王書物語/世界民話の旅5 ギリシャ・ペルシャの民話/蒲生礼一・訳/さ・え・ら書房/1970年初版
イランの叙事詩、王書物語(シャー・ナーメ)が、世界民話の旅シリーズにありました。
全文ではなさそうだが、読むだけでも苦労する長さ。
登場人物も次々にかわり、人物の名前をおっていくだけでも大変。
小学校の中学年以上を対象としたとあったが、少し難しい。
ところで、フリー百科事典「ウィキペディア」によると、“叙事詩とは、物事、出来事を記述する形の韻文であり、ある程度の長さを持つものである。
一般的には民族の英雄や神話、民族の歴史として語り伝える価値のある事件を出来事の物語として語り伝えるものをさす。“とあり、”口承文芸として、吟遊詩人や語り部などが伝え、その民族の古い時代には次世代の教養の根幹を成したり、教育の主要部分となる事も多かった。後世に書き残され、歴史資料に保存される事になったものが多い。“
さらに、西欧文学の古典で叙事詩と言われるものには、古代において『イリアス』や『オデュッセイア』、中世において、『ニーベルンゲンの歌』、『ローランの歌』などがある。アジアでは『マハーバーラタ』、『ラーマーヤナ』など。民族叙事詩として有名なものには、「シャー・ナーメ』(イラン)、『ウズ・ルジアダス』(ポルトガル)、『ユーカラ』(アイヌ)などがあるという。
着目したいのは、口承文芸として、吟遊詩人や語り部などが伝えたという点である。口承といっても文書として残されているようなので、代を重ねるごとにかわっていくものでもなさそうであるが、長い話が語られ(今では読むということか)ているのは、楽しみがなかった昔、音楽や踊りなどともに、聞くというのも大きかったようである。
語り部という点では、日本には、琵琶法師、瞽女が、語りを音曲とともに語ってきた歴史もあるが、昔話との関連があるのか知りたいところ。