どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

すずめのおくりもの

2015年01月05日 | 安房直子


     すずめのおくりもの/安房直子・作 菊池恭子・絵/講談社/1993年初版 1982年初出
 

 挿絵がついていますが、そうでなくてもいろいろ想像すると楽しい。

 月に一度のとうふやさんのお休みの日、すずめたちがやってきて、次々に口上をのべます。

 電線の上に並ぶすずめをよくみかけますが、横一列にならんで順番に口上をのべるあたりは、舞台を思わせます。

 すずめのおねがいというのは、すずめ小学校の入学祝いに、あぶらげをごちそうするというもの。

 おひとよしのとうふやさんは、朝早くから起こされてしまったのに、この頼みをひきうけます。

 すずめたちが差し出したのは、湯飲み茶わん一杯ほどの大豆。まず、豆腐を作る工程がていねいに展開されます。

 豆腐を作るためには、豆をしばらく水につけとかなくちゃと、とうふやさんがいいますが、せっかちで、まちきれないすずめたちが、一時間おきにやってきて、「まめはやわらかくなりましたか?」「そろそろとうふができますか」と聞くところでは、おもわず笑えます。

 できた豆腐で、あぶらげをつくることになりますが、すずめが期待に胸をふくらませながら見つめる様子にワクワク感があります。


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