どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

りこうなおきさき・・ルーマニア、かしこいお百姓の娘・・グリム

2014年04月06日 | 昔話(外国)

りこうなおきさき(モーゼス・ガスター・文 光吉夏弥・訳/岩波書店/1963年初版)

 王さまのなぞなぞをといた大臣の娘が、お妃となります。王さまのお裁きに口をだすなといわれていたが、ある理不尽な裁定をうけた男に知恵をつけてやると、それが王さまにばれてしまい、別れることになります。
 お妃は、おいとまするときに、わたしの一番大事なものをいただいてもいいかと王さまにいうと、なんでももっていくがいいといわれます。
 すると、おきさきは、王さまを酔わせて自分の家につれていき、目をさました王さまが、一番大事ないとおしい人なので、ここで暮らしてほしいといい、二人の仲が回復します。


かしこいお百姓の娘(グリム童話集 上、下/佐々木田鶴子・訳/岩波少年文庫/2007年初版)
 グリムは、さまざまな話型をうまく取り入れているようで、「かしこいお百姓の娘」は、大臣の娘が、百姓の娘となっていますが「りこうなおきさき」とほぼ同様に展開します。

 どちらも、すこしばかげている王さまのお裁きがでてくるが、ここにでてくるなぞなぞ、もうすこしわかりやすいと親しみがもてそうです。

 ・“馬にものらず、あるきもせずに、きものを着るでもなく、着ないでもなく、えものをみやげにもつでもなく、もたないでもなく” <りこうなおきさき>

 ・“服を着てもいけないし、はだかでもいけない。馬に乗ってもいけないし、車に乗ってもいけないし、道を歩いてもいけないが、道をはずれてもいけない”<かしこいお百姓の娘>

 答えがでてきてもやや首をひねります。