おやゆびこぞう/スペンサー・オットー・絵/矢川澄子・訳/評論社/1981年
おやゆびこぞうが、馬の耳にはいって、「馬をたくみに誘導する」、「見世物小屋に売って人儲けをたくらむ男から、お金を巻き上げる」、「ふたりの泥棒を手玉にとる」、「牛に飲み込まれる」、さらに「おおかみにのみこまれる」と、ちょっとやりすぎじゃないかという冒険の連続。
おやゆびこぞうからみれば、まわりは巨人の連続。靴や帽子、牛などとおやゆびこぞうなどの対比がうまく描かれ、まさに絵本の世界。
「まったく、世の中の中には苦労のたねがつきない」・・まさにそのとおり。
グリムでは、こどもいない夫婦におやゆびこぞうがうまれるところからはじまりますが、ペロー版では、七人兄弟の末っ子として登場し、貧乏な夫婦から捨てられようとするところからはじまっています。