ぼくのたからもの/鈴木 まもる/アリス館/2015年
小学1年生のジュンくんが、ある日、2階の窓の近くにメジロが巣を作っているのを見つけました。
メジロが、みどりのコケを 白い糸みたいなもので、ひっかけています。お父さんがクモの巣からとってきた糸だとおしえてくれました。
ジュンくんが観察していると、一日一個の空色の卵を産んで、四つになったら卵をあたためだしました。
お母さんが出産したころに、ヒナもうまれます。
お母さんの子育てと、メジロの子育てが並行していきます。
やがて、ヒナたちも、羽をバタバタさせて巣立ちの練習です。そしてある朝、巣がからっほになって、巣立ちです。
赤ちゃんとメジロによせるジュンくんの思いやりとやさしさがつたわってきます。子どもたちが小鳥の成長をじっくり観察できる機会があったらいいですね。
お父さんもクモの糸が、巣の材料になる、ヒナが飛べるようになるともう巣はつかわないと、教えてくれる頼もしいお父さんです。
ヒナが巣だってつかわなくなった巣は、まちがいなくジュンくんの宝物でしょう。
鈴木まもるさんは、画家・絵本作家で鳥の巣研究家でもあると紹介されています。
ところでメジロが、我が家の柿の実をついばんでいるのを見ました。でも体の大きなヒヨドリやムクドリがやってきて、追い払われてしまいました。