・りこうなおきさき(モーゼス・ガスター・文 光吉夏弥・訳/岩波書店/1963年初版)
王さまのなぞなぞをといた大臣の娘が、お妃となります。王さまのお裁きに口をだすなといわれていたが、ある理不尽な裁定をうけた男に知恵をつけてやると、それが王さまにばれてしまい、別れることになります。
お妃は、おいとまするときに、わたしの一番大事なものをいただいてもいいかと王さまにいうと、なんでももっていくがいいといわれます。
すると、おきさきは、王さまを酔わせて自分の家につれていき、目をさました王さまが、一番大事ないとおしい人なので、ここで暮らしてほしいといい、二人の仲が回復します。
・かしこいお百姓の娘(グリム童話集 上、下/佐々木田鶴子・訳/岩波少年文庫/2007年初版)
グリムは、さまざまな話型をうまく取り入れているようで、「かしこいお百姓の娘」は、大臣の娘が、百姓の娘となっていますが「りこうなおきさき」とほぼ同様に展開します。
どちらも、すこしばかげている王さまのお裁きがでてくるが、ここにでてくるなぞなぞ、もうすこしわかりやすいと親しみがもてそうです。
・“馬にものらず、あるきもせずに、きものを着るでもなく、着ないでもなく、えものをみやげにもつでもなく、もたないでもなく” <りこうなおきさき>
・“服を着てもいけないし、はだかでもいけない。馬に乗ってもいけないし、車に乗ってもいけないし、道を歩いてもいけないが、道をはずれてもいけない”<かしこいお百姓の娘>
答えがでてきてもやや首をひねります。