かえるのトンネル/田村直巳/福音館書店/2014年(1991年初出)
かえるが住んでいる森。
春になるとすいじん池に集まって「かえるまつり」を開くのですが、ようすを見にすいじん池にいこうとしますが、歩いていた三匹の目の前を、車が猛烈な勢いでとおりすぎていきます。
車が次々と走り抜けていくので、わたることができません。途中に道路ができていたのです。
そこでかえるたちは夜も寝ないで話し合いますが、いい考えがうかんできません。
もぐらが顔を出したので、かえるたちはトンネルをほってくれるよう頼みますが、急な用事があるからと断られてしまいます。そのかわり土をほる道具と外へ運ぶ道具も作ったらいいよと助言してくれます。
さっそくなんどもなんどもやり直してトンネルをほりはじめます。
ほる方向はかえるのハナキキが先導します。クヌギやコナラ、シイの木の匂いが頼りです。
ところが突然、木の匂いがしなくなります。
かえる太い腕で堀り進むようすが、力強く描かれています。
かえるが冬眠からさめてみると、道路ができていて、びっくりしたのでしょう。
人間は生き物を考えずに、開発することへの皮肉も含まれているのかも!
最後のお祭りも楽しそうです。