社会保険庁のずさんな年金記録管理の原因を究明する総務省の「年金記録問題検証委員会」の最終報告書が発表された。この報告によれば、ずさん極まりない実態が浮き彫りになったと同時に、数多くの横領がいまだ明るみに出ていない可能性もあると指摘している。そして5000万件の宙に浮いた年金記録の照合も約4割は特定できないおそれがあるという。舛添さんが頑張っているのは認めるが、何10年にもわたって積み重なったヘドロを除去し清らかな流れに変えるのは、短期間でできるような容易なことではないことぐらい誰でもわかる。話を聞けば聞くほど、これはずさんとかいう問題ではなく、組織的な犯罪と言っていいのではないか。
最近、やたらとクレーン車の事故が多い。クレーン車が倒れる事故も何件か起きているし、昨日も東京でつり上げていたコンクリート板を約20メートルの高さから歩道上に落下させるという事故が起こった。ハインリッヒの法則によれば、1件の重大事故の背後には29件の軽度の事故があり、その背後にはさらに300件の、事故にはならない「ヒヤリ」「ハット」する出来事があるといわれるから、いつも相当危ない工事や作業をやっているであろうことは想像に難くない。最近見かける工事はほとんど高いビルばかりで、必ずクレーン車が入っているから、われわれの身の回りはまさに“危険がいっぱい”だ。だいたいあのクレーン車の不安定な感じは何かが起こらない方がおかしいくらいだ。失敗学の権威、畑村洋太郎東大名誉教授の言う「あり得ることは起こる」という意識を常に持っておかなければならないだろう。
今日は「オリヲン座からの招待状」の試写会に行った。昭和30年代、だんだん衰退していく街の映画館を舞台としたノスタルジックな純愛物語。映画館というと「ニュー・シネマ・パラダイス」や「ラスト・ショー」などの名作を思い出す。最近では佐々部清監督の「カーテンコール」なんていうのもあった。時代背景となっている昭和30年代はちょうど小学校から高校までの時代と重なる上、自他ともに認める映画少年だったので、この映画を見ながら少々切ないものがあった。わが家から歩いて10分以内に4、5館もあった映画館が、次々と閉館していったものだ。
主役の二人、宮沢りえと加瀬亮はいずれもおっとりしたキャラクタの上、セリフが京都弁ときているのでなんだか穏やか~な気分になる。ただ、晩年を演じるのが、中原ひとみはまだいいとして、原田芳雄は正直、若干違和感があった。まぁ、それでも結構好きな部類の映画だ。
主役の二人、宮沢りえと加瀬亮はいずれもおっとりしたキャラクタの上、セリフが京都弁ときているのでなんだか穏やか~な気分になる。ただ、晩年を演じるのが、中原ひとみはまだいいとして、原田芳雄は正直、若干違和感があった。まぁ、それでも結構好きな部類の映画だ。
新聞によれば『43年ぶりに実施された全国学力テストでは、基礎知識の定着が見られる一方、読解力、活用力の不足という子どもの「弱点」が改めて浮き彫りになった。』とあった。 それって「子どもの弱点」じゃなくて「大人の弱点」じゃないの?と思った。要するに学校の先生にしろ、親にしろ、知識を教えることしかやってないから、当然子どもがそうなっているだけの話だ。文科省は指導要領を見直すと言っているが、はたして今の学校の環境で先生たちにそれができるだろうか。甚だ疑問だ。
もう10年以上もパソコンの指導に携わっているが、パソコン教育でも同じようなことが言える。IT革命などと言ってパソコンの操作を憶えることにしゃかりきになっていた10年前とすっかり様相が変わった。今や「パソコンスキルを前提として“いい仕事”をする。」ことが課題となった。しかし、パソコン操作を教える指導者はいても、仕事のやり方を教えることができる指導者は極めて少ないのが現状だ。
もう10年以上もパソコンの指導に携わっているが、パソコン教育でも同じようなことが言える。IT革命などと言ってパソコンの操作を憶えることにしゃかりきになっていた10年前とすっかり様相が変わった。今や「パソコンスキルを前提として“いい仕事”をする。」ことが課題となった。しかし、パソコン操作を教える指導者はいても、仕事のやり方を教えることができる指導者は極めて少ないのが現状だ。
先日、FMクマモトを聴いていたら、「熊本のソウルフードは馬刺しか?太平燕か?」なんていう企画をやっていた。バラエティ番組だから目くじら立てるほどのこともないのだが、ハッキリ言ってどちらも違うと思う。もともとソウルフードという言葉は、アメリカ南部の黒人たちの食べ物のことをいうらしいが、今日では伝統的な食文化とか、その地方では欠かすことの出来ない食べ物というような意味で使われているようだ。馬刺しは今や、熊本の名物として全国区になったが、熊本県人の中にも馬刺し嫌いは意外と多い。実は私もそうなのだが、小さい頃から馬が大好きなのでどうしても抵抗感がある。もう一つの太平燕は熊本でもいまだに知らない人が多いから論外だ。じゃあ、熊本のソウルフードは何かと問われたら、やはり「米」を欠かすわけにはいかないだろう。江戸時代から「肥後米」あるいは「高瀬米(※)」などと呼ばれ、全国の米が集積する大阪の市場でもブランド品だったそうだ。その伝統を守るためにも熊本のソウルフードという認識を生産者も消費者も持つべきだと思う。
※江戸時代、現在の玉名市高瀬にある船着場に集められた菊池川流域で獲れた米は、船で大阪堂島へ運ばれたため、「高瀬米」と呼ばれ、高瀬という名前が全国的に知られるようになった。JR鹿児島本線の玉名駅は昭和31年半ばまで「高瀬駅」と呼ばれていた。
船積みする米俵を転がした坂
※江戸時代、現在の玉名市高瀬にある船着場に集められた菊池川流域で獲れた米は、船で大阪堂島へ運ばれたため、「高瀬米」と呼ばれ、高瀬という名前が全国的に知られるようになった。JR鹿児島本線の玉名駅は昭和31年半ばまで「高瀬駅」と呼ばれていた。
船積みする米俵を転がした坂
木原美知子さんが亡くなった。最近は光知子という名前を使っておられたようだが、我々にとってはやはり美知子さんの方が馴染みがある。それにしても彼女のイメージにあまりにも似つかわしくない訃報に唖然とした。彼女の名前を初めて耳にしたのはもう45年も前の、1回目の岡山国体の時だ。まだ中学3年生だった彼女は水泳界に彗星のごとく現われた。その2年後、東京体育館の屋内プールで行なわれた日本室内選手権の時、初めて彼女を間近で見ることができた。練習を終えて引き上げる我々とすれちがったのだが、この時すでにスターになっていた彼女の周りはポッと光り輝いて見えた。その後、彼女は女人禁制だった日大水泳部に進んだ。彼女を眺めることを楽しみに、私の同級生がいた日大の練習見学を口実に碑文谷のプールまで通ったものだ。最近でこそルックスやスタイルを兼ね備えたスポーツウーマンが多くなったが、彼女はまさしくその走りだった。我々のマドンナよ、安らかに眠れ。合掌。
「自虐の詩」の試写会に行った。原作は業田良家の漫画だそうだが読んだことはない。最近よくあるあんまり笑えないシュールなコメディかと思って見ていたら、結構泣かせる人情喜劇で面白かった。さすが堤幸彦監督というところか。それにしても中谷美紀っていい女優さんだなぁ。今、実力ナンバーワンじゃないかな。つい先日もDVDで「あかね空」を見たが、あの中谷美紀もよかった。「嫌われ松子」を始め、最近の出演作はどれも外れがない。クドカン脚本のしょうもないTVドラマ「ガンジス河でバタフライ」にも特別出演していたが、その存在感が凄かった。年齢を重ねてどんな女優さんになっていくのだろうか。楽しみだ。
亀田騒動も一応の決着がついたようだ。今朝の熊日新聞の「新生面」に、エディ・タウンゼントさんの話を引き合いに出して、父親の史郎トレーナーを批判するようなコラムがあった。何を今頃寝ぼけたようことを言っているのだろう。そんなことはずっと前からわかっていたはずだ。わかっていながらマスコミ、特にTBSは亀田親子を持ち上げてきた。彼らをここまで増長させたのはマスコミの責任だ。また、先日放送されたTBSの「サンデー・モーニング」で写真家の浅井慎平氏は彼らをもてはやした「世間」にも責任があると言った。「世間」っていったい誰のことや?私自身を含め、周辺の人たちは当初から亀田親子に批判的な人が圧倒的に多かった。世間が支持しているかのように見せかけたのはTBSを始めとするマスコミじゃないか。放送の公共性を云々するなら、ちゃんとしたスポーツマンシップを身に付けた選手を取り上げてくれよ!あんなヤクザな連中がヒーローになるようじゃ、子供たちへの悪影響ははかり知れない。
ボクシングが美しかった時代がなつかしい。
1970年に製作されたモハメド・アリとロッキー・マルシアノのCGファイト
(この二人は時代が違うので実際には対戦していない。)
ボクシングが美しかった時代がなつかしい。
1970年に製作されたモハメド・アリとロッキー・マルシアノのCGファイト
(この二人は時代が違うので実際には対戦していない。)
昨日は家内の○○回目の誕生日。本人のリクエストもあり、ネットショップの中の気になるスイーツをバースデイ・ケーキとして取り寄せてみた。モノは福井の茶御在(ちゃでござる)というショップが売っている抹茶ロールケーキだ。実は1週間前、宮崎にいる長男の誕生日に送ったら好評だったのでうちの方でも試してみようということになった。丹波黒豆や和栗が入っていて上品な甘さがあり、何よりも抹茶が爽やかな後味として残るのがいい。なんでもこのショップはもともと茶舗だそうで、使用するお茶の品質は折り紙付きだそうだ。今まで黒川温泉のパティスリー麓というスイーツ店のロールケーキはネット上から贈答品として使ったことはあるが、実際に取り寄せて食べてみたのは初めて。今の時代はこういう市場もあるんだなということを実感した。
同級生の吉尾孝徳君が突然亡くなった。病気をしているわけでもなく、まさに突然死らしい。お互い何があってもおかしくない年齢ではあるがやはりショックだ。彼とは深いつき合いがあったわけではないが、いくつかの忘れられない想い出がある。最初の出逢いは高校1年、彼がサッカー部、私が水球部に入った頃だ。お互いに東京の大学に進学する時、同じ寮に泊まって別々の大学を受験しに行ったこともある。彼は早稲田のサッカー部を目指した。見事合格したが、何せ当時の早稲田は1級上に釜本邦茂がいて、天皇杯でも優勝するくらいの強豪チーム。彼の活躍する場はなかった。大学卒業後、それぞれ就職して彼のことも忘れていたが、母校の高校のサッカー部監督をやっているという話を聞いた。それからしばらくして母校チームを率いて正月の高校サッカー選手権に出場するという話を聞いて、大宮のサッカー場まで応援に行ったこともある。お互いに会社を退職した後、私がパソコン教室を始めた頃、彼が習いに来たこともあった。さらに私の甥の賢太が同じ高校に入ってサッカーをやると聞いた時、何か因縁めいたものを感じたものだ。彼に思い残すことがなかったかどうかはわからない。しかし、私の知る限り、ともに大学を目指していた頃語っていた夢はほぼ達成したのではないだろうか。心からご冥福を祈る。お疲れさん!合掌。
午前中の仕事を終えて帰り、昼食の後テレビのチャンネルを回していると、NHK-BS2でちょうど映画「雪国」が始まるところだった。随分昔に見たきりで、もう一度見たいなぁと思っていたところだったので、ラッキーと思って全編見てしまった。おなじみ「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」の有名な書き出しで始まる川端康成の名作「雪国」を豊田四郎監督が映画化したもので1957年、つまりちょうど50年前の作だ。雪深い越後湯沢の温泉町にやってきた画家・島村と芸妓・駒子の切なくも哀しい出逢いと別れを叙情豊かに描いているが、駒子を演じた岸恵子は絶品。彼女のベスト作だと思う。後年、岩下志麻版も観たが、やはり岸恵子の方が断然良い。今日の若手女優の中で駒子役をやれる人はいるのだろうか。ところでこの映画の音楽は團伊玖磨先生だったんだなぁ。
沢尻エリカが映画公開の舞台挨拶での不機嫌な態度が火種となってバッシングを浴びている。問題となった舞台挨拶の様子もVTRで見たが、思わず笑ってしまった。当事者だったら腹も立つのだろうが。彼女は彼女なりに“沢尻エリカ”というキャラクタ、つまり長澤まさみとは対極に位置するような“とんがりキャラ”を一生懸命演じているのだろう。これまでもとんがり系の女優はいくらでもいた。古くは加賀まりこ、秋吉久美子、桃井かおり等々。年配の方は誰でも思い当たると思うが、21歳くらいの頃は、自分の態度や行動が招くリスクはあまり考えないものだ。ましてや、芸能界という生き馬の目を抜くような世界で生き残るためには、常人とは異なるような行動も時には必要なのかもしれない。別に彼女の肩を持つつもりはないが、今回の騒動もおそらくこれからの女優生活の1ステップになるんだろうなぁ。それにしても行定さんお気の毒!ところでこの映画「クローズド・ノート」の試写会は新潟出張で見逃した。残念!
高校の教科書検定で沖縄戦の集団自決に日本軍が直接関与したとする記述が削除された問題で、渡海文科相は、非公開となっている教科書検定の審議会の一部公開も検討する考えを示した。しかし、基本的には公開に消極的な姿勢は変わっていないという。これってどう考えてもおかしい。審議会で自由な議論ができなくなるから公開しないと言うが、公開をはばかるような意見を言う委員がいるってことかい。教科書問題は国づくりの根幹に関わる問題だ。万人の前で堂々と言えないような意見のやつなんか最初から選ぶなって話だ。それ以前に審議会の委員はいったいどういう基準で選ばれているのだろう。その段階からオープンにしておかないと、うさんくさい委員が紛れ込んで、わけのわからないうちに改編されてしまうおそれがある。集団自決の件のように。
今日はみわの幼稚園の運動会。朝早くから家内と母を連れ立って久留米へ出かけた。台風や雨も心配したが曇り空で暑くもなく、程よい天候だった。みわはいかにも先生に教えられたとおりといった様子で、どの種目でも一生懸命。ちょっとウルっときた。昼食の時は、家内が前夜から心を込めて作った弁当をおいしそうに頬ばっていた。わが子や孫のシャッターチャンスを逃すまいと駆けずり回る父母や祖父母たちの姿を見ていると、この子らは愛情に包まれて幸せなんだなぁと思うと同時に、こんな幸せには縁がない子どもたちも世の中にはたくさんいる現実を思うとちょっと複雑な気持になった。
森田芳光監督の新作「サウスバウンド」の試写会に行った。「ナビィの恋」や「深呼吸の必要」など、沖縄ものが好きなので結構楽しめた。トヨエツ演じる時代遅れの活動家のキャラクタが面白く、今まで見た彼のキャラクタの中では一番魅力的だ。妻を演じる天海祐希の凛々しさは相変わらずだ。舞台となっている西表島など沖縄の人々や風土が都会の資本に翻弄される様子は心が痛い。森田監督は同時並行で「椿三十郎」のリメイクに挑んでいるが、個人的には「今、なぜ?」という気がするし、黒澤作品のリメイクを見たいとも思わない。