ちいさな きの ねがい/エリック・バテュ・作 神沢利子・文/フレーベル館/2004年
一人ぼっちの木のそばに みどりの草が芽を出しました。草はぐんぐんのびて、すぐに 蕾をつけました。
草には真っ赤な花がひらきました。蝶々もやってきました。小さな木も 花を咲かせたいとおもいますが、まだ はだかです。
冬が過ぎて、春が来ると木は少し大きくなりました。けれども花は咲きません。
草の花は「もっと おおきくなったら きっと はながさくわよ」と、なぐさめてくれました。
もういちど冬を越し、春が来ると 木はまたまた大きくなりました。
草の花は、「さあ、目をあけてごらん。あなたは もうちいさな きじゃないわ。あなたの まっていた はるが もうそこまで きたのよ」と、声をかけます。
そこには、この木に 花がいっぱいに 咲いていました。
シンプルな貼り絵です。隣で咲いた草にちょっと、うらやましさを感じた木。
花を咲かせたいと思いながら、なかなか思うようにならない木。しかし、いつかは望みがかなうというメッセージでしょうか。
小さな子が、大きな子にあこがれ成長していく姿と重なります。