福岡のむかし話/福岡県民話研究会編/日本標準/1983年
大宰府の後ろにあった宝満山には、タヌキがおったが、いつのまにか いなくなったという。
何があったのか?
ときどき、山のてっぺんから下界を眺めていたタヌキ。田んぼに大水がでていても、人間は平気で仕事をしている。
このあいだは、大水がでていると思っていたら、今日は どこをみても緑色。
またまた下界をみてみると、今度は黄色。そのあとは茶色。
「人間に近寄ったら、ろくなことはなかぞ。」。そげんいうて、タヌキは宝満山からどこかへにげていってしもうたげな。
よそへいっても、おなじような景色がひろがっていたはずなので、タヌキは安住の地をみつけられたのかどうか?。