徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

年末のご挨拶

2024-12-31 17:05:19 | 
今年も多くの皆様に、当ブログをご訪問いただきありがとうございました。
厚く御礼申しあげます。
今年は元日から「能登半島地震」の報が飛び込み、8年前の「熊本地震」を思い出し、
暗澹たる1年の始まりを感じさせました。
来るべき新年も何が待ち構えているのか油断はできません。
ともあれ、皆様方がご息災でお幸せな1年になりますよう心よりお祈りいたします。
新年も当ブログをよろしくお願い申しあげます。
筆主敬白


阿蘇中岳の噴煙

フォトジェニック 2024

2024-12-30 22:05:16 | 写真

2024.3.24 九州がっ祭2024 美勝女隊(福岡)
 「九州がっ祭」は2016年熊本地震からの復興を願って始まった「よさこい」系のまつり。九州各県および全国から100を超える団体が参加、演舞を繰り広げ優劣を競う。各団体ともオリジナル性を追求し完成度が高い。全団体を見たわけではないが、熊本城二の丸広場会場で僕が見たなかでは最も「見映え」がしたのがこの「美勝女隊」。


2024.5.4 代継宮 ~曲水の宴~ 巫女による祭祀舞「豊栄の舞」
 毎年5月、代継宮(熊本市北区龍田3)の境内では平安絵巻さながらの「曲水の宴」が開かれる。宴の開始にあたって神事が執り行われ、巫女による祭祀舞「豊栄の舞」が舞われる。平安装束に身を纏った男女が歌人に扮しているが、白衣に緋袴の巫女の姿は厳かで神聖さを感じる。


2024.6.2 藤間流 藤間きみ藤芸歴五十年記念公演 「常磐津 京人形」
 名工・左甚五郎が思いを寄せる廓の太夫に似せて等身大の人形を彫る。すると甚五郎の魂が込められた人形が動き出すという歌舞伎舞踊。甚五郎を演じる藤村紫皇さんと人形の藤間きみ奈さんのコミカルなやりとりが楽しい。藤村紫皇さんは藤村流の家元だから言うに及ばず、若手舞踊家として期待されている藤間きみ奈さんの艶やかさが印象深かった。

年末お礼参り

2024-12-29 20:32:09 | 
 このところの寒さで外歩きは控えていたが、そろそろ運動不足が気になりだしたので、神社への年末お礼参りを兼ねて久しぶりに散歩した。加藤神社はお礼参りの参拝者で賑わっていた。かかりつけ医からインフルエンザが流行しているので人混みは避けるよう言われていたことを思い出し、今日は鳥居の下から遥拝するにとどめた。
 二の丸広場を通り抜け、護国神社へ行くとこちらは数人しか見えなかったので拝殿前まで進んで参拝した。すっかり正月の装いが整っていた。鳥居下の「終戦より八十年」の看板が目についた。終戦は昭和20年8月。僕はこの年度の生まれなので感慨深いものがある。


正月の装いが整った熊本県護国神社


新年は終戦から80年

 護国神社から二の丸広場へ戻る途中、住江門跡を通りながら、ふと住江金之(すみのえきんし)博士のことを思い出した。住江博士とは熊本県御船町出身の醸造学の権威である。御船町の地酒醸造元に生まれた博士は五高、東大を出たあと、細川家の重臣住江家の養子に迎えられた。住江門とは近くに住江家の邸があったことから名付けられたもの。
 つい先日、日本の「伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に正式登録され、熊本県の酒造関係者も大喜びというニュースが流れていたが、住江博士もその歴史を築いたお一人として喜んでおられることだろう。


住江門跡

八景園の赤い椿

2024-12-28 22:15:21 | 
 この時季の花といえばすぐに頭に浮かぶのは「椿の花」。僕が子どもの頃、わが家の2軒先にあった「八景園」の庭に咲く赤い椿である。「八景園」と言ってもわが家の大家Y氏宅なのだが、かつて「八景園」という名の茶屋を開いていたので近所の人たちはみなこの家のことを「八景園」と呼んでいた。普通の民家には見られない屋根の付いた棟門が茶屋の名残りを思わせた。その門をくぐるとすぐ脇に一本の椿の木があり、晩秋になると赤い花を咲かせた。
 茶屋を開いていたのは戦前までだったらしいが、この店の前を通る道「新坂」は戦後の車社会になるまでは、熊本市内と上熊本駅の間を歩いて行き来する行商人や荷馬車を引く馬方などが行き交う道だった。うどんが売りだったらしいが「八景園」は格好の「峠の茶屋」的な存在だったという。
 3年ほど前、フォローさせていただいているブログ「水前寺古文書の会」さんの「明治42年頃の熊本の遊びどころ」という記事に、当時の人気店が23店舗ほど紹介されていて、その中に挙げられている「一休」という料理屋が、「八景園」の前身であったことに驚いたことがある。この料理屋「一休」の女将は二本木遊郭内にあった西券番でならした芸娼お繁という人で、才色兼備の女将だったそうである。京町台の東端に位置する眺望の佳さが売り物だったようだが、庭に咲く赤い椿の花も客を和ませていたのかもしれない。「一休」という店名も「峠の茶屋」を感じさせる。

手古舞木遣り

2024-12-27 19:58:05 | 音楽芸能
 今年も残すところ4日となった。今日はYouTubeマイチャンネルの今年度状況を概観した。動画をアップした時はできるだけこのブログでも紹介したいと思っているが、紹介した覚えがないものが結構あることに気付いた。記事にするタイミングが合わなかったのかもしれない。
 そこで、まだブログで紹介できていない動画を少しづつ紹介していきたい。今日紹介するのは「手古舞木遣り」。「木遣りくずし」のあんこ入りで江戸の祭りの粋でいなせな様子を唄った端唄。昭和48年に作られているので歌謡曲と言った方がいいのかもしれない。
 「手古舞」というのは江戸時代には神田明神祭の余興の舞のことだったらしいが、今日では男髷にたっつけ袴の女性が金棒を持って山車に付き添う姿をそう呼ぶようになったそうだ。
 作詞:たなかゆきを 作曲:初代藤本琇丈

2015.5.2 水前寺成趣園能楽殿 第4回水前寺をどり
振付:中村花誠
立方:中村くるみ・今村明音・小堀ゆりあ

八雲とアニミズム

2024-12-26 20:51:40 | 文芸
 来年秋から放送の朝ドラが小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の妻セツをヒロインとする「ばけばけ」に決まったことを受けて、NHK熊本局でも八雲に関する話題を取り上げた番組が多くなった。
 小泉八雲が五高教師として熊本へやって来たのは明治24年(1891)11月、41歳の時のこと。その前年に日本へやって来て、横浜港に降り立ち、咲き乱れる日本の桜を初めて目の当たりにした時の思い出を次のように書いている。

――この神々の国では樹木は人間から大切に育てられかわいがられてきたので、木にも魂が宿り愛される女のように、樹木はさらに美しさを増して人間への感謝を示そうとするのであろうか――

 9年前、NHK-Eテレの「100分de名著」で八雲の「日本の面影」を取り上げた時、この回の指南役である早稲田大学教授、池田雅之氏は、八雲はアイルランド人の父とギリシャ人の母という血筋から、アニミズム(生物・無機物を問わず万物に霊魂、もしくは霊が宿っているという考え方)の感性が備わっていたのではないかと解説された。 
 八雲が来日早々感じとった、木々にも魂が宿るという考え方は古より日本にあり、能や歌舞伎舞踊など古典芸能の格好の題材となっている。八雲の代表作となる短編集「怪談」に収録されている「青柳のはなし」もまさにそんな一編である。
 八雲の来熊120年となった2011年には熊本では様々な記念行事が行われた。その中のひとつが創作舞台「青柳」公演だった。八雲「怪談」の「青柳の話」「十六桜」「乳母桜」を素材に、「樹齢」をテーマとした創作舞台で、八雲について数々の著書がある平川祐弘東大名誉教授が書かれたオリジナルの「夢幻能 青柳」をもとに、能、日舞、演劇による創作舞台が繰り広げられた。
 せっかく朝ドラで盛り上がっていることでもあり、この創作舞台の再演も検討していただけるとありがたいのだが。

▼来熊120年記念公演「青柳」の舞台より


菊本澄代(観世流能楽師)


高濱流光華々(日本舞踊家)




今年の観能記 2024

2024-12-25 21:35:21 | 伝統芸能
 毎年、年末にその年に見た能楽を総括することにしている。ここ数年、コロナ禍もあってほとんど見られない年もあったが、かつては年に4、5回は能舞台を見て来た。
 今年は正月の藤崎八旛宮松囃子に始まり、秋の藤崎八旛宮例大祭御旅所奉納能まで3回だった。3月の熊本城薪能は都合で見逃がしたのは残念。


藤崎八旛宮松囃子 喜多流 舞囃子「東北」(2024.1.5)
 「東北」は和泉式部(霊)が登場する能で、今年は大河ドラマ「光る君へ」に和泉式部も登場したので、今度は舞囃子ではなく能で見たい。


出水神社薪能 金春流 能「田村」(2024.8.3)
 わが父の思い出の曲だが、過去に見た「田村」と比べると明らかに不出来。楽しみにしていただけに残念だった。次回の演能を楽しみにしたい。


藤崎八旛宮例大祭御旅所奉納能 喜多流 半能「敦盛」(2024.9.16)
 半能「敦盛」を見るのは3回目か4回目か。全編も見てみたいが、「敦盛」はどうしても幸若舞の印象が強いので…

   ▼特別観能(テレビ視聴)

熊本ゆかりの能「檜垣」を「古典芸能への招待」(Eテレ 2024.2.25)でやっと見ることができ念願がかなった。

伝説の「クリスマスの約束 2009」

2024-12-24 13:03:57 | 音楽芸能
 今夜、「クリスマスの約束」最終回(23:56~)が放送されるが、それに先立ち、過去の放送の中で今や伝説となっている2009年「クリスマスの約束」で歌われた22曲メドレー(22分50秒)が再放送される。これは見逃せない。(放送は22:00よりTBS系)
 当時このブログに書いた記事を再掲してみた。

▼圧巻だった!「クリスマスの約束2009」(2009.12.26)

 クリスマス恒例、「クリスマスの約束」(TBS)は毎年必ず見ることにしているが、今年のライブの目玉、21組のトップアーティストが、各々のヒット曲をメドレーでつないだ"22分50秒"は、今まで見た中で一番凄かった。ただメドレーで歌うというのではなく、小田和正が編曲し、メインヴォーカル以外は全員がバック・コーラスにまわるという壮大な一つの組曲として成立していた。企画が立ち上がったのは8月だったというから、「さもありなん」と思わせるパフォーマンスだった。いつまでも止まないオーディエンスのスタンディングオベーションを見ながら、NHKの「紅白歌合戦」など、くだらない衣装合戦やコントなんかやめて、ホントはこんな企画をやるべきなんだろうな、と思わずにはいられない。小田さんの音楽的才能はもちろんのこと、企画力と実行力に敬意を表したい。
≪出演者≫
小田和正、AI、Aqua Timez、いきものがかり、キマグレン、Crystal Kay、財津和夫、佐藤竹善、清水翔太、JUJU、スキマスイッチ、鈴木雅之、STARDUST REVUE、中村 中、夏川りみ、一青 窈、平原綾香、広瀬香美、藤井フミヤ、松たか子、山本潤子

ラスト「クリスマスの約束」

2024-12-22 18:18:44 | 音楽芸能
 毎年、クリスマスの楽しみだった音楽番組「クリスマスの約束」(TBS)。今年は3年ぶりに行われる。しかし、今回が最終回で24年続いた番組の歴史に終止符を打つという。
 この番組の特長は小田和正さんのリーダーシップによる音楽性の高さ。「紅白」は見なくてもこの番組は見逃さなかったので、もう見られなくなるのは寂しい。
 この番組で歌われた歌のなかで僕のベストソングは「Today」。
 「昨日の栄光や明日への約束でなく、今日この瞬間、笑って泣いてそして歌う今日こそが自分のストーリーなのだ!」と歌う。これは「今を生きる」というメッセージなのだと思う。
 僕が大学に入学した1964年、アメリカのフォークミュージックグループ、ザ・ニュー・クリスティー・ミンストレルズがリリースした曲で、寮のラジオでよく聴いていた懐かしい曲だ。


出演者全員で「Today」を歌う。「クリスマスの約束2015」オープニング



ブラタモリのレギュラー復活

2024-12-21 20:06:44 | テレビ
 ブラタモリが再びレギュラー番組に復活するそうだ。NHKの看板番組だったわけで、このコンテンツを手放すのが惜しくなったのだろうか。
 内容的に見直して再出発するらしいが、2015年に第4シリーズが始まって以来、徐々に内容がアカデミックに偏り過ぎていった感もあり、バラエティ的な要素とのバランスを見直していただきたい。
 かつての教養バラエティの色彩が強かった一例として、第3シリーズの「江戸の盛り場 ~吉原編~」(2012年1月12日放送)の概要を再掲してみた。

▼江戸の盛り場 ~吉原編~
 案内人は立教新座中学校・高等学校校長兼立教大学名誉教授の渡辺憲司さん。
 「吉原は江戸の流行の発信基地」とかなんとか言いながら、舟で吉原を目指す。柳橋から隅田川を北上、浅草を通過して吉原へと向かう。そこで一句
  「船宿へ家の律儀は置いてゆき」
 つまり、恥も外聞も打ち捨ててというわけか。かつて使われたのは猪牙船(ちょきぶね)。「猪牙船 小便千両」と言って、相当金をつぎ込まないと舟上に用意された竹筒へ小便ができるようにはならないという。
 隅田川の西岸に見えてくるのが「首尾の松」。江戸時代から数えて七代目の松。
  「濡れてしっぽり首尾の松」
などと、同伴した芸者といい雰囲気になると、まさに「浮かぶラブホテル」状態。
 やがて舟は吾妻橋を通過。江戸時代、一日三千両(朝は日本橋、昼は浅草、夜は吉原)の金が動くと言われたというエピソードを聞く。当時は「吉原細見」というガイドブックがあったという。
 舟は今戸橋付近に到着。舟を降り、待乳山聖天にお詣り。夫婦和合の御利益がある大根を購入。新婚の久保田祐佳アナに進呈するも大根は聖天様にお供え用。
 今では暗渠となった隅田川の支流の跡を辿って歩いて吉原へ。
 女性の観光客もこぞって吉原へ来た理由。それは遊女の斬新な着物や化粧などを一目見たかったから。つまり吉原は流行の発信基地。遊女が髪を洗うのは月に一回。遊女には厳然たる階級があり、江戸中期、二千人いた遊女のうち十人もいなかったのが太夫。美貌はもちろん高い教養が求められ、なんと時計を直せるかどうかまで求められたという。
 紙洗橋に差し掛かると「冷やかし」の話。ここにはかつて再生紙の職人たちがいて、再生紙を溶かして冷やす。冷ます間にちょっと吉原の遊女をからかいに、これが「冷やかし」の語源だという。
 暗渠と並行して走る土手を日本堤という。水害から守るために作られた人工の堤防。八代将軍吉宗の時代から8代続くという提灯屋「土手大嶋屋」へ立ち寄る。
 かつて遊客が振り返って名残を惜しんだという「見返り柳」は江戸から六代目。大きく曲がった道の先に吉原大門があり、そこからの直線道路が仲之町通り。
そんな感じで吉原探訪が進んでいく。


久保田アナ・渡辺教授・タモリそして太夫


葛飾北斎の娘、葛飾応為の代表作「吉原格子先之図」※「冷やかし」が集まる「吉原格子先」

「冷やかし」も集まる吉原のさざめきを唄う長唄「吉原雀」。(明和五年(1768)の成立)

忘れ得ぬCMソング

2024-12-20 17:30:07 | 熊本
 現在、熊本市中央区桜町の商業施設「サクラマチクマモト」のところには2015年3月まで「熊本交通センター」とともに商業施設「熊本センタープラザ」があった。その「センタープラザ」のCM曲は多くの熊本県民が今も忘れていないだろう。



CM曲にも歌われる「泉の広場」

 1976年5月、僕は家族を帯同して熊本から山口県防府市に転勤した。防府に着いて一番最初に耳に飛び込んできたのが、黒沢明とロス・プリモスが歌う水中翼船の歌「夢のオレンジライン」だった。その後も車を運転していると必ず聞こえてきて、すっかり耳馴染みとなった。当時まだ3歳だった長男も口ずさんでいた。その水中翼船も1988年には廃止されたらしい。今でも防府を思い出すと必ずこの曲が頭に浮かぶ。残念ながら音源が見つからなかったが、次のような歌詞だった。

海へゆきましょう 瀬戸内海を
水中翼船で ドライブしましょう
オレンジの花 咲き匂う
段々畑や 釣り舟が
駆けてくるくる 波の上
夢をみましょう 潮風甘い
オレンジライン 海の旅



 「センタープラザ」ほどのインパクトはないが、ずっと長い間耳にしてきて刷り込まれている曲のひとつが「鶴屋百貨店」のCMソング。「ハーイ ハーイ ハイセンス つるや!」


師走の平凡な一日

2024-12-19 20:04:07 | 
 朝のニュースで「熊本にも初雪・・・」と言っていた。未明に降ったらしい。阿蘇山を眺めてみた(下写真)が、雪だまりのようなものは見えるが、まだ冠雪というほどではない。
 今日は父の月命日で菩提寺のご住職が来られる日。師走でお忙しいのか、坊守さん(奥様)がやって来られた。坊守さんはこれまでも何度か来られたが、ご住職には失礼ながら僕は坊守さんの読誦が好きだ。女性らしい柔らかい声でよどみなく進んで行く。少し節がついていて、まるで声明(しょうみょう)のような美しい読誦が続く。読まれるのはお経ではなく正信偈(しょうしんげ)という親鸞聖人が残した詩歌のようなもの。102歳の母が唱和する。母は女学校時代に習得し今でも丸暗記している。
帰命無量寿如来
南無不可思議光
法蔵菩薩因位時
在世自在王佛所・・・

 今年もあと2週間。午後出かけた時に、京町本丁の正善寺の掲示板にこんな書が貼ってあった。
  「正月に初日の出を拝む人は多いが、大晦日の夕日を拝む人は少ない」
 言われてみればたしかにそうだ。大晦日の夕暮れにはお天道様に今年一年の感謝を込めて拝みたいと思う。


わが家から遠望する阿蘇の山々

今日のピックアップ曲

2024-12-18 21:30:33 | 音楽芸能
 日頃、テレビを見ながら流れる音楽にアンテナを張っているが、昨日・今日のNHK-BSの番組で「これは!」と思った曲は下の2曲。

◇貝殻節
 「夢千代日記」再放送は今日が最終回。年が明けてから「続 夢千代日記」「新 夢千代日記」も再放送されるらしいが、やはり一番心に残っているのは最初のシリーズ。
 そして「夢千代日記」といえば「貝殻節」。物語の舞台は兵庫県の湯里温泉という架空の温泉場となっているが、「貝殻節」は鳥取県発祥の民謡。かつて山陰の日本海沿岸に「イタヤ貝」が数十年おきに大量発生したという。この貝の捕獲に従事した漁師たちが歌い始めた労働歌が「貝殻節」の元唄だという。今日歌われている「貝殻節」は昭和初期に新民謡として改作されたものらしい。夢千代らが「貝殻節」を踊る場面は数多のドラマの中でも屈指の名場面だと思う。


芸者置屋はる屋の女将・夢千代(吉永小百合)、半玉の小夢(中村久美)、芸者の金魚(秋吉久美子)
そして三味線は年増芸者の菊奴(樹木希林)の面々。



◇Mr. Bojangles(ミスター・ボージャングル)
 昨日放送された「六角精児の呑み鉄本線・日本旅」の「豊肥本線&南阿蘇鉄道」編では、熊本地震被害から7年ぶりに全線開通した南阿蘇鉄道で阿蘇カルデラ内部の絶景旅の場面で、ザ・ニティ・グリティ・ダートバンドの「Mr. Bojangles」が流れた。六角さん自らも歌うカントリーソングなので選ばれたのだろう。服役中の受刑者である年老いた大道芸人ミスター・ボージャングルのことを歌った哀愁漂う歌で、多くの歌手がカバーしているが、僕はサミー・デイヴィスJr. のバージョンが一番印象深い。下の映像はザ・ニティ・グリティ・ダートバンドが1990年に阿蘇で行われた「カントリーゴールド」に参加した時のもので、今回の番組にはピッタリだ。


平原綾香スペシャルジャズライブ

2024-12-16 19:36:28 | 音楽芸能
 昨日、NHK総合で放送された「平原綾香スペシャルジャズライブ~私の原点~」は見ごたえがあった。もっとも首都圏のみ放送の「首都圏いちオシ!」という番組だったので本放送では見られず、NHKプラスの見逃し配信で見た。次のようなプログラムだったが、見ものは3年前に亡くなったレジェンドサックス奏者の父親譲りのアルトサックス演奏。彼女のヴォーカルはまるでサックスを演奏しているかのような発声だと思う。「Georgia On My Mind」をヴォーカルとサックス演奏で魅せてくれた。彼女のサックス演奏を見るのは15年前の熊本公演以来である。
  • On The Sunny Side Of The Street
  • アランフェス協奏曲〜Spain
  • JOYFUL, JOYFUL
  • Georgia On My Mind
  • Jupiter
  • What a Wonderful World
▼Precious Time
(写真をクリックすると動画を再生します!)

焼酎「田原坂」

2024-12-15 18:53:33 | 熊本
 熊本市北区植木町で民謡教室を開いておられる本條秀美さんは、植木町ゆかりの民謡「田原坂」の普及と継承に力を尽しておられる。また、「民謡田原坂全国大会」の実行委員長も長く務めて来られた。
 そんな本條さんから「地元産の焼酎『田原坂』が出来たので試飲してみて」とわざわざ焼酎を持ってきていただいた。焼酎はもう何年も口にしていないが、味見させていただいた。焼酎通というわけでもないが、スッキリした口あたりと米特有の甘みと香りがほのかに感じられた。
 ラベルを見ると手書きの「田原坂」の文字に少年兵と梅の枝の絵があしらってある。ラベルの右上隅に「本格焼酎」と記されている。気になってちょっと調べてみた。酒税法では焼酎は甲類と乙類とに分かれている。簡単に言うと新しい蒸留法が甲類で伝統的な蒸留法が乙類とされているが、「乙類」というのはイメージが悪いので、一定の基準を満たした乙類を「本格焼酎」と呼称するようになったらしい。そこで京都祇園のことを連想した。かつて花街が「祇園甲部」と「祇園乙部」とに分かれていたが「祇園乙部」はイメージが悪いので「祇園東」に呼称を変えたと聞いたことがある。
 それはさておき、この焼酎「田原坂」が植木町の新しい名産になればいいのだが。

 

舞 踊:植木町民謡田原坂保存会
 唄 :本條秀美
三味線:本條秀太郎