元唄は、明治40年代に流行した神長瞭月作詞・作曲のバイオリン演歌「ハイカラ節」。いわば「ハイカラ節」の熊本バージョンといえる。他の多くの熊本民謡同様、お座敷での座興唄として流行ったのだろう。もともと「ハイカラ」つまり西洋かぶれをからかった唄だが、熊本でなぜ地元バージョンができるほど、この唄が好まれたのだろうか。熊本には、明治初期にアメリカ軍人ジェーンズを招いて熊本洋学校ができたり、それを母体にプロテスタントの「熊本バンド」が結成されたりするなどの歴史がある。そういった他に先駆けて何かをやろうとする「わさもん気質」と、一方ではそれを冷ややかに見ている「いひゅうもん気質」が共存する熊本県人特有の気質と無関係ではないように思われる。
〽逢いたかばってん逢われんたい たった一目でよかばってん
あの山一丁越すとしゃが 彦しゃんのおらす村ばってん
今朝も今朝とて田のくろで 好かん男に口説かれて
ほんに彦しゃんのおらすなら こぎゃん腹も立つみゃあばってん
千代八千代 どうしたもんじゃろかい
〽チリリンチリリンと出て来るは 自転車乗りの時間借り
曲乗り上手と生意気に 両の手離した洒落男
あっち行っちゃ危ないよ こっち行っちゃ危ないよ
危ないよと言ってる間に そらずっこけた
千代八千代 どうしたもんじゃろかい
あの山一丁越すとしゃが 彦しゃんのおらす村ばってん
今朝も今朝とて田のくろで 好かん男に口説かれて
ほんに彦しゃんのおらすなら こぎゃん腹も立つみゃあばってん
千代八千代 どうしたもんじゃろかい
〽チリリンチリリンと出て来るは 自転車乗りの時間借り
曲乗り上手と生意気に 両の手離した洒落男
あっち行っちゃ危ないよ こっち行っちゃ危ないよ
危ないよと言ってる間に そらずっこけた
千代八千代 どうしたもんじゃろかい