徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

女優 尾野真千子のこと。

2013-08-31 10:51:04 | テレビ
 ドラマ「夫婦善哉」を見ながら、尾野真千子が実力派女優としての風格が出て来たなぁとつくづく思う。僕が彼女に最初に注目したのはもう8年ほど前になる。いくつかの映画でチョイ役をやっているのを見て、不思議な存在感を感じた。どんな子なんだろうとネットで調べたら、中学3年生の時に河瀬直美監督に見い出され、「萠の朱雀(1997)」のヒロインに抜擢され映画デビューしたことを知った。その「萠の朱雀」を見たいと思ったのだが、その頃はビデオも発売されておらず、やっと見ることができたのはそれから2年くらい経ってからのことだ。ちょうど同じ頃、河瀬直美監督の「殯の森」がテレビ初公開され、その時初めて僕はブログに取り上げている。それから6年以上が過ぎ、尾野真千子のことや彼女が出演した映画・ドラマに関するブログ記事は33本を数える。そのリストを掲げてみた。

NHK土曜ドラマ「夫婦善哉」 ~ 言いたい放題 ~(2013.8.26)
尾野真千子 × 渡辺あや(2013.7.21)
渡辺あやさんはどうしてる?(2013.1.22)
マイブログ2012 ベスト10(パート2)(2012.12.22)
次回作が待たれる渡辺あや ~ 「カーネーション」から半年 ~(2012.10.21)
野村芳太郎の 「3大松本清張もの映画」!(2012.10.11)
「カーネーション」のない朝に思った巧みなシナリオ(2012.4.2)
朝ドラ「カーネーション」のエンディング(2012.3.30)
尾野真千子という女優(2012.2.24)
朝ドラ「カーネーション」と熊本の意外なつながり(2012.2.11)
朝ドラ「カーネーション」が面白いわけ(2011.12.19)
尾野真千子 ~ 第二の高峰秀子になれるか!? ~(2011.11.21)
朝ドラ「カーネーション」が毎朝楽しみ!(2011.10.28)
朝ドラ「カーネーション」に期待!(2011.10.3)
追悼 原田芳雄さん(2011.7.20)
映画「小川の辺」 ~ 素晴らしい作品なのだが・・・ ~(2011.7.2)
朝ドラ「カーネーション」を占う ~ 「火の魚」の見方 ~(2011.3.15)
遂に朝ドラのヒロイン役を射止める! ~ 尾野真千子 ~(2011.3.7)
渡辺あや、遂に朝ドラに登場!(2011.2.1)
楽しみな映画3本(2010.10.20)
ドラマ「火の魚」 白眉のシーン(2010.6.26)
ドラマ「火の魚」はなぜ成功したのか!?(2010.6.11)
芥川龍之介の「トロッコ」が映画に!(2010.3.15)
今、イチ押しの女優 ~尾野真千子~(2010.3.12)
ドラマ「火の魚」 芸術祭大賞に選ばれる!(2009.12.18)
今年最高のドラマ!? 「火の魚」(2009.10.14)
ドラマ「火の魚」(2009.9.3)
クライマーズ・ハイ(2008.7.19)
ヤーチャイカ(2008.7.12)
ヤーチャイカ(2008.3.20)
ETV特集(7/15)(2007.7.16)
萠の朱雀(もえのすざく)(2007.6.4)
殯の森(もがりのもり)(2007.5.30)

“花童”が演奏する素囃子はいかが!

2013-08-30 21:43:31 | 音楽芸能
 花童(ザ・わらべ&こわらべ)のもう一つの顔は囃子方(はやしかた)。囃子方とは和楽において小鼓や大鼓、太鼓、笛などを演奏する人たちのこと。
 明後日の9月1日、城南町の火の君文化ホールで行われる誠会のおさらい会で、彼女たちのもう一つの顔を見せてくれる。普段見慣れた舞踊とはまた異なるパフォーマンスが楽しみ。
 ご興味のある方はぜひのぞいてみてはいかが。

◇日時 9月1日(日)11:00~
◇会場 火の君文化ホール
         熊本市南区城南町舞原394番地1(TEL 0964-28-1800)
◇花童関係者出演予定 
素囃子「五郎時宗」
  小鼓 鬼塚 美由紀
  小鼓 上村 文乃
  小鼓 今村 明音
  小鼓 中村 くるみ
  大鼓 後藤 未和
  太鼓 倉橋 奏
  太鼓 柿原 怜奈
  太鼓 木村 優亜
  太鼓 倉橋 功

素囃子「末広狩」
  小鼓 上村 文乃
  大鼓 後藤 未和
  太鼓 高田 真由

素囃子「外記猿」
  小鼓 中村 花誠
  小鼓 今井 冽
  大鼓 今村 孝明
  太鼓 上村 文乃

素囃子「蜘蛛の拍子舞」
  小鼓 高田 真由
  小鼓 中村 利誠
  大鼓 中村 花誠

素囃子「勧進帳」
  小鼓 上村 文乃
  小鼓 高田 真由
  小鼓 中村 花誠
  大鼓 中村 利誠


種田山頭火と藤崎八旛宮のお祭り

2013-08-29 16:27:45 | 文芸
 山頭火のネタをもう一つ。「行乞記」の冒頭には、熊本を出発して八代や人吉の町を行乞して歩いたことが書いてある。昭和5年9月14日から16日の間、山頭火は人吉の木賃宿「宮川屋」に3泊しているが、その9月15日のところに藤崎八旛宮の秋の例大祭のことが次のように書かれている。

九月十五日 曇后晴、当地行乞、宿は同前。
けふはずゐぶんよく歩きまはつた、ぐつたり労れて帰つて来て一風呂浴びる、野菜売りのおばさんから貰つた茗荷を下物に名物の球磨焼酎を一杯ひつかける、熊本は今日が藤崎宮の御神幸だ、飾馬のボシタイ/\の声が聞えるやうな気がする、何といつても熊本は第二の故郷、なつかしいことにかはりはない。
あはれむべし、白髪のセンチメンタリスト、焼酎一本で涙をこぼす!

 小泉八雲が友人に宛てた手紙の中にも登場する藤崎八旛宮のお祭りは、山頭火にとっても印象深いものだったらしい。



≪お断り≫
この歌には、現在では好ましくない表現が含まれますが、作品のオリジナルを尊重してそのまま再生します。ご了承ください。

映画「山頭火」製作が頓挫の危機!

2013-08-29 11:24:34 | 映画
 自由律俳句の巨人、種田山頭火を描く映画「山頭火」の製作が、資金難のため頓挫の危機にあるらしい。中山節夫監督(熊本県合志市出身)がメガホンをとり、今年7月には完成、11月に公開予定と報じられていたが、当初見込んでいた製作費の資金集めのメドが立たず、まだ配役すら決まっていないという。製作費を圧縮し、来年2月ごろまでには完成したいとしているが、はたしてどうなることやら。
 そこで疑問に思うのは、山頭火のファンは全国にいるし、山頭火が放浪の旅で立ち寄ったゆかりの地も全国にある。中でも熊本県は出身地の山口県と並んで最もゆかりの深い土地。にもかかわらず、一般市民から募ったという制作協力券(1枚千円)の話など、これまで聞いたことも見たこともない。すぐにでも協力したいのだが・・・
 資金集めは本当に手を尽くしたと言えるのだろうか。旅をすると「山頭火ゆかりの…」と謳った観光地によく出くわす。山頭火の恩恵を受けている観光地は多いはずだが、資金協力依頼はどのように行われたのだろうか。
 ともかく、多少計画は遅れても構わない。この映画が必要な資金を確保し、完成・公開される日がやってくることを願ってやまない。

あなたはどっち? ~ 世界文化遺産への推薦 ~

2013-08-28 17:55:49 | 時事
 今年、ユネスコに登録を推薦する「世界文化遺産」の候補が、文化庁が推す「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」と内閣官房が選定した「明治日本の産業革命遺産」の二つとなった。原則として同時に2件は申請できないそうなので、今後、どちらかを選ぶことになるという。
 「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」には天草市河浦町の崎津集落が含まれ、もう一方の「明治日本の産業革命遺産」には荒尾市の旧三池炭鉱万田坑や宇城市の三角西港が含まれるなど、いずれの候補にも熊本県は関係している。
 どちらかが先でなければならない絶対的な理由などないと思うが、おそらく観光振興などの面で関係自治体や関係団体の声の大きい者勝ちになりそうな気もするので、僕は一つの考え方として、歴史の古い方を優先させていいのではないかと思う。つまり「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の方が「明治日本の産業革命遺産」よりも300年ほど歴史が古いので、それを優先させたらどうだろうか。いずれにせよ複数の候補が競合することは今後もありうるわけで、今のうちに客観的な基準を作っておいた方がよさそうだ。

▼「明治日本の産業革命遺産」に含まれる旧三池炭鉱万田坑


▼「明治日本の産業革命遺産」に含まれる三角西港


▼「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」に含まれる崎津集落

花童を支える“ビエントサウンド”

2013-08-27 13:45:00 | 音楽芸能
 花童(ザ・わらべ&こわらべ)が踊る演目は長唄、大和楽、端唄、民謡などの、通常日本舞踊で使われる「和楽」に加え、歌謡曲系、ポップス系など多岐にわたる。“中村花誠ワールド”はまさにジャンルにとらわれない自由奔放さが魅力でもある。そんな中でもビエント(Viento)サウンドの果たしている役割は大きい。特に「熊本城うたまい絵巻」に含まれる各曲を始め、本丸御殿、挽歌、卑弥呼の舞、福連木の子守唄、旅の風等々、花童の演目には欠かせない。
 先日、熊本市民会館で行なわれた「熊本いのちの電話・チャリティ公演」でザ・わらべが踊った「旅の風」と「卑弥呼の舞」は長年のビエントファンでもある僕にとって嬉しい曲だった。「旅の風」は数年前、JNN系列で放送されていたドキュメンタリー番組「新 九州遺産」のサブテーマ曲で、コンサートでも何度か聞いたことのある僕の大好きな曲。「卑弥呼の舞」はビエントコンサートなどで、吉崎真美さんをリーダーとする創作舞のグループ「神楽姫」がよく踊っていたのを思い出した。
 今年の「春のくまもとお城まつり」では、花童がビエントと共演する機会に恵まれ、僕にとってはダブルで楽しめてとても嬉しかった。

≪ビエント(Viento)のプロフィール≫
 1997年、阿蘇を拠点に結成されたデュオグループ。 アンデスの自然に似た阿蘇を活動の拠点に定めた吉川万里と、熊本の自然をテーマに音楽活動をしていた竹口美紀が奏でるビエントの音楽は、まさに阿蘇を吹き渡る風のよう。スペイン語で「風」を意味する「Viento」とういうグループ名には、様々な大自然のメッセージを音楽という風にのせて運びたいという願いが込められている。アンデスの最も古い楽器ケーナや阿蘇の土で作られたオカリナ、それらにシンセサイザーを融合させた独自のビエントサウンドで、全国各地に“風”を届けている。これまでリリースしたアルバムは11作を数え、海外公演でも好評を得ている。



NHK土曜ドラマ「夫婦善哉」  ~ 言いたい放題 ~

2013-08-26 12:01:18 | テレビ
 久々に放送開始前から期待していたドラマ「夫婦善哉」が始まった。土曜の放送と昨夜の再放送と既に2回見た。最近見たドラマの中では断然面白い。面白いんだが、不満な点もいろいろあった。
 このドラマの制作が発表された時、僕は朝ドラ「カーネーション」の渡辺あやが脚本を担当することを期待した。しかし、発表された脚本家は藤本有紀。「ん?平清盛の!?」まぁ、僕は大河ドラマ「平清盛」はほとんど見ていないので何とも言えないが。しかし、数年前の朝ドラ「ちりとてちん」は結構評判良かったし、「夫婦善哉」は「ちりとてちん」同様、大阪の人情喜劇だしな、などと考えていた。
 僕が感じた不満その一。森山未来演じる柳吉のキャラクターがよくわからない。ただの駄目なボンボンにしか見えない。僕らの世代にとっては森繁久弥さんの柳吉の印象が強いせいもあるが、番宣で「どこか憎めない・・・」と言われても、そんな気持ちが起こらない。オダサクの原作にも書かれているように蝶子が一目惚れするほど、一見仕事ができそうな男にも見えない。森山未来は「セカチュー」以来、多くの映画やドラマで見ているが、けっして演技がヘタな男優ではない。やっぱり脚本のキャラ設定に問題がありそうだ。
 不満その二。大阪弁独特のセリフのやりとりが期待したほど面白くない。これが渡辺あやだったら、もっと鋭いやりとりがあったのではないかと、ついそんなことを考えてしまう。
 不満その三。豪華な俳優陣が脇を固めているが、その人がその役にキャスティングされた意味がイマイチよくわからない。まぁ、テレビドラマにしろ映画にしろ、キャスティングなんてそんなものなんだけどね。未来クンの言う「BK」組ってやつですか。余談だが、僕らの子どもの頃、熊本放送局のことを「GK」って呼んでいたなぁ。
 そんな不満の一方で、オノマチは絶好調!蝶子のキャラにドンピシャ!という感じだ。宝田明さんの言う「高峰秀子のような大女優」への階段をいよいよ登り始めたか・・・

夏の終わりの城華まつり!

2013-08-25 21:17:54 | イベント
 豪雨でどうなることかと思った今年の「くまもと城華まつり」。「民謡おてもやん」の「夜聴聞詣り」で知られる古桶屋町の普賢寺境内には出店が立ち並び、雨にもかかわらず夏の終わりの夜まつりを楽しもうと多くの人々が足を運んだ。本堂での演し物が始まった頃はテント席の中まで激しい雨が吹き込む有様。ところがなんと花童(ザ・わらべ&こわらべ)の出番になったら奇跡的に雨が止んだ。はたして誰が“晴れおんな”?






海達公子の生誕97年

2013-08-24 18:09:07 | 文芸
 昨日、8月23日は大正から昭和初期、天才少女詩人と呼ばれた海達公子の生誕97年に当る日だった。彼女が16年半という短い生涯のほとんどを暮らした荒尾市では、海達公子顕彰会が3年後の生誕100年に盛大な記念事業を実施すべく、準備を進めていると聞いているので楽しみである。
 さて、公子が大正5年8月23日に生まれたのは、長野県飯田町(現飯田市)の一軒の農家だった。実はそこは海産物などの行商を営む彼女の母マツヱや親族たちの行商拠点となっていた借家だった。母マツヱたちは当時「阿波のいただきさん」と呼ばれた徳島県阿部村からやってきた一団だった。行商先で出産するというのも凄い話だが、阿部村を出るとだいたい5ヶ月は帰らなかったという。9月の阿部村の秋祭りには必ず帰るしきたりがあったそうなので、公子が飯田にいたのはほんの短い期間だったと思われる。さらに、父親松一はその頃、熊本県荒尾町(現荒尾市)の三池炭鉱に職を得ていたので、阿部村に帰ったのも束の間、荒尾に移って親子が一緒に暮らし始めたようだ。公子はものごころがついてから阿部村には一度しか帰っていないようだが、彼女の作品から、ずっと阿部村を心のふるさととして思い続けていたことがうかがえる。
 そんな公子誕生前後の顛末も含め、公子の生涯を1本のショートムービーにまとめたいと思っている。完成はいつになるかわからないが生誕100年までにはなんとかしたいものだ。
※参考文献 「評伝 海達公子」規工川祐輔著(熊日出版)

▼公子が生まれた長野県飯田市の風景(門脇俊照様撮影)


▼公子の心のふるさと、旧阿部村(現徳島県美波町)の浜(海司広幸様撮影)


▼小学校時代を過ごした荒尾市万田の家近くにある厳島神社

「2013熊本城本丸御殿・秋夜の宴」 日程決まる!

2013-08-23 18:41:16 | 音楽芸能
▼熊本城本丸御殿 ~秋夜の宴(あきよのうたげ)~

【期 間】平成25年9月7日(土)~10月20日(日)
【時 間】午後6時~午後7時30分
【場 所】熊本城 本丸御殿大広間
【料 金】観覧無料(熊本城入園料が必要です。)

■9月日程
  7日(土)【城下町くまもと~つれづれ集~】(日本舞踊)
        ◇少女舞踊団「ザ・わらべ」◇こども舞踊団「こわらべ」◇花と誠の会
 14日(土)【城下町くまもと~萩の巻】(日本舞踊)
        ◇少女舞踊団「ザ・わらべ」◇こども舞踊団「こわらべ」◇花と誠の会
 21日(土)【城下町くまもと~月の巻~】(日本舞踊)
        ◇少女舞踊団「ザ・わらべ」◇こども舞踊団「こわらべ」◇花と誠の会
 28日(土)【津軽三味線】
        ◇山下靖喬

■10月日程
  5日(土)【城下町くまもと~屋形船の巻~】(日本舞踊)
        ◇少女舞踊団「ザ・わらべ」◇こども舞踊団「こわらべ」◇花と誠の会
 12日(土)【城下町くまもと~桔梗の巻 】(日本舞踊)
        ◇少女舞踊団「ザ・わらべ」◇こども舞踊団「こわらべ」◇花と誠の会
 13日(日)【箏・尺八/大衆演劇】
        ◇田島お箏・尺八研究所◇カムイ☆龍虎
 19日(土)【天草ハイヤ/詩吟】
        ◇苓明高校郷土芸能部◇向山里水・人水
 20日(日)【山鹿灯篭/詩吟】
        ◇鹿本農業高校郷土芸能伝承部◇向山里水・人水


▼昨年の「秋夜の宴」(HIROさん撮影)

晩夏のメランコリー

2013-08-23 16:06:05 | 文芸
 今日は「二十四節気」のうちの「処暑」。そろそろ暑さもおさまってくる頃だが、たまたま今日は曇天で、時折雨もパラつく天候。昨日までと比べるとだいぶ過ごしやすい。そんなわけで、今「晩夏」であることをあらためて実感している。
 僕はこの「晩夏」という言葉ほど、メランコリックな感情にさせられる言葉はない。僕に限らず多くの人が同じような感情におそわれるのではないかと思う。これはいったい何なんだろう。秋の到来がいやなわけではない、むしろ望んでいるにもかかわらずだ。
 四季に恵まれ、その移ろいの中で独特の無常観を身に付けて来た日本人にとって、激しく盛んだった夏が衰え、去ってゆくさまを、無意識のうちに人生になぞらえているのかもしれない。

※右の絵は、小林萬吾(1872-1947)作「物思い」東京藝術大学美術館所蔵


日本舞踊の源流 ~ 念仏踊り ~

2013-08-22 18:29:49 | 音楽芸能
 昨夜の「熊本いのちの電話・チャリティ公演」のプログラムの中で、僕が最も興味深かったのは終盤に演じられた「花街おどり」の中の花童4人による「念仏踊り」だ。江戸時代の花街に、はたしてこんな門付芸人たちが往来していたのかどうかはさておき、「念仏踊り」が今日の日本舞踊や歌舞伎の源流となった歴史を再び思い起こさせてくれた。
 800年ほど前に始まったといわれる「念仏踊り」はその名のとおり、念仏を唱えながら踊りをそえるという、あくまでも宗教行為だった。今日もそのまま残っているものもあるが、400年前に革命的なことが起きた。それが出雲阿国の登場である。阿国は宗教から踊りを解放した。「念仏踊り」を芸能化したのである。そして阿国はさらにそれを「歌舞妓踊り」へと発展させていく。今日、阿国が日本舞踊および歌舞伎の始祖とリスペクトされるのは、まさにそのことによってなのである。
 昨夜、中村花誠さんの振付によって花童が踊った「念仏踊り」は、阿国の時代よりずっと後の時代設定だが、今日の日本舞踊の中に色濃く残る「念仏踊り」の進化の名残りのようなものを感じさせた。

▼昨夜、花童が踊った「念仏踊り」


▼「阿国歌舞伎夢華」(2012年日本舞踊協会公演)における「念仏踊り」

檜垣水汲みをどり ~ 花童バージョン ~

2013-08-22 00:00:21 | 音楽芸能
 先日、八千代座で撮影に失敗した「檜垣水汲みをどり」。今夜は入念な事前のビデオカメラ調整のおかげでまあまあの映像が撮れたかな。花童バージョンを見るのは3回目だが、見る度に彼女たちは上手くなる。今夜のような大きな舞台で映える演目なので、きっと花童の代表的な演目になるだろう。今夜はひとつ城北高校バージョンと見比べてみるとするか。




今朝の風景 ある老夫婦

2013-08-21 12:59:51 | その他
 今朝、中坂を車で通りかかった。中坂というのは坪井方面から京町台に登る狭い急坂だが、ここを歩いて下って行く老夫婦と思しき二人連れが眼に入った。妻は腰が大きく曲がり、杖をつきながらの足取りは覚束ない。夫はこの妻の片腕を両手で掴みながら付き添っている。朝と言ってももう10時近く、このところ連日の猛暑が容赦なく二人に降り注いでいる、にもかかわらず、二人は日傘をさすこともままならない。咄嗟に「これは見過ごせる状態ではない」と思い、車を停めた。「どちらまでいらっしゃいますか?」と声をかけた。すると意外にも腰の曲がった妻の方から「ありがとう!すぐそこのお寺までですから…」と品の良い物腰で返事が返ってきた。夫は僕の顔を見ながらにこやかに頷いている。中坂の登り口にある専念寺へ墓参りにでも行くところらしい。「お気をつけて」とだけ言って僕は発車した。バックミラーの中の二人の姿を目で追いながら僕は「熱中症にならないだろうか…」とか「子供たちは遠く離れて暮らしているんだろうか…」とか「他人事ではないが、老々介護は大変だな…」とか、いろんなことが頭の中を駆け巡った。

孫の成長

2013-08-20 17:47:49 | ファミリー


 孫たちは元気に夏休みを過ごしているらしい。Facebookのおかげでその様子がリアルタイムでわかる。孫息子のてっぺいは先月6歳の誕生日を迎えた。6年前のブログを見たら、8月20日、つまりちょうど6年前の今日、そのてっぺいが新生児黄疸の症状で産院に再入院したため、心配して家内と久留米へ駆けつけたことが記されていた。そのてっぺいも今では上の写真のとおり。成長ぶりを見ると実に感慨深いものがある。6年前の記事を再掲してみた。

てっぺいに再び新生児黄疸の症状が出たので入院させたという連絡で、昨日は朝から家内と久留米へ出かけた。病院に着くと、てっぺいは保育器に入れられ、オムツだけの裸んぼでうつぶせになり、全身に光を当てられていた。しばらくして看護師さんが足の裏から血液を採取した。痛かったのだろう。もう一方の足が痙攣していた。可哀想だがその様子がおかしかった。血液検査の結果、帰ってもいいというので、迎えに来たお母さんに抱かれててっぺいは退院した。まだ顔色の黄色は残っているが、それ以外は元気そうだ。姉のみわが心配そうにあやしていた。今週末のお宮参りは大丈夫かな?