どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

宝満山のタヌキ・・福岡

2023年05月28日 | 昔話(九州・沖縄)

        福岡のむかし話/福岡県民話研究会編/日本標準/1983年

 

 大宰府の後ろにあった宝満山には、タヌキがおったが、いつのまにか いなくなったという。

 何があったのか?

 ときどき、山のてっぺんから下界を眺めていたタヌキ。田んぼに大水がでていても、人間は平気で仕事をしている。

 このあいだは、大水がでていると思っていたら、今日は どこをみても緑色。

 またまた下界をみてみると、今度は黄色。そのあとは茶色。

 「人間に近寄ったら、ろくなことはなかぞ。」。そげんいうて、タヌキは宝満山からどこかへにげていってしもうたげな。

 

 よそへいっても、おなじような景色がひろがっていたはずなので、タヌキは安住の地をみつけられたのかどうか?。