前に迫ったヨーロッパ。アムステルダムでの和平会議を取材していたアメリカの新聞記者ジョーンズは、大物政治家の暗殺現場に遭遇し、国際的な陰謀に巻き込まれて行くというスパイ・アクション。80年前の作品ながら、ヒッチコックならではのスリリングな展開と映像テクニックは古さを感じさせない。アルフレッド・ニューマンの音楽もいい。
 主役の新聞記者ジョーンズを演じるジョエル・マクリーは僕らの少年時代、西部劇スターとして人気があった。なかでも、西部開拓史上伝説のガンマン、バッファロー・ビルを演じた「西部の王者」では、長髪をなびかせて馬を駆る姿が美しく印象深い。西部劇では何本も見ているが、この「海外特派員」のようなサスペンスでも彼の飄々としたキャラクターがなかなかいい。


5年前の今日…

2020-12-23 17:33:10 | 音楽芸能
 5年前の今日は、舞踊団花童のメンバーだった上村文乃さんの舞踊団卒業公演が行われた日。卒業の舞台にふさわしい凛とした踊り姿が目に焼き付いている。
 花童の子らに出会ってはや11年。その間、多くの子たちが舞踊団を去って行った。彼女たち一人一人の顔をよく思い出す。今元気にしているだろうかと、ちょっぴり心配になる。たまに元気な情報を伝え聞くと嬉しくなる。ともかく、彼女たちの人生に幸多かれと祈らずにはいられない。


別れの唄 ~お名残惜しゅや アーヨイセーソーコセー~


舞踊 長唄「風流船揃」

今年、記録にとどめたいこと。

2020-12-22 19:03:26 | イベント
 今年もさまざまな出来事があったが、いまだかつてないこととして記録にとどめたいこと、それは…

 今年の1月中旬に国内最初の新型コロナウイルス感染者が確認されて以来、徐々に感染者が増え始め、2月末には全国すべての小中高校に臨時休校要請が出された。3月下旬には東京オリンピック・パラリンピックの1年延期が決定、それに歩調を合わせるように熊本でもいろんなイベントの中止や延期、もしくは無観客開催が相次いだ。
 例年ならば見に行ったであろう熊本の主なイベントをあげてみると

 熊本県陸上競技選手権大会、熊本県高校総合体育大会、熊本県高校総合文化祭、出水神社薪能、藤崎八旛宮秋季例大祭、熊本城薪能、熊本城流鏑馬、くまもと全国邦楽コンクール etc.

 コロナはいまだ終息の兆しは見られない。来年はいったいどうなるのだろう。 


藤崎八旛宮秋季例大祭の随兵もお預けになった神馬

もののけ姫 feat. 中村仁樹

2020-12-20 17:56:44 | 音楽芸能
 「長谷検校記念くまもと全国邦楽コンクール」は今年、「長谷検校没後100年」という特別な年でしたが、コロナ禍のため「第26回くまもと全国邦楽コンクール」は来年に延期となりました。
 僕は平成23年の第17回から見に行くようになり、今年が10回目となるはずでしたが来年に持ち越しとなりました。これまでこのコンクールで多くの邦楽演奏家の演奏を見てきましたが、忘れられない演奏家が何人かいます。
 初めて見た第17回の最優秀賞受賞者で筝曲の佐藤亜美さん、第20回の最優秀賞受賞者で筝曲の今野玲央さん、第23回の最優秀賞受賞者で筝曲の大川義秋さん、第25回の最優秀賞受賞者で三味線音楽の本條秀五郎さん。その他に最優秀賞は受賞できなかったものの忘れられない演奏者に、第23回の優秀賞を始め何度も表彰を受けた筝曲の中島裕康さん、そして第19回の優秀賞で尺八・笛音楽の中村仁樹さんたちです。皆さん第一線でご活躍されていますが、その中から今日は尺八の中村仁樹さんによる演奏をご紹介したいと思います。なお、筝曲の大川義秋さんがサポートしています。


「クリスマスの約束」マイベストソング ~Today~

2020-12-19 14:06:12 | 音楽芸能
 毎年、クリスマスの楽しみは「クリスマスの約束」(TBS)。しかし、今年はコロナの影響で行われないという。そのかわり、過去の放送の中から選んで動画配信サービスが行われるようだ。
 この番組を見始めて20年近くなると思うが、その特長は音楽性の高さ。某局の「紅白」などもこんな番組にすればいいのにと思ったりする。そんな番組の歴史の中で、僕のベストソングは2015年のオープニングに出演者全員で歌った「Today」だ。1964年にアメリカのフォークバンド、ザ・ニュー・クリスティー・ミンストレルズがリリースした曲。ちょうど大学に入った頃で、寮のラジオでよく聴いていた懐かしい曲だ。この歌の肝はサビの部分
I can't be contented with yesterday's glory
I can't live on promises winter to spring
Today is my moment, now is my story
I'll laugh and I'll cry and I'll sing

 昨日の栄光や明日への約束でなく、今日この瞬間、笑って泣いてそして歌う今日こそが自分のストーリーなのだ。
 つまり、「今を生きる」というメッセージなのだろうと思う。


「クリスマスの約束2015」オープニング




YouTubeのサマリー

2020-12-18 17:30:38 | Web
 YouTubeの年間サマリーがメールで届いた。初めて見たが、今までもこんなサマリーが届いていたんだろうか。
 今年はイベントがことごとく中止され、動画を撮る機会は数えるほどしかなかった。だから今年アップした動画はほとんどが過去アップした動画を再編集したものだ。
 サマリーの統計値にはあまり興味はないが、実績をデータで示されると「なるほどね!」という感じはある。
 今年アップした動画の中から1本選ぶとすれば、下の「球磨川新調」になるだろう。この曲は昭和初期に作られた新民謡で、毎年、人吉の国宝・青井阿蘇神社で開かれる菊花展の奉納舞台のために作られた「菊の舞」という舞踊曲の中に織り込まれていたが、今回、「球磨川新調」の部分だけを取り出してアップしたもの。今年7月の豪雨による球磨川氾濫で甚大な被害を被った人吉市を始め、球磨川流域市町村の人々に送る応援歌となれば幸いである。








今年のベストピクチャーは…

2020-12-17 22:06:14 | Web
 今年のベストピクチャーをそろそろ選んでみようかと思ったのだが、これという写真がない。今年はコロナ禍の中で目ぼしい行事はほとんど中止になったし、自分自身も一年を通じて自粛が続いた感があるので仕方ないのかもしれない。それでもなんとか選び出したのが次の4枚である。


3月29日 コロナの第1波が襲来。かつて「病気除け・病気平癒」のご利益で知られた本妙寺へ参拝。まだ危機感に乏しい


8月3日 北岡神社の舞殿が再建される。喜多流と金春流による仕舞が奉納された。


8月29日 4年前の熊本地震で倒壊した水前寺の出水神社社殿前の鳥居がヒノキ造りで甦った。 


9月30日 鶴屋百貨店の毎秋恒例「大京都展」は今年も開催され、舞妓さんによる舞披露も例年通り行われた。

春画とあいみょん

2020-12-16 15:15:08 | 日本文化
 先月放送されたタモリ倶楽部(テレ朝)で「第1回春画脇役大賞」なる企画が放送された。この番組にお笑い芸人かまいたちの二人とともに出演したのがなんと、人気女性シンガーソングライターのあいみょん。この手の企画には、表現は悪いが「たいしたタマ」的な女性タレントが出るもんだがと訝りながら見ていると、これがなかなかの春画通。彼女については名前を知っているくらいで、歌を聞いたのも、TBSのドラマ「私の家政夫ナギサさん」の主題歌として「裸の心」を聞いたのが最初。変な子だなと思いつつ、臆面もなく「春画が趣味」と言えるのも彼女が自立した女性であることの証なのだろう。
 肝心の「春画脇役大賞」の趣旨なのだが、春画というと、ついつい行為をしている男女に目がいきがちなのだが、実は春画の特徴の一つが、脇役が描かれていること。脇役を知れば、より深く春画の世界に浸ることができるというわけだ。江戸時代 には春画・春本 のことを「笑ひ絵」とか「笑ひ本」と呼んでいたらしく、脇役が笑いの引き立て役にもなっていたという。
 今回、大賞に選ばれたのは勝川春童の「会本見男女沙目」。亡き夫の墓の前で未亡人がお坊さんと行為に及んでいるところを石の地蔵さんが眺めていて、次のセリフが書き込まれている。
 「こいつらはおれのまえでとんでもないやつらだ いしだとおもってばかにしたらあてがちがうぞ」

 あいみょんが、2015年に永青文庫で開催された春画展の図録を紹介していたが、われらがお殿様(細川護熙氏・肥後細川家の第18代当主・永青文庫理事長)は今なぜか、春画展に力を入れてござる。