どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

聞く話す

2015年01月06日 | いろいろ
<その1>
 「ベニスの商人」の私家版をつくって、主に覚えることを中心にしていましたが、少し離れてみると、語るにしても、聞く側からしたらあまり適切でなさそうな表現があることに気がつきました。
 漢字は見る分には視認性が高く、すんなりと入ってきますが、音で聞く場合はどうなのだろうかということも。
 「求婚者」という表現がでてきます。同音異義で「球根」もあります。この場合は少ないのですが、多数の同音意義があるときは、もっとわかりにくい感じがします。
 多分、はじめて聞くと”何”といった感じでしょうか。

 これは例ですが、話す場合には音にも注意する必要があり、読むばあいとの違いを踏まえる必要がありそうです。

<その2>
 夏や春の高校野球。野球だけがなぜこれだけ中継されるのか疑問に思いながらも、つい目を奪われている。
 テレビだと、それほど考えることなく、どんな投手か、打者のカウントや、特徴が伝わってくる。
 しかし、ラジオだとかなり集中して聞いていないと、試合の進行がイメージしにくい。アナウンサーの実況中継が重要になるが、注意して聴いていると、瞬時瞬時の状況が実に巧みに実況されている。

<その3>
 「長くつをはいた猫」「ジャックと豆のつる」の冒頭に、後家という表現がでてくる。状況を説明するためにでてくるのはわかるがこれを語った時には、やや抵抗があって表現をかえてみた。
 後家、やもめ、未亡人、寡婦といった言葉は、大人はともかく、子どもにすんなりはいっていくか知りたいところ。

 お話にでてくる母親と子どもだから、シングルマザーといいかえてもいいが、これもしっくりこない。
 <世界むかし話8/三宅忠明・訳/ほるぷ出版/1979年>の「ジャックと豆の木」では、ジャックという少年がいて、母親が病気の夫とむすこをやしなっていたと訳されているが、これも他の訳からすると、いわずもがなの感じがする。

 話をするのは、テキストにそうかたちで話すことになるので、臨機応変というわけにはいかないが、聞き手にうまく届けようとするアナウンサーの隠れた技術?は、参考になりそうだ。
 話し手によって、すとんとはいってくる人と、そうでない人がいるが、この違いがまだよくわからずにいる。 

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