どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ちいさな きの ねがい

2021年07月19日 | 絵本(外国)

     ちいさな きの ねがい/エリック・バテュ・作 神沢利子・文/フレーベル館/2004年

 

 一人ぼっちの木のそばに みどりの草が芽を出しました。草はぐんぐんのびて、すぐに 蕾をつけました。

 草には真っ赤な花がひらきました。蝶々もやってきました。小さな木も 花を咲かせたいとおもいますが、まだ はだかです。

 冬が過ぎて、春が来ると木は少し大きくなりました。けれども花は咲きません。

 草の花は「もっと おおきくなったら きっと はながさくわよ」と、なぐさめてくれました。

 もういちど冬を越し、春が来ると 木はまたまた大きくなりました。

 草の花は、「さあ、目をあけてごらん。あなたは もうちいさな きじゃないわ。あなたの まっていた はるが もうそこまで きたのよ」と、声をかけます。

 そこには、この木に 花がいっぱいに 咲いていました。

 

 シンプルな貼り絵です。隣で咲いた草にちょっと、うらやましさを感じた木。

 花を咲かせたいと思いながら、なかなか思うようにならない木。しかし、いつかは望みがかなうというメッセージでしょうか。

 小さな子が、大きな子にあこがれ成長していく姿と重なります。


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