どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

たたかいでも鳴る太鼓・・兵庫

2024年10月29日 | 昔話(関西)

     兵庫のむかし話/兵庫県小学校国語教育連盟編/日本標準/1978年

 

 タイトルからすると”親捨て”の話を連想しましたが、同じシチュエーションがでてきますが、組み立てがことなります。

 息子が畑で働いていると、通りかかった殿さまが、「朝からなん鍬打った?」と、むちゃぶり。息子が、「殿さまの馬はここまでくるのに何足あるきましたか?」と、返事。なんで怒ったかのか殿さまは、「三日の間に、灰で縄をなってまいれ」と命令し、できなかったら命はないという。

 父親は病気でねており、息子は、なんとかあやまって、家に帰ったが飯もろくろくのどを通らんようになった。どこか体でも悪いと聞かれても、息子は首を振るばかり。「なにか心配事があったら、わしにはなしてみんかえ」といわれ、殿さまから言われたことを話すと、父親は、「かたくかたく藁をなって、塩水につけじゅうのうにのせかまどで焼け」という。そのとおりにする、みごとな灰の縄ができあがった。
 すると、こんどは、「たたかい(たたかなくても)でも鳴る太鼓を作ってこい」という。

 また父親の出番で、いらんようになったふるいに、丈夫な障子紙を貼り、カボチャの花にきているゴンゴロバチをあつめ、ふるいの穴へいれると、ゴンゴロバチがさわいで、ドンドンと、大きな音がでてきた。

 感心した殿さまが、「これはおまえの知恵ではあるまい。正直に申せ」というので、家で寝ている父親に聞いたことを話すと、息子はぎょうさんのほうびをもらって、帰ったという。


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